清掃3
建築物衛生行政概論 建築物の環境衛生 空気環境の調整建築物の構造概論 給水及び排水の管理 清掃 ねずみ・昆虫等の防除
単位集 水質検査項目及び特定建築物の水質検査頻度 法令集 法改正 参考資料
清掃③
汚れの発生原因 < 汚れの分類 < ほこり < ほこりの除去方法 < はたき掛け < おかくずを用いる方法 < から拭き < ダストコントロ―ル法 < ダストクロス法 < バキュ―ムクリ―ニング法 < 各種粉じんの大きさ < ほこりの予防 < 汚れ < 汚れの除去方法 < 汚れの性質 < 汚れの予防 < 建材の選択ほこりと汚れ
汚れの発生原因
汚れの発生原因は大きく分けて自然的な汚れ(自然的原因)と人為的な汚れ(人為的原因)に分けられる。人間の使用による汚れの方が自然的な原因の汚れよりも、量や付着の強さ等ははるかに多い。
自然原因と人為的原因
自然的原因とは?
建築物は、使用しないでも相当の期間が経過すれば汚れが見えてくる。
その原因としては、空気の流れによる浮遊粉物質や雨水の影響による汚れである。また
、動植物による汚れやカビ・衛生害虫等の発生による汚れがある。
人為的原因とは?
建築物には、人間の使用につれて様々な異物が付着する。このような汚れは、自然的な原因による汚れよりも、量や付着の強さ等がはるかにはなはだしい。その原因と
して考えられるものは、歩行による靴底に付着した土砂、動くことにより発生する衣服からの摩擦粉や繊維くず等人間の動作によるものである。
付着異物の分類
付着物には、粉状物質、水溶性物質、油溶性物質、かさ高固着物質などに分類されます。
- 水溶性物質
- 水になじむ物質。雨水による汚れや飲食物による汚れのように付着に際して水分が介在する。
- 油溶性物質
- 水になじまない物質。機械油等の石油系、食用油や肉、魚の脂肪、人間の皮膚から分泌されている皮脂、手垢等
- 粉状物質
- 最も建築物内で多い物質。ほこりなど
- 立体的物質。チュ―インガムなど固着した汚れ
- かび、錆など
ほこり
- ほこりは、建築物から持ち込まれる土壌の粉末を主体とする粉状のものと、建築物内で生じた各種の摩耗粉であり、その大部分は 衣類等から発生した綿ぼこりと呼ばれている繊維粉である。
- ほこりのうち、粒径の小さい粉じんは、浮遊粉じんとなり、空気中に浮遊してなかなか沈降しない。これらは空調設備の空気清浄装置の除去対象である。 それよりもおおきなものが清掃の対象になる。いったん沈降して床や備品の上に堆積する堆積じんとなるが、人の活動や気流に より舞い上がって再浮遊と沈降を繰り返す。これらのほこりは、飛散させずに除去することが必要であり、浮遊粉じんを作らないようなビルクリ―ニングが必要である。
- ほこりは長時間放置してしまうと、経年劣化により、その他別の付着物と混合して、ほこりが別の異物に変化し除去が難しくなる。
ほこりの除去方法
はたき掛け
ほこりは紛状のため、空気中に浮遊しやすい。そのため、はたく、吹き飛ばす作業により、ほこりを除去する。
近代化した建築物の室内は、閉鎖空間であるため、適当な方法とはいえない。静電気を利用して、ほこりを吸着させる器具等を活用する必要がある。
おかくずを用いる方法
おかくずに水分を含ませ、床等にまいてほこりを付着させながら掃き取る。おかくずの粉は保水力が高く、表面積が大きいので、ほこりを 付着させる効果は大きい。
から拭き
備品等に付着した微量のほこりを除去するには、乾いた柔らかい綿布等で拭き取るとほこりが綿布に付着する為容易に除去できる。
ダストコントロ―ル法
綿布やモップにほこりが付着する力を高めるため、粘度の低い不乾性の鉱油等を、布の重量に対して20%前後の少量を含ませ拭き取る方法である。 器具の頭部は、常に一定方法に押し進めながら作業を行う。
- 長所
- ほこりの飛散が少ない。油を含ませた状態で長く貯蔵・使用できる。初心者でも容易に作業できる。作業効率が良い。
- 短所
- ほこり以外のものは除去できない。水汚れに対し効果が少ない。油汚れに対して効果がない。
ダストコントロ―ル法は特徴をしっかり、特に長所、短所は覚えましょう。
ダストクロス法
化学繊維を不綿布として織り、静電気を利用してほこりを付着させたり、繊維の隙間を利用して土砂等を回収する。ダストコントロ―ル法と比べ 油分による床面の被害がすくないことから多用されている。
バキュ―ムクリ―ニング法
真空掃除機を用いてほこりを除じんする方法。
各種粉じんの大きさ
浮遊性大気じん | 0.1~20μm |
沈降性大気じん | 1μm~0.1mm |
たばこ煙 | 0.1μm~1μm |
細菌 | 0.5μm~50μm |
真菌 | 10μm~15μm |
花粉 | 10μm~0.1mm |
人体・衣服からの発じん | 0.5μm~1μm |
清掃による発じん | 10μm以下 |
一般砂 | 80μm~ |
良く出題されるのはたばこ煙あたりかな
ほこりの予防
ほこりの侵入を防ぐ- 建築物内のほこりは外部(外)から侵入したものが多い。密閉性の高い現在の建築物では、窓や隙間から侵入するほこりは少ない。侵入路としては重要視されるのは入口などの開口部(玄関など)である。
- 入り口にエア―シャワ―を設置
- 入り口に前室を設ける
- 扉を自動開閉式・回転式等にする
- 開放式の出入り口にはエア―カ―テンを設置する
- 入り口で衣服・靴等のほこりや泥を除去する。
- 入り口にマットを敷く
- 建築物内でほこりが発生する原因は、作業や生活行動の際に、資材や廃棄物の微細片が散乱したり、衣服が摩耗してきた綿ぼこりが散乱することである。また、建材や家具 が摩耗して粉化するなどでして発生する。
- 衣服類や内装材、家具はなるべく摩耗しにくいものを使用する。
- 微細なごみやたばこの灰等を、できるだけ散乱させないように、適当な容器を用意する。
ここで、重要なのは窓や隙間からのほこりはあまり重要視されていない。←これ覚えましょう。
汚れ
- 汚れは、人体からの分泌物や排泄物、手や指の付着物、飲食物、事務資機材、人間の生活・生産活動に伴って発生したものが多い。
- ネズミや、ゴキブリ、クモなど屋内生息動物の活動によるもの。
- カビ類の発生によるもの。
- 天井や高所の汚れのように、主として空気中の浮遊物によるもの。
汚れの除去方法
- 水溶性または親水性物質の除去には、水拭き、水洗いを行う。一般に建材は、水の付着により不具合が生じる恐れが多いものが多く、水分は速やかに除去しなければならない。
- 油溶性物質は水に混じりにくい、そのため界面活性剤を主剤とする洗剤を用いれば、油溶剤の汚れも水溶性の汚れと同様に、水を媒体として除去することができる。
- しみの除去は、時間経過とともに材質に浸透し、酸化・変質して除去が難しくなることが多いのでできるだけ迅速に除去することが重要である。
汚れの性質
- 建材が親水性か疎水性かによって、付着する汚れの状況が異なる。親水性の建材には水溶性物質が付着しやすく、逆に疎水性の建材には油溶性の物質が付着しやすい。
- 汚れは平滑緻密な表面には付着しにくい。付着しても除去しやすいが、孔隙や凸凹が多くて粗い表面には付着しやすく、付着すると除去しにくい。
- 汚れの除去には水を使用することが多いので、水に耐える材質のものは清掃しやすいことが多い。
- 汚れが内部にしみ込みやすい吸水性の建材や、汚れの付着によってさびやかび等の変質を生じやすいものは後の処理が面倒である。
汚れの予防
- ほこり以外の汚れ物質は、人間の活動の伴って付着することが多いことから、その原因を絶つことは難しい。
- 被付着体である建材の方に工夫をこらして、汚れが付着しにくく、付着しても除去しやすい建材の選択や建材の加工改良をすることが賢明な方法である。
建材の選択
- 親水性の建材には水溶性物質が付着しやすく、逆に疎水性の建材には油溶性物質が付着しやすい。
- 汚れは平滑緻密な表面には付着しにくく、付着しても除去しやすいが孔隙や凹凸が多くて粗い表面には付着しやすく、付着すると除去しにくい。
- 汚れの除去には水を使用することが多いので、水に耐える材質のものは清掃しやすいことが多い。
- 汚れが内部にしみ込みやすい吸水性の建材や、汚れの付着によってさびやかび等の変質を生じやすいものは後の処理が面倒である。
- 清掃の立場からみて好ましい建材を全面的に使用することは困難であるが、最も汚れやすい部分だけでも清掃の立場を尊重すべきである。
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