給水及び排水の管理5
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給水及び排水の管理⑤
クロスコネクション < 逆サイホン作用 < バキュ―ムブレ―カ― < ウォ―タ―ハンマ― < ウォ―タ―ハンマ―防止対策 < 貯水槽の保守・清掃給水設備の保守管理等
クロスコネクション
クロスコネクションとは飲料水系統の配管とほかの配管系統(雑用水配管等)を機器や配管で接続することである。(飲料水の汚染させる危険性があるので絶対やってはいけない)
- 逆止弁を介していてもクロスコネクションになる
(逆止弁を設置されていても、逆止弁が機能しなくなった場合には汚染される恐れがあるため) - 上水高置水槽と雑用水高置水槽をパイパス管・パイパス弁等でつなぐのもクロスコネクションになるので絶対やってはいけない。
逆流とは
逆流とは、「水が流出側から給水主管側へ流れること」であり、逆サイホン作用と逆圧によって発生する。
逆サイホン作用
水受け容器中に吐き出された水、使用された水、またはその他の液体が給水管内に生じた負圧による吸引作用のため、給水管内に逆流することをいう。
水受け容器とは、使用する水若しくは使用した水を一時貯留し、またはこれらを排水系統に導くために用いられる器具及び容器をいう。
逆サイホン作用の防止には吐出口空間の確保とバキュ―ムブレ―カの設置がある。水受け容器では、逆サイホン作用の防止のために吐出口空間を確保する。
吐水口空間の数値
吐水口口径 | 13 | 20 | 25 | 32 | 40 | 50 | 65 | 80 | 100 | 125 | 150 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
吐水口空間[mm] | 25 | 40 | 50 | 60 | 70 | 75 | 90 | 100 | 115 | 135 | 150 |
バキュ―ムブレ―カ
大気圧式と圧力式がある。
- 大便器洗浄弁に取り付ける大気圧式バキュ―ムブレ―カは、大便器のあふれ縁より150mm以上高い位置に取り付ける。
- 大気圧式ブレ―カは最終弁の出口側に取り付ける。
- 構造上吐出口空間が確保出来ない場所には、バキュ―ムブレ―カを取り付ける。
- 大便器洗浄弁・小便器洗浄弁・ハンドシャワ―・散水栓・ビデ・洗浄用タンクのボ―ルタップ・ホ―ス接続口付き水栓・食器洗浄機・電気洗濯機など
バキュ―ムブレ―カを取り付ける必要がないもの
実験用流しの自在水栓・吹上げ水飲み器バキュ―ムブレ―カを取り付ける目的
バキュ―ムブレ―カは、給水管が負圧になって逆サイホン作用を生じようとするときに空気を吸引して、負圧状態(真空(バッキューム))を破壊(ブレーク)して、逆サイホン作用を防止するために設置する。
ウォ―タ―ハンマ
液体が充満して流れている管路において、弁等を急激に閉止すると弁前後に急激な圧力上昇が起こり、この圧力変動の波が閉じた点と上流側 との間を往復して、次第に減少していく現象のこと。配管等の損傷の原因になる。
ウォ―タ―ハンマは、水がほとんど非圧縮性であるから起こる(空気のように圧縮性であれば起こらない)←これ重要水柱分離とはポンプを停止して流れを急に止めた場合などに、慣性力と重力の作用により管内が負圧となり、局部的に水の飽和蒸気圧よりも低くなって、局部的に蒸発を起こす現象。
ウォ―タ―ハンマ防止対策
- ウォ―タ―ハンマによる水撃圧力は管内流速にほぼ比例するので、給水管内の流速を2.0m/s以下に抑える。
- 揚水ポンプの吐出管には、衝撃吸収式逆止弁を取り付け、揚水配管の横引きは低所で行う。
- ウォ―タ―ハンマ防止器は内部の気体によってウォ―タハンマの圧力上昇を吸収する。設置する場合はできるだけ発生箇所の近くに設ける。
- ゾ―ニングして適切な給水圧力とする。
つまり、給水流速を抑える。横引き管は低くする。
ゾ―ニングとは高層階などでは低層階に行くにつれて給水圧力が高くなるので要所に減圧弁などを用いて圧力を低下させる。
貯水槽の保守・清掃
貯水槽の清掃の流れ
- 作業員の健康診断
- 貯水槽の水抜き
- 槽内の換気を図る
- 清掃作業(受水槽→高置水槽)
- 消毒(有効塩素濃度50~100mg/Lの次亜塩素ナトリウム溶液等)で2回以上
- 消毒終了後30分以上経過してから水洗いと水張り
- 水張り後水質検査
- 受水槽の清掃を行った後に高置水槽・圧力水槽の清掃を行う。
- 貯水槽内の沈でん物質及び浮遊物質並びに壁面等に付着した物質を洗浄等により除去し、洗浄を行った場合は、用いた水を完全に排除するとともに、貯水槽周辺の清掃を行うこと。
- 貯水槽の清掃終了後、有効塩素濃度50~100mg/Lの次亜塩素酸ナトリウムなどの塩素剤を用いて2回以上貯水槽内の消毒を行い、消毒終了後は、消毒に用いた塩素剤を完全に排除するとともに、貯水槽内に 立ち入らないこと。
- 貯水槽の水はり終了後、給水栓及び貯水槽内における水について、次の表の上欄に揚げる事項について検査を行い、当該各号の下欄に揚げる基準を満たしていることを確認すること。
基準を満たしていない場合はその原因を調査し、必要な措置を講ずること。残留塩素の含有率 遊離残留塩素の場合は0.2mg/L以上(100万分の0.2以上)
結合残留塩素の場合は1.5mg/L以上(100万分の1.5以上)色度 5度以下であること。 濁度 2度以下であること。 臭気 異常でないこと。(消毒によるものを除く) 味 異常でないこと。(消毒によるものを除く) - 清掃によって生じた汚泥等の廃棄物は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の規定に基づき、適切に処理すること。
- 貯水槽清掃終了後は、水洗い及び水張りは、清掃終了後少なくとも、30分経過してから行う。
上記貯水槽の清掃について暗記すること。
特に、ポイントとして受水槽の清掃を行った後に高置水槽・圧力水槽の清掃(順番)をしっかり覚える
塩素消毒は2回
結合残留塩素の場合は100万分の1.5以上
は確実に覚えよう。
貯水槽の点検及び捕集
貯水槽の点検は1月に1回程度、定期的に行うのがよいが、地震等貯水槽の構造や水質に影響を与えるような事態が発生した場合には、速やかにその影響を点検する。
点検項目- 水漏れの有無
- 水槽内外面の破損、老朽化、劣化
- 内部における異物の混入、藻の発生
- マンホールふたの防水パッキンの状態
- マンホールふたの施錠状態
- 水抜き管・オーバーフロー管の排水口空間の確保の状態
- オーバーフロー管・通気管等に取付てられている防虫網の状況
- 取付ボルトの状態
労働安全衛生法に基づく、第2種圧力容器に該当する圧力水槽の場合には、1年以内ごとに1回、定期自主検査を行い、異常を認めた場合には、補修その他の必要な措置 を講じなければならない。
上記覚えること。
ポンプの維持管理
ポンプの点検には毎日行う日常点検と月に1回、6ヵ月に1回、数年に1回行う定期点検に分類されます。
点検項目 | 点検頻度 |
---|---|
吸込み側の圧力 | 毎日 |
吐出し側の圧力 | 毎日 |
電流値 | 毎日 |
電圧 | 毎日 |
軸受温度 | 毎日 |
震動・騒音 | 毎日 |
軸受部 | 毎日 |
各部の温度測定 | 月1回 |
電動機の絶縁測定 | 月1回 |
清掃 | 6ヵ月に1回 |
ポンプと電動機の芯狂い | 6ヵ月に1回 |
基礎 | 6ヵ月に1回 |
分解・点検 | 3~5年に1回 |
備考:
- 基本的に毎日行う点検では目視点検を行う。
- 圧力計(吸込み側、吐出側)の針が振れている場合はエアーを吸い込んでいるか、配管内に詰まりがある可能性がある。
- 電流・電圧・軸受温度・振動・騒音・軸受部は通常運転時と異常がないかを点検する。
- 月1回電動機の絶縁測定を行い、絶縁抵抗血が1MΩ以下の場合には、早期の絶縁劣化の可能性があるので、そのまま使用してはならない。
- 各部の温度測定は月1回軸受温度は周囲温度+40℃以下、軸受部は60℃以下、電動機は周囲温度+50℃以下であればよい。
- 清掃は6月に1回ほこりをとる等の清掃を行う。
定水位弁および電極棒等の点検
貯水槽は、定水位弁、電極棒、ボールタップ、フロートスイッチ等で構成されています。
これらの動作不良により断水、溢水事故になることがある。
受水槽の点検項目
- 槽内の副弁のボールタップを手動操作する。
- ボールを手で押さえて水中に没し、減水状態にして給水する。
- 定水位弁よりの給水が開始される。(動作状況の確認)
- ボールから手を離し、ボールが浮き上がり、ボールタップの給水停止を確認する。(定水位)
- 再度ボールを手で押さえて給水させ、電極棒の満水位まで注水する。
- 満水警報発報を確認、警報停止等、手動操作の手順確認をする。
- 電極棒にて警報確認後、ボールタップのボールを戻し、定水位弁が閉止することを確認する。
高置水槽の点検項目
- 手動操作で揚水ポンプを作動させる。
- 高置水槽内の電極棒またはフロートスイッチによる、警報確認と警報解除と正常運転の確認を行う。
- 全ての操作を終えて、スイッチやバルブの自動運転状態の正常位置の確認をする。
その他点検
- ボールタップのナットの緩み等の点検
- 電極棒の接続部のナットの緩み点検
- 電極棒ターミナルの雨水の侵入、端子緩みの点検
- フロートスイッチのリード線の硬化による動作不良、断線等の確認
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