令和6年度空気環境の調整「過去問題解説3」
問題56
換気に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 1人当たりの必要換気量は、呼吸による酸素の消費量を基準として求めることが多い。
- 換気回数は、換気量を室容積で除したものである。
- 局所換気は、室全体ではなく、汚染物質が発生する場所を局所的に換気する方法である。
- 機械換気は、送風機や排風機等の機械力を利用して室内の空気の入替えを行う方法である。
- 自然換気の原動力は、建物外部の風や建物内外の温度差である。0
答え【1】
1人当たりの必要換気量は、呼吸による二酸化炭素の消費量を基準として求めることが多い。
換気回数と必要換気量
必要換気量は、人体への影響(酸素供給、二酸化炭素希釈)、燃焼器具の影響、熱・水蒸気発生の影響等から決定される。
- 人体からの二酸化炭素基準
- 通常は、人体から発生する二酸化炭素を基準として、必要換気量を求めることが多い。良好な室内空気環境を維持するためには、1人当たり1時間につき概ね30m3 以上の換気量を確保することが必要であるが、室内の二酸化炭素濃度が1000ppm以下であればこの必要換気量を確保できていると見なすことができる。
| 居室名 | 在室密度(m2/人) | 必要換気量(m3/m2・h) |
|---|---|---|
| 一般事務室 | 4.2 | 7.2 |
| デパ―ト(一般売り場) | 1.5 | 20.0 |
| 宴会場 | 0.8 | 37.5 |
| ホテル客室 | 10.0 | 3.0 |
| 小会議室 | 1.0 | 30.0 |
| 住宅・アパ―ト | 3.3 | 9.1 |
| 食堂(営業用) | 1.0 | 30.0 |
つまり、30m3÷在室密度=必要換気量になります。
例:デパ―ト(一般売り場)30m3÷1.5(在室密度)=20.0(必要換気量)
になります。機械換気設備のある居室の換気量
建築基準法では機械換気設備のある居室の換気量を次のように数式で定めている。
V=20Af÷N以上とすること。(施行令20条の2の1)ただし、V:有効換気量(m3/h)、Af:居室の床面積(m2、N:実況に応じた一人当たりの占有面積(m2
換気回数は1時間当たりの必要換気量をQ[m3/h]
室の容積をV[m3]
とすると
換気回数をm[回/h]で表すと、m=Q/V で表される。
CO2の許容濃度をC
外気に含まれるCO2の濃度をC0
室内でのCO2発生量をM[m3/h]とすると
Q=M/C-C0
ちなみに室内の必要換気量は、一般的に二酸化炭素の濃度を基準として算定する。(許容濃度:1000ppm=0.1%)
問題57
室内における二酸化炭素に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 建築物衛生法における二酸化炭素の管理基準値は、換気量の指標として定められた値である。
- 東京都の立入検査結果から見ると、建築物衛生法施行当時の二酸化炭素濃度の不適率は10~ 20%台であった。
- 二酸化炭素の発生源は、ヒトの活動(呼吸)や燃焼器具である。
- 二酸化炭素濃度の上昇には、在室者数が設計時の条件を上回るような過密使用状態が関係する。
- 二酸化炭素濃度の低減対策として、空調機のエアフィルタが挙げられる。
答え【5】
室内の二酸化炭素濃度を下げるためには外気の取入れが重要です。
空調機のエアフィルタは、主に室内における粉じんの除去対策に用いられます。
二酸化炭素濃度の低減対策ではありません。
問題58
揮発性有機化合物とその用途との組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。
- ホルムアルデヒド――――――ユリア系接着剤
- トルエン――――――――――塗料の溶剤
- パラジクロロベンゼン――――プラスチックの可塑剤
- スチレン――――――――――発泡スチロール
- クロルピリホス―――――― 防蟻剤
答え【3】
パラジクロロベンゼンは防虫剤として使用されています。
プラスチックの可塑剤はフタル酸ジ-2-エチルヘキシン等です。
問題59
湿り空気線図(h-x線図)を用いて相対湿度を求める場合に必要となる項目の組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。
- 乾球温度と湿球温度
- 水蒸気分圧と露点温度
- 露点温度と比エンタルピー
- 比エンタルビーと乾球温度
- 湿球温度と絶対湿度
答え【2】
下の空気線図を見ればわかると思うのですが水蒸気分圧と露点温度は、湿り空気の状態量としては同じことを表しているので、この二つを与えられても状態点は決めることができない。
- 露点温度と水蒸気分圧
- 水蒸気分圧と絶対湿度
- 露点温度と絶対湿度
令和2年問題60
問題60
建築物の空気調和設計における熱負荷の大小関係として、最も適当なものは次のうちどれか。
- 装置負荷 < 熱源負荷 < 室内負荷
- 室内負荷 < 装置負荷 < 熱源負荷
- 熱源負荷 < 装置負荷 < 室内負荷
- 室内負荷 < 熱源負荷 < 装置負荷
- 装置負荷 < 室内負荷 < 熱源負荷
答え【2】
空気調和設計における熱負荷 (空調熱負荷)は、熱源負荷、空調機負荷 (装置負荷)、室内負荷に分類され、大小関係は、 熱源負荷 > 空調機負荷(装置負荷) > 室内負荷 の順となる。
室内負荷・空調機負荷・熱源負荷
空調熱負荷の構成要素と分類

△:無視することが多いが、影響が大きいと思われる場合は考慮する。
X :無視する
















