建築物の環境衛生11
建築物衛生行政概論 建築物の環境衛生 空気環境の調整建築物の構造概論 給水及び排水の管理 清掃 ねずみ・昆虫等の防除
単位集 水質検査項目及び特定建築物の水質検査頻度 法令集 法改正 参考資料
建築物の環境衛生⑪
飲料水の基準と健康
飲用水は、無色、透明であり、異臭味もなく、かつ、健康に影響を与えないものでなければならない。このため、水質基準が定められている。水道法では、水道水の水質基準の要件は次のように定められている。
- 病原生物に汚染され、または病原生物に汚染されたことを疑わせるような生物もしくは物質を含むものでないこと。
- シアン、水銀その他の有害物質を含まないこと。
- 銅、鉄、フッ素、フェノ―ルその他の物質を、その許容量を超えて含まないこと。異常な酸性又はアルカリ性を呈しないこと。
- 異常な臭味がないこと。ただし、塩素による臭味を除く。
- 外観は、ほとんど無色透明であること。
水銀 | 急性中毒は口内炎、下痢、腎障害、慢性中毒では貧血、白血球減少を引き起こし、さらに手足の知覚喪失、精神異常となる。 一般に 無機水銀と有機水銀に分けらえる。総水銀とは両者の合計量をいう。 |
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セレンおよびその化合物 | 金属セレンは毒性は少ないが、化合物には猛毒のものが多い。 粘膜に刺激を与え、胃腸障害、肺炎等の症状を起こし、全身けいれんから死に至ることがある。 |
鉛およびその化合物 | 神経系の障害や、貧血、頭痛、食欲不振、鉛疝痛の中毒症状を呈することが知られている。 |
ヒ素およびその化合物 | ヒ素化合物の毒性はその結合形によって異なる。 通常、3価および5価のヒ素化合物として存在し、いずれも毒性を持つが、3価のヒ素の方が5価のヒ素よりも毒性が強い。 可溶性無機ヒ素化合物を摂取すると急速に吸収され、肝臓、腎臓、消化管等に強く作用する。 |
六価クロム化合物 | 六価クロム塩を多量に摂取した場合、嘔吐、下痢、尿毒症等を引き起こす |
シアン化物イオン および塩化シアン | シアン化合物には強い毒性があり、経口的に摂取すると急速に粘膜から吸収され、血液中でシアンヘモグロビンを生成して金属を含有する呼吸酵素を阻害し、頭痛、吐き気、浮腫、けいれん、失神を起こして死亡する。 |
硝酸態窒素および 亜硝酸態窒素 | 硝酸態窒素および亜硝酸態窒素とは、水中の硝酸イオン及び硝酸塩に含まれている窒素のことをいい、亜硝酸態窒素である亜硝酸塩は、メトヘモグロビン血症の原因となります。 |
フッ素およびその化合物 | 適量に含んだ水を飲用した場合には「う歯」の予防に効果があるといわれているが、多量に含まれていると斑状菌の原因となる。 |
四塩化酸素 | 高濃度曝露によって麻酔作用を起こし、1回あるいは反復曝露によって肝臓障害を起こす。また、発がん性もあり、主に肝臓腫瘍を生じされる。 |
ベンゼン | 発癌性を有する。 |
クロロホルム | クロロホルムには強い麻酔作用があり、肝臓、腎細尿管、心臓等に細胞毒として作用する。 また、動物実験によって腎腫瘍や肝癌等発癌性が確認されている。 低濃度の慢性毒性では胃腸、肝臓障害が起こり、 高濃度では反射機能喪失、感覚麻痺、呼吸停止等が起こる。 |
消毒副生成物 | 水道水のトリハロメタン等は、水道原水中に存在するフミン質等の有機物を前駆物質として、塩素処理によって生成する。 なかでもクロロホルムは発癌物質であることが明らかとなっている。 |
亜鉛およびその化合物 | 毒性は比較的弱いが、高濃度の場合には腹痛、嘔吐、下痢等の中毒症状を起こすことがある。 |
銅およびその化合物 | 銅化合物は藻類、カビ類、無脊椎動物に対しては強い毒性があるが、哺乳類に対しては蓄積性が認められてないので慢性中毒の恐れは少ない。 |
マンガンおよびその化合物 | 過剰摂取すると全身倦怠感、頭痛、不眠、言語不明瞭等の中毒症状を起こす。 |
この問題も毎年よく出題されます。
赤字は確実に覚えましょう。
ヒ素・水銀・鉛およびその化合物・ベンゼン・消毒副生成物等は特に出題頻度が高い傾向にあります。
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