空気環境の調整6
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空気環境の調整⑥
蒸気圧縮式冷凍機 < 蒸気圧縮機の冷凍サイクルとモリエル線図 < ヒ―トポンプ方式 < 吸収式冷凍機 < 二重効用吸収式冷凍機 < 蒸気圧縮機冷凍機と比較した場合の吸収式冷凍機の特徴 < 吸収式冷凍機の冷凍サイクル < ボイラ
冷凍機
冷凍機の仕組み
冷凍機の仕組みは、物質が液体から気体に状態変化する際の蒸発潜熱を利用して、対称物を冷却するものです。冷凍機内で状態変化する物質が冷媒です。
冷凍機は、蒸気圧縮冷凍サイクルの蒸発潜熱(冷熱)を利用するもの、ヒートポンプは、蒸気圧縮冷凍サイクルの凝縮潜熱(温熱)を利用するものをいいます。
冷媒ガスを圧縮する方式として、一般的に圧縮機が用いられる。 冷凍機は、蒸発した冷媒を再び液体(液化)にする方法により、蒸気圧縮式と吸収式に分かれます。
蒸気圧縮式冷凍機
最も代表的な冷凍サイクルである蒸気圧縮冷凍は、液体(冷媒))が蒸発するときの冷却作用を利用するもので、冷媒を繰り返し使用するため、蒸発した冷媒ガスを圧縮し 、常温で凝縮液化させ、これを再び低圧部へ送って蒸発させることにより、連続的に冷凍作用を行わせる方式である。冷媒ガスを圧縮する圧縮機の形式により容積式(往復式、回転式)遠心式(タ―ボ式)などがある。
遠心式といえばタ―ボ←これ覚えよう
- タ―ボ冷凍機(遠心冷凍機)
- 羽根車(インペラ)の高速回転による発生する遠心力で冷媒を圧縮する。
- 往復圧縮機
- シリンダ内のピストンを往復させることにより、冷媒ガスを圧縮する。
- 回転式冷凍機
- シリンダ・ピストンに相当する機構を回転子の回転運動で圧縮作用が得られるようにしたもので、高効率運転が可能で、高速回転に適している。圧縮機本体の小型化・低振動化が可能となり
用途によっては往復動式にとって代わりつつある。
回転式冷凍機にはスクロ―ル型、スクリュ―型、ロ―タリ型がある。
- シリンダ・ピストンに相当する機構を回転子の回転運動で圧縮作用が得られるようにしたもので、高効率運転が可能で、高速回転に適している。圧縮機本体の小型化・低振動化が可能となり
用途によっては往復動式にとって代わりつつある。
蒸気圧縮機の冷凍サイクルとモリエル線図
蒸気圧縮冷凍機の冷凍サイクルとモリエル線図です。
サイクル | 行程 | 説明 | 温度 | 圧力 | 比エンタルピ― |
---|---|---|---|---|---|
①→② | 圧縮 | 冷媒は過熱蒸気となって圧縮機へ | 上昇 | 上昇 | 増加 |
②→③ | 凝縮 | 過熱蒸気から湿り蒸気、液体冷媒へ | 一定 | 一定 | 減少 |
③→④ | 膨張 | 膨張弁を通り、液体冷媒から湿り蒸気 | 低下 | 低下 | 一定 |
④→① | 蒸発 | 湿り蒸気から過熱蒸気へ | 一定 | 一定 | 増加 |
圧縮機 | 気化した冷媒を圧縮して高圧高温の冷媒とする。 |
凝縮器 | 高温の冷媒ガスが放熱し、凝縮して液体冷媒となる。 |
膨張弁 | 次の蒸発器での蒸発に備えて、冷媒を低圧低温の状態にする。 |
蒸発器 | 液体冷媒が吸熱して蒸発、冷水を冷やす。 |
冷凍サイクルの赤字は覚えましょう。
ビル管理士試験ではそんなに細かいことを問われる問題は出ないと思います。
ヒ―トポンプ方式
ヒ―トポンプは冷暖房が可能であり、1台の機器で冷水、温水または冷温水の同時取り出しを行う方式である。基本的には冷凍機と同じ機構で、 温熱源として蒸発式冷凍サイクルの凝縮器からの放熱を利用する。
特徴としては冷房期には室外機が凝縮器に、室内機が蒸発器になり、暖房期四方弁で冷媒の流れを逆転して室外機が蒸発器に、室内機が凝縮器になる。暖房負荷が最大となる時期と外気温度の一番低い時期が重なり、採熱効率が最低となる。
↑これ丸暗記すること吸収式冷凍機
現在空調用に使用されている吸収冷凍機は冷媒に水、吸収液に臭化リチウム(リチウムプロマイド)が使用され冷媒と吸収液がほぼ真空状態の密閉容器内を循環している。
冷媒である水が蒸発器において5℃で蒸発すると仮定すると、その蒸発圧力は0.874Paであり、機内は高真空下となる。
蒸発器で冷媒ポンプで散布された水は、気化熱を奪って水蒸気となる。水蒸気は吸収器で吸収溶液に吸収される。水蒸気が溶け込んで薄くなった溶液は再生器に送られ、
熱源蒸気で温められて水分を蒸発し濃縮される。再生器で分離された水蒸気は凝縮器で冷却水により冷やされて水に戻り蒸発器に送られる。
二重効用吸収式冷凍機
二重効用吸収式冷凍機では再生器及び溶液熱交換器が高温・低温にそれぞれ分かれている。高圧(高温)再生器で発生した高温蒸気を低圧(低温) 再生器に送り溶液の加熱に利用して熱交率を上げている。
二重効用吸収式冷凍機→高温・低温にそれぞれ分かれている。蒸気圧縮機冷凍機と比較した場合の吸収式冷凍機の特徴
- 冷媒には、水が用いられる。
- 吸収液には、臭化リチウムが用いられる。
- 使用電力量が少ない。
- 成績係数が低く、排熱量が大きいので、冷却塔は大型となる。
- 高圧ガス保安法の適用を受けない。
- 負荷変動に対し、容量制御性に優れている。
- 振動や騒音が少ない
- 特別な運転資格が必要としない。
- 高圧再生器と低圧再生器の2つの再生器をもつ二重効用吸収冷凍機は、単効用吸収冷凍機よりもエネルギ―効率に優れる。
- 排熱回収に適している。
- 吸収剤そのものには毒性がない。
- 冷凍機内は真空であり、圧力による破裂などのおそれがない。
つまり、吸収式冷凍機は電力量が少なくて冷却塔は大きくなり、また真空で運転するので高圧保安法の適用を受けないので運転資格がいらない。
吸収式冷凍機の冷凍サイクル
吸収式冷凍機の冷凍サイクルの概要です。
恐らくビル管理士試験では冷凍サイクルの問題は以下の図のような問題が出題されます。
- 再生器にて、冷媒を吸収した吸収液が蒸発などで加熱され、冷媒と吸収液に分離される。
- 蒸発器にて、冷媒がガス化し、冷水が取り出される。
- 吸収器にて、冷媒が吸収液に吸収される。
- 凝縮器にて、冷媒が冷却水により冷却され、液化する。
ボイラ
ボイラの種類と主な用途および取扱い資格
ボイラは、ガス・油などの燃料による燃焼熱や電熱によって、温水若しくは蒸気を取り出す装置であり、暖房・給湯・洗浄・消毒などの用途に対する 温熱源機として利用される他、吸収冷凍機駆動用熱源として冷房時にも利用される。大は蒸発量3,000t/hを超える事業用火力から、小は 蒸発量20kg/h程度の家庭用小型ボイラまで容量的にも幅広く、熱媒種別的にも、温水、飽和蒸気、過熱蒸気など種類も多い。
ボイラ取扱い者は、厚生労働省令「ボイラおよび圧力容器安全規則」によってボイラ技士の免許を受けたものに限られる。ただし、胴内径750mm以下で長さ1,300mm以下 の蒸気ボイラ伝熱面積3m2以下の蒸気ボイラ、伝熱面積14m2以下の温水ボイラおよび伝熱面積30m2以下 の貫流ボイラは、所定の取扱い講習を修了したものに限り、ボイラ技士の資格は不要である。なお、ボイラ技士の資格には、特級、一級および二級の資格がある。
- 鋳鉄製ボイラ
- 分割搬入が可能で寿命が長い。低圧蒸気、低温水を給湯・暖房用に供給する。
- 鋳鉄製ボイラは、鋳鉄という材料の節約から、高温・高圧・大容量のものは製作不可能。
ボイラ構造規格により、温度は高温120℃、圧力は蒸気ボイラの場合0.1MPa、温水ボイラの場合水頭圧50mまでに制限され、容量は換算蒸発量4t/h程度が限度である。また、構造上、セクションの内部清掃が難しいため、スケ―ル防止のため、装置系を密閉系で設計・使用するのが原則である。
- 炉筒煙管ボイラ
- 胴内に炉筒と煙管群との両方を設けた内だき式のボイラで、一般に直径の大きな波形炉筒1本と直管の煙管群からなっている。
中規模建築物などの暖房用、吸収式冷凍機の熱源として使われる。炉筒煙管式ボイラは、保有水量が大きく負荷変動に対して安定性があるためホテルなどでも多く使われる。
- 胴内に炉筒と煙管群との両方を設けた内だき式のボイラで、一般に直径の大きな波形炉筒1本と直管の煙管群からなっている。
- 貫流ボイラ
- ボイラ本体は、水管壁に囲まれた燃焼室及び水管群からなる対流伝熱面で構成され、大きなドラムがなく、ボイラ水が循環しないことが特徴である。他のボイラに比べて 法的な取り扱い資格などが緩和されており、ボイラ技士の資格を有しない。
- 立てボイラ
- 立て型の缶内に燃焼室と比較的少数の水管又は煙管を設けた簡単な構造で、設置面積が少なく済む小規模な建築物に使用される。
- 水管ボイラ
- 伝熱面が水管で構成され、ボイラ水循環方法により、強制循環式、自然循環式、還流式がある。
- 水管ボイラは、大きなドラムと水管壁に囲まれた燃焼室を有する構造のボイラで、熱媒として蒸気を発生するために用いられています。
- 真空式温水発生機
- 真空式温水発生機は、缶体内を大気圧より低く保持しながら水を沸騰させ、真空中で水蒸気を発生させ熱交換器に伝熱する80℃以下の低温水を発生。
真空式温水発生機は内部圧力が大気圧より低いため、ボイラとしての法的な適用を受けません。
- 真空式温水発生機は、缶体内を大気圧より低く保持しながら水を沸騰させ、真空中で水蒸気を発生させ熱交換器に伝熱する80℃以下の低温水を発生。
ボイラに関しては特徴をしっかり把握しておく。
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