給水及び排水の管理6
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給水及び排水の管理⑥
給湯方式 < 直接加熱式 < 間接加熱式 < 中央式給湯の特徴 < 局所式給湯方式 < 給湯設備の検査 < 貯湯槽の保守管理 < 貯湯槽の電気防食 < 逃がし弁・自動空気抜き弁 < 給湯系統配管の維持管理 < 器具 < 水質管理結果に対する対策給湯・給湯方式
- 水は圧力が低いと100℃以下で沸騰する。ポンプの吸い込み側は真空となるので60℃を超えると湯を汲み上げることができない。
- 水中における空気の溶解度は、水温の上昇により減少する。
- 水中の気体の溶解度は、気体の圧力があまり大きくない場合には絶対圧力に比例する。(ヘンリ―の法則)
- 配管中の湯に含まれている溶存空気を自動空気抜き弁によって抜くためには、圧力の低いところ、すなわち一番高い場所に自動空気抜き弁を設置する必要がある.
上記湯の性質について簡単にまとめてみました。覚えるべし
給湯方式
給湯方式には中央式給湯方式と局所式給湯方式がある。
中央式給湯方式
機械室など一定の場所に加熱装置(ボイラ)を設け、貯湯槽を経て給湯管により各所へ湯を供給する方式。
直接加熱式と間接加熱式がある。おもにホテル、病院、大規模な多量の湯が必要な場所で採用されている。
直接加熱式
燃料や電気によって直接水を加熱する装置からの湯を使用する方式。
電気温水器、電気湯沸し器、真空式・無圧式温水発生器、貫流ボイラ―等
貫流ボイラ
- 小型の蒸気ボイラで水管群で構成され、耐圧性に優れ、缶水量も少なく取扱い資格は、貯槽式給湯ボイラに比べて大幅に緩和されている。
- 加熱用ヒ―タ―・温度調節装置・密閉式貯湯槽・減圧弁と逃し弁で構成される。
- 貯蔵部が大気に開放されていて、本体に給湯栓が取り付けられている。90℃以上の高温湯が得られ飲用として利用される。
間接加熱式
蒸気や高温の温水を熱源とし、加熱コイル等によって給湯用の水を加熱する方式。
加熱コイル付貯湯槽
- 貯湯槽に加熱用の熱交換器(加熱コイル)を組み込んだもので熱交換器に加熱用の蒸気や温水を通すことにより温水を作る。
一般的なホテルや病院ではこのタイプが多く多用されています。
第一種圧力容器に該当し年に1回の性能検査を受けなければならない。
- 蒸気や温水を一次側に通し、熱交換により二次側の水を加熱する装置である。
プレ―ト型、シェルチュ―ブ型がある。
- 熱交換により加熱された温水を貯湯槽に貯湯し、給湯する。負荷変動が大きい場合に採用される。
直接加熱式と間接加熱式の違いはしっかり覚えましょう。
中央式給湯の特徴
- 循環ポンプを設けることで末端の給水栓でもすぐに熱い湯を出すことが可能。
- 循環ポンプは、返湯管の途中に設ける。
- 循環ポンプの運転は、連続でなくサ―モスタットでコントロ―ルする。使用するポンプは背圧に耐えるものがよい。
- 給湯温度は60℃程度とする。55℃以下にしない。低いとレジオネラ属菌が繁殖するおそれがある。高すぎても 危険であり腐食が問題となる。
- 給湯管の管径はピ―ク時の湯の使用流量により決まる。
- 給湯横主管は湯の流れ方向に1/200~1/300程度の上がり勾配をつけ、最高部に自動空気抜き弁を設ける。
- 逃がし管は膨張した湯を逃がすために設ける。加熱装置から膨張水槽までの配管をいう。
- 逃がし弁(安全弁)はボイラら膨張水槽の圧力上昇したときに、あらかじめの設定圧力になると弁体が開く構造のもの。スプリングにより弁体を 弁座に押さえつけている。
局所式給湯方式
湯を使用する場所またはその近くに湯沸し器を置いて、個別に湯を出す方式。
給湯設備の検査
第一種圧力容器、小型ボイラ以外のボイラは
- 1ヵ月以内ごとに1回、定期自主検査を行う。
- 1年以内ごとに1回、労働基準監督署の性能検査を受ける。
- 1年以内ごとに1回、定期自主検査を行う。
上記検査は丸暗記すること。
定期自主検査は自ら行う検査のこと。
貯湯槽の保守管理
- 毎日、貯湯槽の外観検査を行い、漏れ、圧力計や温度計の異常、保温材の損傷、鉄骨製架台等鉄部の発錆状態、周囲の配管の状態等に異常がないか点検する。
- 開放式の貯湯槽が冷却塔の近くに設置されている場合は、レジオネラ属菌の侵入の危険性が高いので、清掃・点検・保守を入念に行う。
- 停滞水の防止には、給湯設備内の保有水量が給湯使用量に対して過大とならないように、貯湯槽等の運転台数をコントロ―ルし、使用しない貯湯槽の水は抜いておく。休止後 運転再開するときは、点検及び清掃を行い、設定温度に一定時間(およそ2時間)以上加熱してから使用する。
- 性能検査後マンホ―ルのふたを閉じるときは、パッキンを新しいものに交換する。
- 開放式の貯湯槽の場合、外部からの汚染の経路となりやすいマンホ―ルの気密性、オ―バ―フロ―管の防虫網の完全性等を点検・保守する。
貯湯槽の電気防食
- 配管に、配管の鋼よりも化学的に卑な金属(犠牲陽極という)を接触しておくと、鋼の代わりに腐食されて鋼は防食される。これを流電陽極式電気防食という。
- SUS444製の貯湯槽は電気防食を施してはならない。
- SUS444は、耐孔食性、耐隙間腐食性がSUS304製に比較して優れている。
逃がし弁・自動空気抜き弁
- 逃がし弁は、1ヵ月に1回レバ―ハンドルを操作させて作動を確認する。
- 水圧の低い位置の給湯栓からでる湯が、分離気体によって白濁するような場合には、自動空気抜き弁の空気排出口が詰まっていることが考えられる。
給湯系統配管の維持管理
- 各配管給湯水を均等に循環させるため、返湯管に設けられている弁により開度調整を行う。
- 各種弁などについては、1年に1回以上分解清掃を行う。
- シャワ―ヘッドや水栓のコマ部は、1年に2回以上定期に点検し、1年に1回以上は分解清掃を行う。
- 配管系統の末端や使用頻度の少ない給湯栓等、給湯温度が低い箇所を把握し、定期的(1日1回程度)に停滞水の放流を行い、温度測定を行う。
- 流量調整のためにバルブは仕切弁(ゲ―トバルブ)ではなく玉形弁(グロ―ブバルブ)を使用する。
- 腐食、水漏れ、逆流の可能性の有無や被覆状態の点検、弁の開度の調整を行う。
器具
器具のワッシャ―には合成ゴムを使用する。(天然ゴムは使用しない)。
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合成ゴムを使用は覚えましょう。
ちなみに天然ゴムを使用しない理由としては、器具のワッシャ―に使用される天然ゴムは、レジオネラ属菌に限らず 細菌の格好の栄養源となるので、合成ゴム(クロロプレン系等)を使用するとあります。
水質管理結果に対する対策
水質検査の結果、基準値を超える一般細菌が検出された場合、またはレジオネラ汚染が認められた場合には、可能な限りその原因を究明し、以下の対策を組合わせて改善する必要があります。
- 給湯水の循環状況について確認し、停滞水をなくす。
- 換水(強制ブロ―)する。
- 貯湯槽等を清掃する。
- 加熱処理(70℃で約20時間程度循環)やフラッシングを行う。
- 高濃度塩素により系内を一時的に消毒する。
- 貯湯温度を60℃、給湯温度を55℃以上に保持する。
- 細菌検査の回数を増やす。
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