平成28年度清掃「過去問題解説5」
問題161
建築物内廃棄物の各関係者の基本的役割に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 国・地方公共団体は、廃棄物の分別・再利用・再資源化の普及・啓発に努める。
- ビル入居者は、廃棄物処理のル―ルを徹底させるため責任者を選任する。
- 廃棄物処理業者・ビルメンテナンス業者は、廃棄物の減容化に努める。
- 廃棄物収集運搬・処分業者は、契約に基づき、排出された廃棄物の収集・運搬・処分を実施する。
- ビルメンテナンス業者は、建築物内廃棄物の処理に必要な容器、集積場所、保管場所等を適切に準備する。
答え【5】
(5)ですが建築物の所有者等は、建築物内廃棄物の処理に必要な容器、集積場所、保管場所等を適切に準備する。後の選択枠は当然の処置です。
(3)は廃棄物処理業者・ビルメンテナンス業者に限らず建築物所有者及び入居者も廃棄物の減容化に努める必要があります。
問題162
廃棄物を排出しようとする事業者が行う、産業廃棄物の処理委託と産業廃棄物管理票(マニフェスト)の処理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 返却されたマニフェストの伝票を3年間保存する。
- 委託業者の管理に当たっては、最新の許可業者リストの確認、契約書のチェック、マニフェストの確認を定期的に行う。
- 産業廃棄物の処理依頼から90日経過してマニフェストのB2票及びD票が返却されない場合は、委託業者に問い合わせる。
- 産業廃棄物の処理依頼から180日経過してマニフェストのE票が返却されない場合は、委託業者に問い合わせる。
- 委託業者の選定に当たっては、許可の有無、許可の期限、事業の範囲等調べて選ぶ。
答え【1】
(1)は返却されたマニフェストの伝票を5年間保存する。マニフェスト
マニフェストとは廃棄物処理票のこと。
マニフェストには紙マニフェストと電子マニフェストに分かれます。
搬出した廃棄物を最終的に処分されるまでの流れを確認する管理伝票である。このシステムをマニフェストシステムといい、不法投棄防止を目的としている。
マニフェスト | 流れ方 | 役割分担 |
---|---|---|
A | 排出事業者の控え | 排出事業者の廃棄物引き渡し確認用 |
B1 | 排出事業者→運搬受託者→処分受託者→運搬受託者の控え | 運搬受託者の運搬終了確認用 |
B2 | 排出事業者→運搬受託者→処分受託者→運搬受託者→排出事業者 | 排出事業者の運搬終了確認用 |
C1 | 排出事業者→運搬受託者→処分受託者の控え | 処分受託者の処分終了確認用 |
C2 | 排出事業者→運搬受託者→処分受託者→運搬受託者 | 運搬受託者の処分終了用 |
D | 排出事業者→運搬受託者→処分受託者→排出事業者 | 排出事業者の処分終了確認用 |
E | (最終処分受託者からの2次マニフェストのE票を受けて) 排出事業者→運搬受託者→処分受託者→排出事業者 | 排出事業者の最終処分終了確認用 |
まず、マニフェストの保存期間は5年間です。
問題163
事務所建築物からちゅう芥が1日当たり0.20m3排出されており、その質量は廃棄物質量の5%を占めていた。いま、全廃棄物の質量を1日当たり2.0tとすれば、ちゅう芥の単位容積質量値(kg/m3)として、正しいものは次のうちどれか。
- 400kg/m3
- 500kg/m3
- 600kg/m3
- 700kg/m3
- 800kg/m3
答え【2】
まず整理すると全廃棄物の質量を1日当たり2.0tこれは2,000kgです。
その質量は廃棄物質量の5%を占めていた。
とありますので
2,000kg x 0.05 = 100kg
です。
事務所建築物からちゅう芥が1日当たり0.20m3排出されておるので
解答枠の単位を見てもわかるように
kg/m3
とあるので
100kg/0.20m3
より
500kg/m3
になります。
問題164
建築物内廃棄物の中間処理方法に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- ちゅう芥類を処理する生ごみ処理機には、減量を目的とした乾燥機やリサイクルを目的とした堆肥化装置がある。
- 缶類の処理方法として、自動的にスチ―ル缶とアルミ缶を分けて圧縮しブロック状にする方式である。
- 発泡スチロ―ルの処理方法として用いられる溶融固化装置は、薬液を加え溶融し固化する方式である。
- 紙類の処理には、保管スペ―スを確保するために圧縮・梱包機が用いられる。
- ちゅう芥類の保管には、保管用冷蔵庫が多く用いられている。
答え【3】
(3)は発泡スチロ―ルの処理方法として用いられる溶融固化装置は、外部から熱を強制的に加え溶融し固化する方式である。
廃棄物の種類 | 処理 | 処理設備 |
---|---|---|
新聞・雑誌 | 梱包 | 梱包機 |
缶 | 破砕、圧縮 | 破砕機、圧縮機 |
雑芥、紙 | 梱包、切断、圧縮 | 圧縮機(コンパクタ)、梱包機、切断機(シュレッダ) |
プラスチック | 破砕、溶融 | 破砕機、圧縮機、梱包機 |
ビン | 破砕 | 破砕機 |
ちゅう芥 | 冷蔵、脱水、粉砕 | 冷蔵庫、脱水機、粉砕機 |
発泡スチロ―ル | 溶融固化、圧縮 | 熱溶融固化装置 |
注射器 | 減菌 | 減菌装置 |
問題165
廃棄物の処理・保管等に関する組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。
- 容器方式――――初期コストが低い
- 貯留・排出機方式―――防災・防犯性が高い
- 真空収集方式――――初期コストが高い
- コンパクタ・コンテナ方式――――小規模建築物に適する。
- 廃棄物計量管理システム―――テナントへの課金制度に活用する
答え【4】
(4)はコンパクタ・コンテナ方式は大規模建築物向けです。(5)の廃棄物計量管理システムとは、廃棄物監理の一環として必要な設備とし、多くの建築物で導入されるようになってきています。
排出された廃棄物の種類ごと、テナントごとに計量し、日々の廃棄物排出量を自動的に計測するシステムである。
この問題は以下を参照ください。
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