建築物の構造概論5
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建築物の構造概論⑤
免震構造 < 制震構造 < 耐震補強 < 構造材料(木材) < 構造材料(コンクリ―ト) < コンクリ―トの中性化 < コンクリ―トのクレ―プ現象 < 金属材料
免震構造・制震構造・耐震補強
免震構造
免震構造とは、地震力による揺れを建築物の上部構造に伝達しないように、建築物の基礎部等に免震装置を設置して、構造体の揺れを低減する構造。
免震装置では、アイソレーターやダンパ等を用いて地震力による揺れを上部構造に伝えないようにしている。アイソレーターには、積層ゴム、滑り支承、転がり支承等、粘性式の物や鉛でできたもの等がある。
ダンパ(粘性体ダンパ等)は、振動を減衰させる役目の部材である。
用語の説明
- アイソレーター
- 地盤から建築物を絶縁する部材、機構等を指す。建築物全重量を支持できる強度や鋼製性を有し、かつ水平方向には十分柔らかな特性を有していることが必要である。
- ダンパ
- 振動エネルギーを吸収し、振動を小さくさせる装置のこと。
- 積層ゴム支承
- 厚さ数mmのゴムと鋼板を交互に積層し、鉛直方向には硬く、水平方向には柔らかい性能を持った構造体のこと。
制震構造
制震構造とは、建築物の揺れを制御して、低減しようとするシステムの構造である。
耐震構造
耐震構造といは、建築物の強さで地震に抵抗する構造で、耐震補強には、壁を増設する補強方法、鉄骨ブレースによる補強方法がある。
建築物の耐震性能を診断する耐震診断は、構造体や仕上げ材、設備等に関する基準、指針等に基づいている。
この免震構造・制震構造の違いしっかり覚えましょう。試験で混乱しますよ。
免震構造・・・・・・・・上部構造に伝達しないように
制振構造・・・・・・・・建築物の揺れを制御
耐震構造・・・・・・・・建築物の強さで地震に抵抗する。
図でも分かるように一番地震時の揺れが大きいのは耐震構造です。次に制振構造で免震構造では免震装置のお陰で上部に伝達しません。
耐震補強
耐震補強には強度を高める方法と、変形能力を高める方法に分かれる。
- 柱に鉄板・炭素繊維を巻いて補強
- 筋かい等の増設
筋かいは、骨組の壁面の垂直構面に入れる斜材、構面の変形を防ぎ、鋼性を高めるとともに地震力や風圧力に抵抗する
水平ブレ―スは、床面や屋根面のような水平構面に入れる斜材、構面の変形を防ぎ、鋼性を高めるとともに地震力や風圧力に抵抗する。
ここで、筋かいは、垂直構面に入れる斜材、水平プレ―スは水平構面に入れる斜材を覚えておこう。 - 鉄筋コンクリ―ト造の無開口耐震壁の増設
腰壁やたれ壁の増設←補強にならない。
↑
これ覚える。腰壁やたれ壁が出たら迷うことなく補強にならない。間違えないように、補強になるが出たら間違いだからね
建築材料
建築材料は大きく分けて構造材料と仕上げ材料に分けられる。
構造材料(木材)
木材は、天然の高分子材料である。
樹木は広葉樹と針葉樹に大別できるが、構造材料として用いられるのは主に針葉樹である。
木材の構造材料としての最も大きな特徴として、力を掛ける方向により強度なとの力学的特徴が大きく異なる。
木材の長所
- 軽量で加工しやすい
- 比重が小さい、熱伝導率が小さい
- 比重の割合に強度が大きい。じん性も比較的大きい。
- くぎなどによって簡単に接合ができる。
木材の短所
- 燃えやすい
- 吸水・吸湿性が大きい
- 虫の害を受けやすい。(シロアリ等)
- 節・繊維方向によって強度にばらつきが大きい。
- 腐朽しやすい
木材の強度
木材の強度は繊維方向 > 半径方向 > 接線方向の順です。
その割合はおよそ
10:2:1
になります。
構造材料(コンクリ―ト)
コンクリートは、セメント、水、砂、砂利の4種に、必要に応じて混和材料を加え、これらを混和し練り混ぜて固めたものである。
このうち、セメントと水を練り混ぜたものをセメントペーストという。
混和材料とは
混和材料とは、コンクリートに特別な性質を与えるために、セメント、水、砂、砂利以外に加える材料のこと。
このうち、使用量が少なく薬品的な扱いをされるものを混和剤という。
混和剤にはAE剤、減水剤、AE減水剤などがある。
一方、使用量が比較的多く骨材的な扱いをされるものを混和材という。
混和材には、フライアッシュ、シリカヒューム、高炉スラグなどがある。
AE剤:コンクリートの中に多数の微小な独立気泡を連行し均一に分布させる混和剤。
減水剤:セメントペースト中のセメント粒子の界面に吸着し、電気的な反発力をもたせて分散させることにより流動性を増す混和剤。
コンクリ―トの長所
- 熱膨張係数が鋼鉄とほぼ等しい
- 圧縮強度が大きい
- 耐久性、耐火性に優れる
- 鋼材の防錆力が大きい
- 部材の形状が自由にできる
- 経済的
コンクリ―トの短所
- 引張強度が小さい
- 自重が大きい
- 伸びが小さい
- 硬化時に収縮亀裂が生じやすい
コンクリ―トで最重要項目は
熱膨張係数が鋼鉄とほぼ等しい
圧縮強度が大きく、引張強度が小さい
↑
これ確実に暗記
コンクリ―トの原料
セメント・水・砂・砂利
モルタル
セメント・水・砂を練り混ぜたもの
コンクリ―トとモルタル間違えないように
コンクリ―トの中性化
コンクリ―トはアルカリ性であるが空気中の炭酸ガスの影響で次第に中性化していく。
コンクリ―ト劣化の大きな原因の 一つになっています。
コンクリ―トのクレ―プ現象
コンクリ―トに長時間、圧縮力が作用するとコンクリ―トが歪む。この現象のこと
スランプ試験
上端の直径10cm、下端の直径20cm、高さ30cmのコーン内にコンクリートを詰め、コーンを抜き去ったときのコンクリート頂部の下がりを測定する試験。
スランプ値が大きいほど、流動性が高いと評価される。
コンクリートの構成
金属材料
金属材料について重要事項をまとめました。
- 鉄鋼の線膨張係数は、コンクリートとほぼ等しい。
- ステンレス鋼は、鉄にクロム、ニッケル等を含む特殊鋼である。
- アルミ材は軽いので、カーテンウォールに用いられる。
- 銅は展伸性に富み、加工しやすい。
- 鋼板にすずめっきしたものをブリキ、亜鉛めっきしたものをトタンと呼ぶ。
- 高強度鋼は、軟鋼より伸びが小さい。
- 鋼材のヤング係数は、鋼材の種類にかかわらずほぼ一定である。
- アルミニウムは、他の金属やコンクリート等と接触すると腐食するため、通常は表面にアルマイト処理して使用する。
- 鋼材の引張試験において、破断したときのひずみ度を伸びという。
ヤング係数とは、鋼材などが塑性変形しない弾性範囲での応力とひずみの比例定数である。
カーテンウォールは、カーテンのような壁で、構造体の外周に直接取付けられる薄い外壁を指す。
アルマイト処理とは、硫酸陽極酸化処理などにより表面に酸化アルミニウムの緻密な陽極酸化被膜を形成する処理。
仕上げ材料
仕上げ材料には、多種多様な材料が用いられている。仕上げ材料の分類方法も様々であるが、材種により分類した場合の例として、石材、陶磁器室材料、 無機質系材料、高分子材料について述べるとともに、機能により分類した場合の例として防水材料、断熱材料について述べる。
仕上げ材料について重要事項をまとめました。
- 合成高分子材料は、合成樹脂、合成ゴム、合成繊維に大別される。
- グラスウールは、熱伝導率の低い空気の特性を利用している。
- しっくいは、消石灰により、すさ、水を加えて練った左官材料である。
- アスファルトルーフィングは、合成繊維などの原板にアスファルトを含浸、被覆した材料である。
- せっこうボードは、耐火性に優れるが、水分や湿気に弱い。
- 網入板ガラスは、フロート板ガラスに比べて、火災時に破片の飛散防止効果がある。
- 強化ガラスは、一般板ガラスに特殊な熱処理を施し、表面に圧縮応力を生じさせたものである。
- 床の仕上げ材には、耐摩耗性、防水性、防音性、踏み心地の良さ等が要求される。
- モルタルはセメント、砂、水を混合し練り混ぜて固めたもの。コンクリートと比較して、砂利がないため成形しやすいが、乾燥収縮が大きい。
- ガラスの主原料は珪砂で、主成分はケイ酸(SiO2)である。
- 板ガラスは、部分的に加熱されると破壊しやすい。
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