令和5年度空気環境の調整「過去問題解説9」
問題86
騒音・振動問題の対策に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 新築の建物の使用開始直後において、騒音・振動について設計目標値を満たしているにもかかわらず発生するクレームは、保守管理責任の範疇(はんちゅう)ではない。
- 外部騒音が同じ場合、コンサートホール・オペラハウスの方が録音スタジオよりも高い遮音性能が求められる。
- 空気伝搬音を低減するためには、窓・壁・床等を遮音する必要がある。
- 経年による送風機の音・振動の発生状況に問題がないか確認するため、ベルトの緩み具合などを定期的に検査する。
- 寝室における騒音は、骨伝導で感知される固体伝搬音も評価する必要がある。
答え【2】
日本建築学会遮音性能規準によれば、コンサートホールとオペラハウスの遮音等級はNC-25(1級、遮音性能上、優れている)あるいはNC-30(2級、遮音性能上、標準的)である。録音スタジオの遮音等級はNC-20(1級遮音性能上、優れている)あるいはNC-25(2級、遮音性能上、標準的)である。
NC値は、小さい方が遮音性能が高く、外部騒音が同じ場合録音スタジオの方が高い遮音性能が求められます。
問題87
光と照明に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 照明器具の不快グレアの程度を表すUGRは、値が大きいほどまぶしさの程度が大きいことを意味する。
- 設計用全天空照明は、快晴よりも薄曇りの方が高い。
- 色温度が高くなると、光色は青→白→黄→赤と変わる。
- 演色評価数が100に近い光源ほど、基準光で照らした場合の色に近い色を再現できる。
- 事務所における製図作業においては、文書作成作業よりも高い維持照明が求められる。
答え【3】
色温度が高くなると以下のように変わります。赤→黄→白→青
問題88
ある部屋の作業面の必要照度が750lxであった。ランプ1本当たりの光速が3,000lmのランプの必要灯数として、最も近いものは次のうちどれか。
ただし、その部屋の床面積は100m2、照明率を0.6、保守率を0.75とする。
- 15灯
- 25灯
- 34灯
- 42灯
- 56灯
答え【5】
作業面の必要照度は以下の公式で求めることができます。
- E:作業面照度[Lx]
- N:ランプの数
- F:ランプ1灯当たりの光束[Lm]
- U:照明率
- M:保守率
- A:床面積[m2]
問題89
照明に関する次の用語のうち、建築化照明に分類されないものはどれか。
- システム天井照明
- コードペンダント
- ルーバー照明
- コーニス照明
- コーブ照明
答え【2】
建築化照明とは、照明器具を建築物の一部として、天井や壁などに埋め込んだ照明方式です。コードペンダントは建築化照明に含まれません。
問題90
空気調和設備におけるコミッショニングに関連する用語として、該当しないものは次のうちどれか。
- BEMS
- 性能検証
- BCP
- 運用最適化
- FPT
答え【3】
コミッショニングとは、建築設備の実際の性能を確認し、本来の性能を実現するために行うプロセスのことです。コミッショニングに直接、関連していない用語はBCPである。