空気環境の調整22
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空気環境の調整22
昼光 < 照明設計に関する指標 < 光源の種類 < ルミネセンス < 白熱電球・ハロゲン電球 < 低圧放電ランプ < 電界発光 < 蛍光ランプ < 光源の交換方式 < 光源の交換時期 < 照明器具の構造による分類光の性質
人間の目が感じることのできる波長380~780nmの放射を光と呼んでいる。
光の色は380~780nmの可視域のうちどの波長域に分布しているか(分光分布)によって決まる。
例として北の青空光、白熱電球、照明用LEDの分光分布を示す。
照明は、光源によって昼光照明と電気照明に大別できる。
前者は自然光源、後者は人工光源と呼ぶことができる。
昼光
昼光は更に直射日光、天空光に分けられる。これに地物反射光を加えて昼光という場合もある。
直射日光による照度を直射照度、天空光による照度を全天空照度といい、直射照度と全天空照度の和をグロ―バル照度(あるいは全天照度、昼光照度)という。従って、設計用全天空照度は、すなわち、設計に用いる全空光による照度は、快晴よりも薄曇りの方が高くなる。
照明設計に関する指標
照明設計に関する指標には、照明率、保守率、照度均斉度、設計光束維持率等があり、それぞれ次の通りである。
- 照明率
- 照明率は、光源から出る光束に対する作業面に入射する光束の比率であり、照明器具の配光、効率、室内表面の反射率、室の大きさ・形状によって決まる。
- 保守率
- 保守率は照明施設をある期間使用した後の作業面上の、平均照度と初期平均照度との比で表される。
保守率を左右する要因は、使用する光源の種類、照明器具の周囲環境条件、照明器具の構造、照明設備の保守管理方法等である。
- 保守率は照明施設をある期間使用した後の作業面上の、平均照度と初期平均照度との比で表される。
- 照度均斉度(きんせいど)
- 特定の範囲内の照度分布の均一性を表す指標です。
均斉度は、最も高い照度と、最も低い照度の比率で導き出すことができ、1に近いほど均斉度が高い照明と言えます。
ムラなく明るいことを「均斉度が高い」と言います。
- 特定の範囲内の照度分布の均一性を表す指標です。
- 設計光束維持率
- 設計光束維持率は点灯時間の経過に伴う光源自体の光束減退等による照度低下を補償するための係数であり、使用する光源の初期光束(100時間値)と光源を交換する直前の光束との比で表される。これらの値は光源の種類によって異なる。
以下の表は覚えましょう。この中からの問題の出題が多いです。
照明率 | 光源から出る光束に対する作業面に入射する光束の比率 | 照明器具の配光、効率、室内表明の反射率、室の大きさ・形状 |
---|---|---|
保守率 | 照明施設をある期間使用した後の作業面上の、平均照度と初期平均照度との比 | 光源の種類、照明器具の周囲環境条件(温湿度、粉じん発生等)、照明器具の構造(露出形、下面開放形、簡易密閉型、完全密閉型等)、取り付け状態、照明設備の保守管理方法(清掃方法、清掃間隔等) |
- 保守率は、照明器具の清掃間隔の影響を受ける。
- 保守率は、照明器具構造の影響を受ける。
- 保守率は、室内の粉じん発生量の影響を受ける。
- 保守率は、使用する光源の種類の影響を受ける。
作業面照度の問題
照明の設計において人工照明による作業面照度は以下の公式で計算されます。
たまに、この問題も出題されますが、この問題もサ―ビス問題です。作業面照度は、ランプの数、ランプ一灯当たりの光束、照明率、保守率を掛けたものを床面積で割れば計算されます。
平成26年 問題88
ある部屋の作業面の必要照度が500lxであった。ランプ1灯当たりの光束が2,500lmのランプの灯数として、最も近いものは。ただし、その部屋の床面積は50m2、照明率を0.6、保守率を0.7とする。
解説
今回の問題はランプ数を求める問題です。そのまま公式に代入していきます。 になりますので、そのまま計算していきます。
答えは25本になります
光源の種類
現在の光源には多くの種類があるが、発光原理から温度放射とルミネセンスに大別されます。 上記光源の種類も覚えること。ルミネセンス
ルミネセンスとは、物質が電磁波の照射や電場の印加、電子の衝突などによってエネルギ―を受け取って励起し、低いエネルギ―状態の分布数に対する高いエネルギ―状態の分布数の比が熱平衡状態のときと比較して大きい状態にされたときに起きる自然放出による発光現象およびその光を指す。白熱電球・ハロゲン電球
白熱電球は、ガラス球内の電気抵抗体(フィラメント)のジュ―ル熱による温度放射による白熱発光を利用した電球のことです。
白熱電球、ハロゲン電球は一般に蛍光ランプより寿命が短い。
日本では2012年に製造中止となっている。
高輝度放電ランプ(HIDランプ)
高輝度放電ランプは、金属原子高圧蒸気中のア―ク放電による発光で、高圧放電ランプともいう。一般に光束が大きく、効率は高く、寿命が長いが、点灯に数分要する。
高輝度放電ランプには、水銀ランプ、高圧ナトリウムランプ、メタルハライドランプがありますが、高圧ナトリウムランプは、点灯姿勢による光束の影響を受けませんが、水銀ランプ、メタルハライドランプは点灯姿勢によって光束の影響を受けます。
低圧放電ランプ
低圧放電ランプとは、低圧での放電によるルミネセンスを利用した放電ランプです。低圧放電ランプには、蛍光ランプ、低圧ナトリウムランプ、ネオンランプ等がある。
電界発光
電界発光とは、物質に電界を印加して得られるルミネセンスを利用した発光現象をいいます。電界発光を利用したものに発光ダイオ―ド(LED)があります。
蛍光ランプ
蛍光ランプの発光の原理は、電極に電流が流れると放電が始まり、電子は封入された水銀原子と衝突する。衝突により水銀原子は紫外線を発生する。これがガラス管内面の蛍光物質に当たり、可視光を出す。
上記項目では、温度放射、放電発光、電界発光の分類はしっかり覚えましょう。
熱放射に分類されるのは白熱電球とハロゲン電球のみです。
光源の交換方式
光源の交換方式は、個別交換方式、集団的個別交換方式、集団交換方式、個別的集団交換方式の4つに分類される。
- 個別交換方式
- 不点になった光源をその都度個別に取り替える方式
- 集団的個別交換方式
- 不点になった光源がある個数でまとまったとき、あるいは一定期間経過したときに、不点灯の光源のみを交換する方式
- 集団交換方式
- 光源が不点になっても、当初計画した交換時期、あるいは不点の光源が一定数(一般には、全光源の3~5%が不点になった時点)に達するまで光源の交換を行わず、あらかじめ定めていた交換時点に達したときに全数を交換する方式
- 個別的集団交換方式
- 不点になった光源はその都度交換し、ある一定期間が経過した時点で、すべての光源を交換する方式
- 個別交換方式は小規模な照明施設や光源の交換が容易な場所に適している。
- 集団的個別交換方式は頻繁に個別交換がしにくい場所に適している。
- 集団交換方式は大規模な照明施設で、光源の交換が比較的困難な場所に適している。
- 個別的集団交換方式は大規模な照明施設で光源の交換に要する人件費が高い場合に適している。
上記交換方式は覚える。
頭に個別がついていれば、不点になった光源はその都度交換する。
集団ではまとめて交換するかの違いです。
間違えやすいのでしっかり覚えましょう。
光源の交換時期
個別交換方式が90%以上、集団交換方式は6%程度である。光源の交換時期は光源の点灯時間によって左右されることを考慮することが重要である。光源の点灯時間は、作業時間、シフトや照明制御等によって変わる。
照明器具の構造による分類
独立型照明器具と建築化照明器具に分類されます。独立型照明器具
ビル管理士試験では深くは問われないので以下の事を覚える程度で良いと思います。
- フロアスタンド
- ブラケット
- ペンダント
- シ―リングライト
- スポットライト
- テ―ブルスタンド
建築化照明器具
建築化照明とは、照明器具を建築物の一部として天井、壁等に組み込んだ照明方式です。
つまりダウンライトなどは天井の壁に埋め込んでいます。
このような照明のことです。
他に建築化照明には以下のようなものがあります。
- ダウンライト
- 光天井およびル―バ照明
- コ―プ照明
- コ―ニス照明
ダウンライト
開口径の小さな天井埋込み器具のことで全般照明とスポットライト機能を持つタイプに大別される。
光天井およびル―バ照明
天井の大部分が発光する照明
コ―プ照明
装飾的な天井や折り上げ天井のくぼみから天井、壁上方を照明して間接的な効果を得るもの
コ―ニス照明
壁際の天井に取り付けられた光源により壁面を照らす方法
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