法改正による過去問題の解答及び解説の変更点
- 居室における一酸化炭素濃度の基準が6ppm以下
- 居室における一酸化炭素濃度に関わる特例が削除に
- 居室における温度範囲が18℃~28℃に
- 建築物環境衛生管理技術者の兼任が可能に
- 兼任に関わる書類が追加に
- ディスプレイを用いる場合の書類上及びキーボード上における照度は300 ルクス以上とし、作業しやすい照度とすること。
作業の区分 | 基準 |
---|---|
一般的な事務作業 | 300lx以上 |
付随的な事務作業※ | 150lx以上 |
過去問10年分の中で法改正によって「解答」及び解説が変わってしまっている問題があります。
まずはそれを認識の上過去問題を解いてください。
解答そのものが変わっている問題
令和3年問題36
情報機器作業に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 作業者の健康に関する調査で、最も多い自覚症状は眼の症状である。
- ディスプレイのグレア防止には、直接照明を用いる。
- 書類上及びキ―ボ―ド上における照度は300lx以上が推奨される。
- ディスプレイ画面上における照度は500lx以下が推奨される。
- ディスプレイ画面の明るさ、書類及びキ―ボ―ド面における明るさと、周囲の明るさとの差は、なるべく小さくする。
(2)はグレア防止には間接照明を用いる必要があるので不適当ですが
(5)も法改正によって不適当になります。
法改正後は
ディスプレイを用いる場合の書 類上及びキーボード上における照 度は 300 ルクス以上とし、作業し やすい照度とすること。
となり画面上における照度は500lx以下
がなくなっています。
令和2年問題36
情報機器作業(VDT作業)と健康に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- グレア防止用の照明器具を用いる。
- ディスプレイ画面における照度を500lx以下とする。
- キ―ボ―ド上の照度は、300lx以上とする。
- デスクトップ型パソコンとノ―ト型パソコンでは、デスクトップパソコンの方が疲労の訴えが多い。
- 眼と表示画面、眼と書類などとの距離は、同じ程度にすることが望ましい。
(4)はノート型パソコンの方が疲労の訴えが多い。
ですが(2)も法改正により不適当な解答になります。
ディスプレイを用いる場合の書 類上及びキーボード上における照 度は 300 ルクス以上とし、作業し やすい照度とすること。
となり画面上における照度は500lx以下
がなくなっています。
平成30年問題30
建築物衛生法による一酸化炭素の含有率の基準値として、最も適当なものは次のうちどれか。
- 原則 1ppm以下
- 原則 2ppm以下
- 原則 5ppm以下
- 原則 10ppm以下
- 原則 50ppm以下
(4)から解なしに変更
建築物衛生法による一酸化炭素の含有率の基準値として、最も適当なものを問われた問題ですが、法改正により正解が(4)から、正解なしに変更になります。
平成29年問題21
空気調和設備を設けている事務所について、労働安全衛生法に基づく事務所衛生基準規則で定められる基準の項目とその基準値との組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。
- 二酸化炭素の含有率―――1,000ppm以下
- 気流――――――――――0.5m/s以下
- 気温――――――――――23~28℃
- 相対湿度――――――――40~70%
- 照度(普通作業)―――――150lx以上
この問題(5)も法改正されています。
まず(3)は気温は18~28℃に変更になります。
(5)の照度(普通作業)ですが作業区分自体が変更になり普通の作業がなくなっています。
作業の区分 | 基準 |
---|---|
一般的な事務作業 | 300lx以上 |
付随的な事務作業※ | 150lx以上 |
平成26年問題10
下の表はA室の空気環境の測定結果である。建築物環境衛生管理基準に適合しない項目の組合せは次のうちどれか。
- 浮遊粉じんの量と二酸化炭素の含有率と相対湿度
- 浮遊粉じんの量と温度と気流
- 一酸化炭素の含有率と二酸化炭素の含有率と相対湿度
- 一酸化炭素の含有率と二酸化炭素の含有率と温度
- 二酸化炭素の含有率と温度と気流
法改正により適合しない組合せに一酸化炭素の含有率が、8.5ppmと7.5ppmが含まれることになります。
従って適合しない組合せが- 一酸化炭素の含有率(8.5ppmと7.5ppm)
- 二酸化炭素の含有率(1,200ppm)
- 温度(28.5℃)
- 気流(0.6m/s)
平成25年問題8
建築物環境衛生管理基準に基づく空気環境の調整に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 機械換気設備を設けている特定建築物については、浮遊粉じんの量、一酸化炭素の含有率、二酸化炭素の含有率、温度及びホルムアルデヒドの量の5項目の基準を遵守しなければならない。
- 浮遊粉じんの量は、相対沈降径がおおむね10μm以下の浮遊粉じんを対象としている。
- 一酸化炭素の含有率は、大気中における一酸化炭素の含有率が100万分の10を超える場合は、特例として100万分の20まで認められている。
- ホルムアルデヒドの量は、0.1mg/m3以下である。
- 空気環境の測定は、各階ごとに、居室の中央部の床上75cm以上150cm以下の位置において行う。
一酸化炭素の含有率の特例が削除されましたので(3)も不適当な解答になります。
解説を見直す必要がある問題
ここは、解答は正しいですが古い参考書等を利用している場合は不適切な解説をされている場合があるので注意が必要です。
令和3年問題7
建築物環境衛生管理基準に規定されている空気環境の調整に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。- 機械換気設備を設けている場合、ホルムアルデヒドの量の基準は適用されない。
- 居室における温度を外気の温度より低くする場合は、その差を著しくしない。
- 空気調和設備等を設けている一般事務所にあっては建築物衛生法と事務所衛生基準規則が適用され、居室における二酸化炭素の含有率の基準値も同一である。
- 外気の一酸化炭素の含有率が高いため基準値の10ppm以下を保てない場合は、基準値を50ppm以下とすることができる。
- 浮遊粉じんの量の基準値は、相対沈降径がおおむね20μm以下の粒子を対象としている。
この問題は正しいのは(2)ですが
(4)は法改正により居室における一酸化炭素濃度の基準が6ppm以下
一酸化炭素濃度に関わる特例が削除されています。
参考書等や問題集等では法改正前の解説がされている可能性がありますので注意してください。
令和元年問題9
建築物環境衛生管理技術者に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
- 特定建築物ごとに選任しなければならないので、同時に2以上の特定建築物の建築物環境衛生管理技術者となることは、いかなる場合も認められない。
- 建築物環境衛生管理技術者は、必要があると認めるとき、建築物維持管理権原者に意見を述べることができ、建築物維持管理権原者はこの意見に従わなければならない。
- 建築物環境衛生管理技術者が管理業務の指導監督を怠たり健康被害が発生した場合は、建築物環境衛生管理技術者に対して罰則の適用がある。
- 建築物環境衛生管理技術者の免状の記載事項に変更を生じたときは、厚生労働大臣に免状の書換え交付を申請しなければならない。
- 建築物環境衛生管理技術者の免状の再交付を受けた後、失った免状を発見したときは、5日以内にこれを厚生労働大臣に返還する。
この問題は適当なものは(5)ですが
(1)の問題は同時に2以上の特定建築物の建築物環境衛生管理技術者の兼務の問題ですが
法改正前は職務を遂行するに当たっては兼務可能でしたが、法改正により兼任を認める条件が「業務に支障がないことが確認できていること」になりました。
平成30年問題6
建築物環境衛生管理基準に基づく空気環境の調整に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 温度の基準は、15℃以上29℃以下である。
- 相対湿度の基準は、40%以上70%以下である。
- 粉じん計は、2年以内ごとに1回較正する。
- ホルムアルデヒドの測定は、毎年6月1日から9月30日までの間に行う。
- 測定位置は、居室の中央部の床上70cm以上160cm以下である。
正しいのは(2)の相対湿度の基準は、40%以上70%以下である。
ですが(1)の温度の基準は、法改正されています。
参考書や問題集等では法改正前の
17℃以上28℃以下との記載がされていますが
法改正により
18℃以上28℃以下
になっていますので間違えないようにしましょう。
平成27年問題8
建築物環境衛生管理基準に基づく空気環境の基準値に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- ホルムアルデヒドの量は、空気1立方メ―トルにつき0.1mg以下である。
- 浮遊粉じんの量は、空気1立方メ―トルにつき0.15mg以下である。
- 気流は、0.5m/s以下である。
- 空気調和設備を有する場合の温度は、16℃以上28℃以下である。
- 空気調和設備を有する場合の相対湿度は、40%以上70%以下である。
法改正により温度は18℃~28℃です。
参考書や問題集等では法改正前の
17℃以上28℃以下との記載がされていますが誤りです。
買い物は楽天市場