給水及び排水の管理11
建築物衛生行政概論 建築物の環境衛生 空気環境の調整建築物の構造概論 給水及び排水の管理 清掃 ねずみ・昆虫等の防除
単位集 水質検査項目及び特定建築物の水質検査頻度 法令集 法改正 参考資料
給水及び排水の管理⑪
浄化槽法 < 浄化槽の処理対象人員 < 浄化槽管理者の義務 < BOD(生物化学的酸素要求量)とは < 基本的な浄化槽の流れ < 浄化槽のフロ―シ―ト < 高度処理型 < 保守点検の回数浄化槽
浄化槽には単独浄化槽と合併浄化槽がありますが、今現在浄化槽とは「合併浄化槽」を指します。
合併浄化槽の主な処理方式には、(1)BOD除去型と(2)高度処理型があります。高度処理型は、内湾の赤潮や湖沼のアオコの原因となる窒素を高度に除去できます。浄化槽とは、便所と連結してし尿及びこれと併せて雑排水(工場廃水、雨水その他の特殊な排水を除く)を処理し、下水道法第2条第6号に規定する終末処理場を有する公共下水道以外 に放流するための設備又は施設であって、同法に規定する公共下水道及び流下水道並びに廃棄物の処理及び清掃に関する法律第6条第1項の規定により定められた計画に従って市町村 が設置したし尿処理施設以外のものをいう。
浄化槽法
浄化槽法は浄化槽の設置、保守点検、清掃及び製造、浄化槽工事事業者の登録制度及び浄化槽清掃業の許可制度、浄化槽設備及び浄化槽管理士の資格について定めている。
浄化槽の処理対象人員
浄化槽の用途によって、延べ面積、定員、便器等によって算出の基準が決まる。
延べ面積 | 医院、住宅、ホテル、パチンコ店、公衆浴場、事務所等 |
定員 | 高校、大学、各種学校、工場 |
便器数 | 競輪場、遊園地、公衆便所 |
その他 | 病院(ベット数、ボ―リング場(レ―ン数) |
間違えやすいのは、医院は延べ面積で、病院はベット数です。
備考:医院と病院の違いは入院患者用ベット20以上が病院となりそれ以外は医院です。
よく出題されるのは学校(高校など)は定員数により決まります。
浄化槽管理者の義務
- 毎年1回(環境省令で定める場合にあっては、環境省令で定める回数)、浄化槽の保守点検及び浄化槽の清掃をしなければならない。
- 新たに設置された浄化槽の、最初の保守点検は浄化槽の使用開始の直前に行う。
- 501人槽以上の浄化槽の浄化槽管理者は、保守点検及び清掃に関する技術上の業務を担当させるため、環境省令で定める資格を有する技術管理者を置かなければならない。ただし、自ら技術管理者として管理する 浄化槽については、この限りではない。
- 浄化槽管理者は、浄化槽の保守点検を、第48条第1項の規定により条例で浄化槽の保守点検を業とする者の登録制度が設けられている場合には浄化槽管理士に、又は浄化槽の清掃業者に委託することができる。
- 浄化槽管理者は、環境省令で定めるところにより、毎年1回(環境省令で定める浄化槽については、環境省令で定める回数)、指定検査機関の行う水質に関する検査を受けなければならない。
- 浄化槽工事業を営もうとする者は、当該業を行おうとする区域を管轄する都道府県知事の登録を受けなければならない。登録の有効期間は5年である。
- 浄化槽工事業者は、営業所ごとに、浄化槽設備士を置かなければならない。
- 浄化槽清掃業を営もうとする者は、当該業を行おとする区域を管轄する市町村長の許可を受けなければならない。
- 都道府県(保健所を設置する市又は特別区にあっては、市又は特別区とする。)は、条例で、浄化槽の保守点検を業とする者について、都道府県知事の登録を受けなければ浄化槽の保守点検を業としてはならないとする制度を設ける ことができる。
まず、浄化槽工事業、浄化槽清掃業、浄化槽管理者など混合しないように!
- 浄化槽の清掃→毎年1回
- 新しい浄化槽→使用開始の直前
- 浄化槽工事業を営む者→都道府県知事の許可
- 浄化槽清掃業を営む者→市町村長の許可
- 浄化槽の登録→有効期間は5年
- 501人槽以上の浄化槽の浄化槽管理者→環境省令で定める資格を有する技術管理者を置かなければならない
- 水質に関する検査→毎年1回
BOD(生物化学的酸素要求量)とは
BODとは、水の汚れの度合いを示す代表的な指標です。
水の汚れというのは、水中の微生物から見ると栄養分であり、微生物も私たちと同じように、栄養分と酸素を必要とします。BODとは、微生物が水の汚れを分解するときに使う酸素の量で、BODの値が高いときには、栄養分=汚れが多いことを表しています。
川や海、湖沼などで水中の酸素が使われて少なくなってしまうと、悪臭の発生や魚の大量窒息死などの問題が発生します。
通常、水に溶けている酸素の量は約10mg/Lですから、BOD40gの汚れを流してしまうと、分解するのに40gの酸素を使うため、約4,000Lの水が必要になります。
基本的な浄化槽の流れ
BOD除去型(嫌気ろ床接触ばっ気方式)
浄化槽は、簡単に言えば様々な機能を持った水槽を繋げたものといえる。
汚水はそれらの水槽を通過するうちに浄化された上澄み水と汚泥に
分離される。
上澄み水は消毒後河川等に放流され、汚泥はバキュ―ムカ―等によって引き抜かれ汚水処理施設に運搬されて次の処理が行われる。
嫌気ろ床接触ばっ気方式
- 嫌気ろ床槽
- 汚水の中の浮遊物を取り除くとともに、「ろ材」に付いている嫌気 性微生物が汚水の中の有機物を分解します。これを2つの槽で処理します。
- 接触ばっ気槽
- ブロワ―から十分空気を送り込まれている状態の中で、汚水が槽の中を循環し、「接触材」に付いている好気性微生物が有機物をさらに分解します。
- 沈澱槽
- 汚水を浄化した微生物の塊(汚泥)は下に沈み、上澄み水を消毒槽へ送ります。
- 消毒槽
- 塩素剤で減菌・消毒し、衛生的に安全な水にして放流します。
上記浄化槽の図は嫌気ろ床接触ばっ気方式です。
最も基本的な浄化槽です。
浄化槽のフロ―シ―ト
過去に出題された問題です。
画像をクリックしたら拡大できます。ここでのポイントは
ビル管理士試験対策として、細かい機能はすべて覚える必要はないと思います。
まず、ここで覚えてほしいことは、ほとんどの浄化槽にも同じ機能を持っている、沈殿槽と消毒槽です。
- 沈殿槽・・微生物の塊(汚泥)は下に沈み、上澄み水を消毒槽へ送る。
- 沈殿槽から送られてきた水を消毒・減菌して放流する。
一部の浄化槽では沈澱槽から送られてきた水をさらにろ過器に送って消毒槽に送るものもありますので、注意は必要です。
- 沈殿槽→消毒槽
- 沈澱槽→ろ過装置→消毒槽
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覚えましょう。
流量調整槽・・・・汚水の流量変動緩和のために設けられる。日平均の汚水量の24分の1の1.5倍以下になるように時間当たり の流量を調整する。
高度処理型
より清澄な浄化水を得たい場合は次のような高度処理を行います。
- 浮遊性の残存有機物・・凝集沈殿法、急砂ろ過法
- リン化合物・・・・・・凝集沈殿法、嫌気・好気活性汚泥法
- アンモニア・・・・・・イオン交換法
- 溶解性の残存有機物・・生物膜法、活性炭吸着法、オゾン酸化法
- 窒素化合物・・・・生物学的硝化脱窒法
保守点検の回数
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