空気環境の調整14
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空気環境の調整⑭
空気線図 < 加湿装置 < 空気線図の問題 < 水平面照度の問題
空気線図
線図上、乾球温度絶対湿度、露点温度、湿球温度、相対湿度、などを記入した線の図であり、その中の2つの値を求めることにより湿り空気(水蒸気を含んだ空気)の 状態が分かるようにしたもの。
- 空気の加熱
加湿装置
加湿装置の加湿方式には蒸気加湿と水加湿に大別されます。
- 蒸気加湿は加熱により蒸気を作り、その蒸気で加湿するので、空気の温度変化はない。(温度降下しない)
- 水加湿は、空気との接触で空気の熱を気化熱として利用し加湿するため空気の温度は低下する。(温度降下する)
蒸気加湿
水加湿
ここでのポイントは
- 加湿には蒸気加湿・水加湿(水噴霧加湿と気化加湿)に大別
- 蒸気加湿は温度降下しない。(空気温度は下がらない。)
- 水加湿は温度降下する。(空気温度は下がる。)
- 水噴霧方式は不純物を放出。(不純物を空気中に拡散)
- 気化方式は不純物を多孔質等の表面に付着させるため空気中に放出しない。
加湿の空気線図上の状態変化
加湿の場合でも蒸気で加湿と水で加湿の場合では状態が変わります。蒸気加湿は蒸気により空気が加熱されるため、乾球温度もわずかに上昇する。 水での加湿は水が気化する際に空気から気化熱を奪うため乾球温度は逆に低下します。
- ①は蒸気加湿
- 絶対湿度が上昇し、乾球温度がわずかに上昇
- ②は水加湿
- ほぼ湿球温度一定で、絶対湿度は上昇
- ③は空気冷却器による冷却加湿
- 絶対湿度、乾球温度ともに低下
- ④は液体吸収剤による化学減湿
- 湿球温度一定で、絶対湿度低下
- ⑤は固体吸着剤(シリカゲルなど)による減湿
- 絶対湿度低下し、湿球温度はわずかに上昇
上記ことを出題した問題が
平成24年度問題63です。
湿り空気線図上に示した空気の状態変化の三つのプロセスとその加湿装置との組合せとして、最も適当なものは次のうちどれか。
水加湿 温水加湿 蒸気加湿- 1――――――2――――――3
- 1――――――3――――――2
- 2――――――3――――――1
- 3――――――1――――――2
- 3――――――2――――――1
もちろん答えは5ですよね。
上記はどの場合に上昇、低下するかはしっかり覚えましょう。
加湿装置の種類
蒸気吹き出し方式
- 無菌
- 不純物を放出しない
- 温度降下しない
名称 | 加湿原理 | 問題点 |
---|---|---|
電熱式 | シ―スヒ―タにより水を加熱 | シースヒータの寿命は1,0000~2,0000時間 |
電極式 | 電極間の水をジュ―ル熱で加熱 | 電極の寿命は5,000~8,000時間 |
赤外線式 | 赤外線の放射熱により水を加熱 | 赤外線ランプの寿命は約6,000時間 |
蒸気拡散管式 | ボイラからの蒸気を加熱蒸気として放出 | 蒸気配管・ドレン配管が必要 |
蒸気ノズル式 | ボイラからの蒸気を放出 | 蒸気配管・ドレン配管が必要 |
気化方式
- 温度降下する
- 不純物を放出しない
- 飽和湿度以下で放出する
- 湿度が高くなるほど加湿量が減少する
- 空気の汚れも影響する
名称 | 加湿原理 | 問題点 |
---|---|---|
エアワッシュ式 | 多量の水を空気と接触させて気化 | 多量の水と循環ポンプが必要 |
滴下式 | 上部へ給水し、加湿材をぬらして通風気化 | 加湿エレメントの寿命5,000~1,0000時間 |
透湿膜式 | 透湿膜内へ給水し、透過した水分が通風気化 | 透湿膜の寿命3,000~7,000時間 |
回転式 | 加湿材を回転し、水槽でぬらして通風気化 | |
毛細管式 | 毛細管現象で加湿材をぬらして通風気化 | 加湿材への不純物の堆積が速い |
水噴霧方式
- 温度降下する
- 不純物を放出する
名称 | 加湿原理 | 問題点 |
---|---|---|
遠心式 | 遠心力により霧化 | 軸受の寿命は20,000~30,000 |
超音波式 | 超音波振動子により霧化 | 振動子の寿命は5,000~10,000時間 |
2流体スプレ―式 | 高速空気により霧化 | 圧縮機が必要 |
高圧水スプレー式 | 高圧水をノズルにより霧化 | 加圧ポンプが必要 |
空気線図の問題
慣れていないとこの問題も難しく感じる方もいると思いますので説明します。
ある公式を覚えていると簡単に解くことができます。乾球温度A℃、比エンタルピーXkJ/kg(DA)の外気と、乾球温度B℃、比エンタルピーYkJ/kg(DA)の室内空気を1:3の割合で混合した後の乾球温度と比エンタルピーの組合せとして、最も適当なものは次のうちどれか。
この問題良く出題されます。まず乾球温度について考えていきます。
乾球温度A℃と乾球温度B℃の室内空気を1:3の割合で混合した後の乾球温度を求めます。
次に比エンタルピーについて考えていきます。
比エンタルピーXkJ/kg(DA)と比エンタルピーYkJ/kg(DA)の室内空気を1:3の割合で混合した後の比エンタルピーを求めます。
令和4年問題64
乾球温度0℃、比エンタルピー4kJ/kg(DA)の外気と、乾球温度22℃、比エンタルピー39kJ/kg(DA)の室内空気を2:3の割合で混合した後の乾球温度と比エンタルピーの組合せとして、最も適当なものは次のうちどれか。
-
乾球温度[℃] 比エンタルピー[kJ/kg(DA)]
- 8.8――――――18
- 13.2――――――25
- 8.8――――――21
- 18.3――――――21
- 13.2――――――18
【解説】
になります。平成28年 問題62
湿り空気の混合に関する次の文章の[ ]内に入る数値の組合せとして、最も適当なものはどれか。
湿り空気線図上のA点は、乾球温度26℃、絶対湿度0.013kg/kg(DA)である。また、B点は、乾球温度34℃、絶対湿度0.025kg/kg(DA)である。A点の空気300kg/hとB点の空気100kg/hを混合した空気は、乾球温度[ ア ]℃、絶対湿度[ イ ]kg/kg(DA)である。
- (ア)28―――――(イ)0.016
- (ア)28―――――(イ)0.019
- (ア)30―――――(イ)0.019
- (ア)32―――――(イ)0.016
- (ア)32―――――(イ)0.022
【解説】
この問題も空気線図が記載されているので難しく感じますが基本的に同じです。
水平面照度の問題
まず、水平面の問題を図で表すと以下のようになります。以下のことは暗記しましょう。
この水平面照度の問題はサ―ビス問題なので必ずゲットしましょう。
因みに三角関数sin30°sin45°sin60°がどうしても覚えれない方には覚えやすい方法を教えます。
実は私もこの方法で覚えております。
sin30°sin60°については2cmの正三角形をsin45°は1cmの正方形を書きます。
正三角形の場合は各角度が60°になります。
令和元年年 問題88
地表における直射日光による法線面照度80,000lxのとき、直射日光による水平面照度として、最も近いものは次のうちどれか。ただし、このときの太陽高度は60度とする。この問題を考えてみます。
sin60°x 80000lx = 0.87 x 80000 = 69,600ixlx
になるのです。平成25年 問題89
地表における直射日光による法線面照度100,000lxのとき、直射日光による水平面照度として最も近いものは次のうちどれか。ただし、このときの太陽高度は60度とする。この問題を考えてみます。
つまり、今回の問題はsin60°x 100000lx = 0.87 x 100000 = 8,7000lx
になるのです。平成27年問題89
点光源直下3.0mの水平面照度が500lxである場合、直下1.0mの水平面照度として、最も近いものは次のうちどれか。
- 1,500lx
- 2,000lx
- 3,000lx
- 4,500lx
- 6,000lx
答え【4】
この問題は以下のことを覚えておきましょう。照度は光源からの距離の2乗に反比例する(距離逆2乗の法則)
解き方を覚えておいてください。
平成24年 問題87
点光源直下2.0mの水平面照度が400lxである場合、直下0.5mの水平面照度として、最も近いものは次のうちどれか。- 800lx
- 1,100lx
- 1,600lx
- 3,200lx
- 6,400lx
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