建築物の環境衛生1
建築物衛生行政概論 建築物の環境衛生 空気環境の調整建築物の構造概論 給水及び排水の管理 清掃 ねずみ・昆虫等の防除
単位集 水質検査項目及び特定建築物の水質検査頻度 法令集 法改正 参考資料
建築物の環境衛生①
人体の機能 < 体温、産熱、放熱に関すること < 冷房病障害 < 冷房病対策 < 湿度 < 用語と略語
人体の機能
臓器名 | 主な機能 | 主な構成器官 | 疾患 |
---|---|---|---|
循環器系 | 酸素と栄養の供給 | 心臓、動脈 静脈、リンパ管 | 心筋梗塞 |
呼吸器系 | 酸素の摂取と 二酸化炭素の排出 | 気道、肺 | 肺気腫、肺炎、気管支炎 |
消化器系 | 栄養と水の摂取、再合成と排泄 | 食道。肝臓、胃 十二指腸、肛門 小腸、大腸等 | 肝炎、腸炎 胃炎、胃潰瘍 |
腎臓、泌尿器系 | 血液中の老廃物の排泄 | 腎臓、尿管 膀胱、尿道 | 腎不全 |
感覚器系 | 外部刺激の神経系への伝達 感覚器系は神経系と密接な関係を持っている。 | 聴覚器、視覚器 味覚器、嗅覚 | 左記器官の疾患 |
筋骨格系 | 身体の構成と運動 | 骨、筋肉 | 骨折 |
生殖器系 | 子孫形成と種の保存 | 生殖器 | 生殖器疾患 |
皮膚系 | 発汗 | 外皮 | 皮膚疾患 |
神経系 | 刺激の中枢への伝達、 中枢からの命令の伝達 | 脳、知覚神経 運動神経、自律神経 | パ―キンソン病 脳出血、脳梗塞 |
造血器系 | 赤血球、白血球、血小板の生成 | 骨髄、脾臓 | 血友病、白血病 |
内分泌系 | 成長、代謝等の活性のコントロ―ル | 視床下部、下垂体 副腎、甲状腺、性腺 | 甲状腺疾患 |
- 知覚神経:感覚器からの刺激を中枢に伝達
- 運動神経:中枢からの命令を筋骨格系に伝達
- 自律神経:消火、呼吸、循環の諸機能の調整
よく出題されやすい項目をまとめました。
赤字は覚えましょう。 環境の構成要因
- 物理的要因
- 温度、湿度、気流、熱、光、音,気圧、放射線、超音波、振動など
- 化学的要因
- 空気、酸素、二酸化炭素、オゾン、一酸化炭素、硫黄酸化物、粉じん、水、し尿、廃棄物など
- 生物学的要因
- 植物、ウイルス、細菌、寄生虫、昆虫、ねずみ、動物、リケッチアなど
- 社会的要因
- 文化、教育、産業、経済、情報、交通、医療、福祉、行政、宗教など
体温、産熱、放熱に関すること
体温人の体温は平均して36℃~37℃程度で維持されている。1日のうちで早朝は低く夕方は高い。
気温が23℃のとき
- 足の皮膚温が25℃
- 手が30℃
- 顔が34℃
- 直腸温が36℃
直腸温 > 顔 > 手 > 足
となり、この問題も毎年よく出題されているので暗記しておこう。
他は核心温で外気温の影響を受けにくく、その中でも直腸温が最も受けにくい。
気温と人体温度の関係
この問題は必ず答えたい問題です。
上記事柄が解ればこの問題も簡単にこたえられると思います。 温度の高い順から直腸温 > 顔 > 手 > 足
になります。
体温調節
寒さに対する体の反応は、皮膚の血管が収縮して血液を減らし、皮膚の温度をさげる。
これにより周囲の気温との差を小さくして、体の放熱を減らしている。暑いときは逆に放熱を促す。
常温で安静時の人体からの放熱量は
- 放射・・・・・・・・45%
- 伝導・対流・・・・・30%
- 蒸発・・・・・・・・25%
- 自律性体温調節
- 暑さに対する反応
- 発汗、皮膚血管の増大(皮膚血管の拡張)、呼吸数の増加
- 寒さに対する反応
- 皮膚血管の減少(皮膚血管の収縮)、震え、立毛、筋緊張
- 暑さに対する反応
- 行動性体温調節
- 空調設備を付ける。衣服を着る。日射を避ける。冷たい飲み物を飲む等
冷房障害
- 長時間体が冷えると発生
- 冷気に当たると抹消血管の縮小、血流が減少し「体が冷える」「体がだるい」「喉が痛い」等の症状を訴える。
- 冷房時は室温と外気温の差を7℃以上にしない。
- 温度差を大きくすると体温調整がうまく働かなくなり暑い時に汗をかき、寒い時にふるえが起きる等、体に余分な負担がかかる調整が必要になる。
- 足が冷える、体が冷えるという症状は男性よりも女性に多い。
- 座業が長く続く場合は軽い運動、女性はストッキングをはくなど対策が必要。
- 冷房時には温度だけでなく湿度・風速にも注意
- 直接冷房の冷気があたらないようにする。
冷房病対策
冷房病は足や体が冷える症状で、男性より女性に多くみられる。冷房病対策として以下が揚げられる。
- 外気温と室温の差を7℃以内とする。
- 風速を弱くする。
- 直接、風に当たらない。
- 足元が冷えないようにする。
- 軽い運動をする。
湿度
建築物衛生法では、建築物内の湿度を40%以上70%以下に保つことを定められている。
低湿度・高湿度の影響
- 低湿度になった場合の影響及び害
- 冬期は低湿度になりやすい。
- 静電気が発生(冬に静電気が発生するのは湿度が低いため)。
- ウイルスに感染しやすい(冬にインフルエンザにかかりやすいのも湿度が低いためである)。
- 鼻やのどの粘膜に乾燥しやすい。
- アトピ―性皮膚炎や気管支喘息の患者では、低湿度が悪化因子となりうる。
- 電気ショック。
- 塗装の剥離。
- 乾燥し過ぎ(火災の危険)。
- 高湿度になった場合の影響及び害
- 蒸し暑い不快感を感じる。
- 建築物の結露の発生。
- かびやダニが発生。
- 建材の腐朽。
- アレルギ―疾患の発生。
- 汗ばみ・汗によるものの汚れ。
- 建築物・建具等の狂い。
- 結露(表面・内部)
- 結露水による汚れ
湿度による予防
湿度による害を防ぐには、低湿度の場合には加湿を行い、高湿度の場合には水蒸気の発生を抑え、結露防止の対策を行うことが必要である。
ただし、高齢者は温湿度の感覚が鈍っているために、高齢者の居住する室内の温湿度管理には、温湿度計の使用が望まれる。
結露防止の対策(表面結露)
- 壁体内部に断熱材を入れる。
- 窓には二重ガラスや断熱戸を用いる。
- 適当な量の換気を行う。
- 家具と壁に隙間等を作り、気流を通す。
- 水蒸気の発生を極力抑える。
- 温度の分布を極力抑える。
- その他、露点温度以下にならないよう努める。
結露防止の対策(内部結露)
- 壁体内部に断熱材をいれ、防湿層を高湿側に入れる。
- 外断熱にする。
- その他、内部結露と同様の注意をする。
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