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平成29年度建築物の構造概論「過去問題解説3」

問題101

防災に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 火災荷重は、建築部材などの可燃物の潜在発熱量を、木材の発熱量で規準化した単位面積当たりの可燃物重量のことである。
  2. 差動式熱感知器は、感知器の周辺温度が定められた一定温度以上になると作動する。
  3. 火災室内の温度が急激に上昇し、火災が噴出し、燃焼が一気に室全体に拡大する急速な燃焼現象をフラッシュオ―バという。
  4. 防災物品は、カ―テン、絨毯等に薬剤処理を施し、着火、展炎しにくくしたものである。
  5. 防排煙対策の目的は。種々の手段により煙の挙動を制御し、安全な避難経路や消防活動拠点を確保することである。


解説

答え【2】

(2)は定温式熱感知器の説明です。
差動式熱感知器は周囲の温度の上昇率が一定の率以上になったときに 火災信号を発信するものです。
差動式にはスポット型と分布型等に分類されます。
ここがポイント


類似問題

問題102

建築基準法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 建築基準法は、建築物の意匠、装飾についての設計指針を定めている。
  2. 建築基準法は、建築物の敷地、構造設備及び用途に関する望ましい基準を定めている。
  3. 建築物の所有者、管理者又は占有者は、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するように努めなければならないとしている。
  4. 建築物に関する法令規定のうち、建築物自体の安全、防火、避難、衛生等に関する技術的基準を定めた規定の総称を集団規定という。
  5. 建築基準法は、建築物の工事管理を行う技術者の資格を定めている。


解説

答え【3】

(3)が正しい。
(1)は建築基準法は、建築物の敷地、構造、設備についての設計指針を定めている。
(2)は建築基準法は、建築物の敷地、構造設備及び用途に関する最低基準を定めている。
(4)は建築物に関する法令規定のうち、建築物自体の安全、防火、避難、衛生等に関する技術的基準を定めた規定の総称を単体規定という。
(5)は建築基準法は、建築物の工事監理を行う技術者の資格を定めている。
ここがポイント

参考サイト

建築基準法

建築基準法第8条(維持保全)

第8条 建築物の所有者、管理者又は占有者は、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するように努めなければならない。

(5)の工事監理とは、そのものの責任において工事を設計図書と照合して、設計図書通りに実施されているかどうかを確認すること。
建築士法は、建築物の設計、工事管理等を行う技術者の資格を定めて、その業務の適正を図り、建築物の質の向上を目的として定められた法律である。


類似問題

問題103

建築基準法及びその施行令に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  1. 戸建住宅は、特殊建築物ではない。
  2. 基礎は、主要構造部である。
  3. 住宅の納戸は、居室ではない。
  4. 建築物に設ける煙突は、建築設備である。
  5. 小屋組は、構造耐力上主要な部分である。


解説

答え【2】

(2)が誤りです。
主要構造部とは壁、柱、はり、屋根又は階段をいう。
ここがポイント

参考サイト

建築物の構造概論8
類似問題

問題104

建築基準法の行政手続き等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 建築設備においても、建築確認を必要とするものがある。
  2. 建築主は、特定工程を含む建築工事を行う場合には、中間検査の申請が免除される。
  3. 建築主事は、建築確認申請書を審査し、適法と確認した場合には、建築主に確認済証を交付する。
  4. 特定行政庁は、違反建築物に対する必要な措置を命ずることができる。
  5. 建築主事は、市区町村又は都道府県の職員で建築基準適合判定資格者の登録を受けた者のうちから、それぞれ市区町村の長又は都道府県知事により命じられる。


解説

答え【2】

(2)は建築主は、特定工程を含む建築工事を行う場合には、中間検査の申請しなければいけない。
特定工程とは
  1. 階数が3以上である共同住宅の2階の床、およびはりに配筋を配置する工事の工程。
  2. 特定行政庁が指定する工程。

ここがポイント

ここで、一つ整理してください。


類似問題

問題105

建築物の管理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. ライフサイクルは、JISの設備管理用語によると「設備の製作、運用、保全」と定義されている。
  2. エネルギ―管理に推奨されるPDCAサイクルの活用には、見える化機能が有効である。
  3. ファシリティマネ―ジメントは、コストと品質の最適化バランスを目的としている。
  4. 放射空調は、温度むらによる不快感が起こりにくい。
  5. 設備の保全活動には、維持活動と改善活動がある。


解説

答え【1】

(1)の設備でのライフサイクルの定義は
「設備の計画、設計、製作、運用、保全をすべて廃却又は再利用までを含めたすべての段階及び期間」
ここがポイント
(4)の放射空調とは

まず放射とは、熱移動方法の一種で、温度の高い方から低い方へ、熱が遠赤外線で移動する現象のことをいいます。

放射空調では、この放射の原理を利用して、人体(高温)から天井・壁・床(低温)へ熱が移動することにより温冷感を感じます。
放射空調では室内全体が温度ムラなく、不快感が起こりにくい特徴があります。
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