ねずみ、昆虫等の防除2
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ねずみ、昆虫等の防除②
蚊の種類 < チカイエカ < アカイエカ < コガタアカイエカ < ヒトスジシマカ < シナハマダラカ < 防除法 < 残留処理 < 煙霧・ULV処理 < 蒸散処理 < チカイエカの幼虫対策蚊の生態と防除
蚊の種類
屋内で発生する蚊はチカイエカ1種だけです。
国内で全体ではおよそ113種類の蚊が記録されている。主な蚊の種類としては、チカイエカ、アカイエカ、コガタアカイエカ、シナハマダラカ、ヒトスジシマカなどがある。
チカイエカ
- 日本国内の屋内で確認されている唯一の蚊である。
- 世界の温帯地域に広く分布し、ビル内部で発生する蚊はほとんどこの種類である。
- 九州から北海道の都市には普通に見られる。
- チカイエカは外見的にはアカイエカやネッタイイエカに似ており、外見的には区別するのは困難である。
- チカイエカは羽化後初めての産卵は吸血しなくても行える。その後は激しく人から吸血する。
- チカイエカの卵は卵塊として水面に産み落とされる。1卵塊の卵数は50~80個
- チカイエカは冬期でも休眠せず暖房された室内では盛んに吸血することから冬の蚊といわれる。
- チカイエカは試験管のような狭い場所でも交尾が可能で、また浄化槽内のような暗黒の条件下でも休眠せず交尾を行い産卵する。
- チカイイエカが媒介する感染症は今のところ知られていない。
アカイエカ
- アカイエカは屋外で発生して屋内に侵入する。
- 夜間に屋内に侵入して吸血するよく見られるカ
- アカイエカのメスの成虫は有機物の多い下水溝やどぶ川の水面に静止して舟形の卵塊を産む。
- ニワトリや野鳥からも盛んに吸血する。
- 秋に羽化した成虫は休眠に入り、冬期には気温が上昇しても吸血活動をしない。
コガタアカイエカ
- コガタアカイエカは水田から発生する。
- 日本脳炎ウイルスを媒介する。
- 夜間に吸血する。
ヒトスジシマカ
- 公園、墓地等の日陰ややぶに多く生息する。
- 昼間に盛んに吸血する
- 雨水ますなどの人工的にできた狭い水域や屋外の空き缶などの溜り水からもよく発生する。
- 血を吸われると大変強い痒みを生じる。
シナハマダラカ
- 幼虫の発生源は水田や沼
- マラリア原虫の媒介者
- 成虫は夜間活動する。
蚊の主な生態について記述していますが、ここではまず蚊の生息場所は確実に覚える。
チカイエカ、アカイエカ、沖縄のネッタイイエカは、外部形態での区別は困難である。唯一の違いは雄の外部生殖器の形態である。
チカイエカは、アカイエカやネッタイイエカとは生理的に明らかに違いが認められる。
コガタアカイエカ→日本脳炎ウイルスを媒介する。
防除法
残留処理
成虫がとまる壁面などに残効性の高い有機りん剤やピレスロイド剤を1m2当たり50mL散布する。
煙霧・ULV処理
煙霧機やULV機を用いてジクロルボスやピレスロイド剤の油剤を霧状にして処理する。
煙霧処理であればジクロルボス0.3%油剤を1m3当たり1~3ml処理する。
煙霧・ULV処理では残効性は期待できない。
蒸散処理
槽内にジクロルボス樹脂蒸散剤を10m3当たり1本の割合で吊るす。
2~3ヵ月間有効。
チカイエカは殺虫剤抵抗性の発達が報告されているので、効果に疑問がもたれる場合には、殺虫剤の感受性に対する 調査を実施し、異なる系統の殺虫剤への変更も検討が必要である。
チカイエカの幼虫対策
- 排水槽内の幼虫の生息状況は、柄杓などによるすくい取られた数で調査する(柄杓すくい取り法)
- 昆虫成長制御剤は、幼虫に対する速攻的な致死効果はないので成虫密度を速やかに低下させる効果は期待できない。
- 浄化槽では浄化微生物に影響する油剤や殺菌作用のあるオルソ剤の使用は不可。
- 水槽の容量が分かっている場合が多いので、有機りん剤の乳剤1ppmや浮遊粉剤0.25ppmを撒く。
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