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令和2年度空気環境の調整「過去問題解説9」

問題86

光と照明に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 光色は、色温度が高くなるにしたがって、赤い色から青っぽい白色に変化する。
  2. 事務所における文書作成作業においては、製図作業よりも高い維持照明が求められる。
  3. 光色が同じであっても、蛍光ランプとLEDとでは分光分布が異なる。
  4. 観測者から見た照明器具の発光部の立体角が大きいほど、照明器具の不快グレアの程度を表すUGRの値は大きくなる。
  5. 基準光で照らした場合の色をどの程度忠実に再現できるかを判定する指標として、演色評価数が用いられる。


解説

答え【2】

この問題も今までの出題されたことはないと思いますが、数字までは覚える必要はないと思いますが
やはり製図作業など細かい作業が要求される場所ほど維持照明は高くなります。
(2)の維持照度ですが、

とあり製図の方が高くなっています。
これは、室別、作業別および活動別に維持照明が決められています。

事務所
室別・作業別維持照明
ファイリング
コピ―
配布など
300lx
文書作成
タイプ
デ―タ処理
500lx
製図1000lx
執務室750lx
会議室
集会場
500lx
受付300lx
文書保管200lx
備考:ビル管理士試験講習用テキストより抜粋
この問題の補足

この問題においては良く建築物の環境衛生で推奨照度の問題が出題されます。

以下を参照ください。
建築物の環境衛生7
ここでの推奨照度では

になりますが、ここでの問題では維持照度とありますので製図作業の維持照度は1000lxになります。


ここがポイント

(1)の光色は、色温度が高くなるにしたがって、赤い色から青っぽい白色に変化する。

令和2年問題86

光の性質

人間の目が感じることのできる波長380~780nmの放射を光と呼んでいる。
光の色は380~780nmの可視域のうちどの波長域に分布しているか(分光分布)によって決まる。
例として北の青空光、白熱電球、照明用LEDの分光分布を示す。

分布

照明は、光源によって昼光照明電気照明に大別できる。
前者は自然光源、後者は人工光源と呼ぶことができる。


類似問題

問題87

ランプに関する用語の組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。

  1. 蛍光ランプ――――――――――低圧放電
  2. エレクトロルミネセンス(EL)――――電界発光
  3. 発光ダイオ―ド(LED)――――――放電発光
  4. 白熱電球――――――――――――温度放射
  5. 水銀ランプ―――――――――――高輝度放電


解説

答え【3】

(3)の発光ダイオ―ド(LED)は電界発光です。
ここがポイント

現在の光源には多くの種類があるが、発光原理から温度放射ルミネセンスに大別されます。

光源


類似問題

問題88

ある部屋の作業面の必要照度が500lxであった。ランプ1灯当たりの光束が2,000lmのランプの必要灯数として、最も近いものは次のうちどれか。

ただし、その部屋の作業面面積は50m2、照明率を0.6、保守率を0.7とする。

  1. 12灯
  2. 18灯
  3. 20灯
  4. 30灯
  5. 80灯


解説

答え【4】

作業面の照度計算は以下の公式で求めます。

令和2年問題88

従ってまず整理すると
になり求めるのはNのランプ数です。
上記の式に代入すると

令和2年問題88

最も近いのは(4)の30灯になります。

ここがポイント


類似問題

問題89

照明方式に関する次の用語のうち、建築化照明に分類されないものはどれか。

  1. フロアスタンド
  2. システム天井照明
  3. コ―プ照明
  4. コ―ニス照明
  5. 光天井照明


解説

答え【1】

建築化照明とは、照明器具を建築物の一部として天井、壁等に組み込んだ照明方式です。

つまりダウンライトなどは天井の壁に埋め込んでいます。
このような照明のことです。
他に建築化照明には以下のようなものがあります。


ここがポイント

ダウンライト

開口径の小さな天井埋込み器具のことで全般照明とスポットライト機能を持つタイプに大別される。

光天井およびル―バ照明

天井の大部分が発光する照明

コ―プ照明

装飾的な天井や折り上げ天井のくぼみから天井、壁上方を照明して間接的な効果を得るもの

コ―ニス照明

壁際の天井に取り付けられた光源により壁面を照らす方法


類似問題

問題90捨て問題

近年の建築物管理の変化要因とその対処策との組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。

  1. 高齢・要援護者需要増―――――――ユニバ―サル化
  2. 危機・BCP―――――自家発電の導入
  3. 節電・省エネルギ―化――――高効率機器の選択
  4. 降雨集中――――――――排水・水防対策の強化
  5. 空調・換気のパ―ソナル化―――――空間環境の均一化


解説

答え【5】

この問題ははじめての出題と思います。
誤りは(5)になります。
これは消去法で導くと(5)が最も不適当になります。

ここがポイント

(1)は近年高齢・要援護者需要増の伴ってバリアフリ―・ユニバ―サルデザインのまちづくりの推進。
(2)のBCPとは、BCPとは災害などの緊急事態における企業や団体の事業継続計画(Business Continuity Planning)のことです。
(3)は節電・省エネルギ―化を図るための効率の良い機器の選択
(4)近年の降雨集中対策に排水・水防対策の強化を図る。


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