令和5年度空気環境の調整「過去問題解説8」
問題81
ホルムアルデヒドの簡易測定法として、最も不適当なものはどれか。
- 検知管法
- 光電光度法
- 燃料電池法
- 化学発光法
- β線吸収法
答え【5】
(5)のβ線吸収法は浮遊粉じんの測定法の一つである。ホルムアルデヒドの簡易測定法には検知管法、光電光度法、燃料電池法及び化学発光法があります。
問題82
空気調和設備の維持管理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 冷却水系のレジオネラ属菌の増殖を抑制するには、化学的洗浄と殺菌剤添加を併用するのが望ましい。
- 空気調和設備の空気搬送系では、使用年数の経過につれダクト内部の清掃を考慮する必要がある。
- 建築物環境衛生管理基準に基づき、冷却塔の清掃は、1年以内ごとに1回、定期に行うこと。
- 建築物環境衛生管理基準に基づき、加湿装置は、使用開始時及び使用期間中の1か月以内ごとに1回、定期に汚れの状況を点検し、必要に応じ、清掃等を行うこと。
- 建築物環境衛生管理基準に基づき、空気調和設備内に設けられた排水受けは、6か月以内ごとに1回、定期にその汚れ及び閉塞の状況を点検し、必要に応じ、清掃等を行うこと。
答え【5】
建築物環境衛生管理基準に基づき、空気調和設備内に設けられた排水受けは、1か月以内ごとに1回、定期にその汚れ及び閉塞の状況を点検し、必要に応じ、清掃等を行うこと。定期に汚れの状況を点検し、必要に応じ、清掃等を行うこと。とあれば基本的に1か月以内ごとに1回と覚えておきましょう。
問題83
音に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 音圧レベルは、人間の最小可聴値の音圧を基準として定義された尺度である。
- 騒音レベルとは、人間の聴覚の周波数特性を考慮した騒音の大きさを表す尺度である。
- 時間によって変動する騒音は、等価騒音レベルによって評価される。
- 空気調和機から発生した音が隔壁の隙間などを透過してくる音は、固体伝搬音である。
- 遮音とは、壁などで音を遮断して、透過する音のエネルギーを小さくすることである。
答え【4】
空気調和機から発生した音が隔壁の隙間などを透過してくる音は、空気伝搬音である。伝搬音
伝搬音には建築物内の騒音の、音源から発生した音が空気中を伝搬してくる空気伝搬音と設備機器等の音が躯体等の固体を伝搬してくる固体伝搬音に分かれる。
空気伝搬音
- 空気調和機から発生した音が隔壁・隙間等を透過してくる音
- ダクト内を伝搬して給排気口から放射する音
- 窓から入る道路交通騒音
空気伝搬音を低減するためには、窓・壁・床等を遮断する必要がある。
固体伝搬音
- ダクト・管路系の振動に起因する音
- 設備機器などの振動が建築躯体内を伝搬して居室の内装材から放射される音
固体伝搬音を低減するためには、振動源の発生振動低減や防振対策が重要である
問題84
騒音と振動に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 不規則かつ大幅に変動する振動の表示方法として、時間率レベルが示されている。
- 回析減衰効果を利用した振動対策として防振溝がある。
- 道路交通振動に対する振動規制は、昼間より夜間の方が厳しい。
- 低周波数域の騒音に対する人の感度は低い。
- 低周波数の全身振動よりも高周波数の全身振動の方が感じやすい。
答え【5】
全身振動は、低周波数域に対して感覚が鋭く、高周波数域へ周波数が増加するとともに感覚が鈍くなる。振動
人体は、環境振動で対策とする周波数の範囲(1~80Hz)では、一般に低周波数域に対して感覚が鋭く、周波数の 増加と共に感覚が鈍くなってきます。従って、高周波数の全身振動よりも、低周波数の全身振動の方が感じやすい。防振溝
防振溝は、道路交通振動など建物外からの振動対策として設けられる。
主要な振動は地表に沿って伝わると考えられるため、溝のようなもので遮断する。
その溝のことを防振溝という。
溝が深いほど振動を防止することができる。
回拆減衰効果
音源からの騒音低減の方法として、遮音塀を作ることも有効である。
感覚的には、これで音が届かないように見えるが、音は波の性質があり、遮音塀にて回折と言う音の回り込みという現象が発生し、受音点にて音が聞こえる。例えるなら、川の流れと垂直に板を差し込むとその先端で渦を巻き、板の裏側にその波の影響を受けるのとほぼ同じと考えです。。
問題85
騒音レベル80dBと86dBの騒音を合成した場合の騒音レベルとして、最も近いものは次のうちどれか。
ただし、log102=0.3010、log103=0.4771、log105=0.6990とする。
- 83dB
- 86dB
- 87dB
- 89dB
- 166dB
答え【3】
この問題は対数log102=0.3010、log103=0.4771、log105=0.6990が記載されており、難しく感じると思いますが当サイトでは対数を使わないで問題を解きます。ポイントとしては以下に記載します。
- 対数計算は使わない。
- 騒音レベルの分解。
- ある法則により騒音レベルを求める。
ある法則により騒音レベルを求める。
- 同じ騒音レベルの機械を2台使用した場合は+3dBになる。
- 同じ騒音レベルの機械を4台使用した場合は+6dBになる。
- 同じ騒音レベルの機械を6台使用した場合は+8dBになる。
- 同じ騒音レベルの機械を8台使用した場合は+9dBになる。
- 同じ騒音レベルの機械を10台使用した場合は+10dBになる。
同じ騒音レベルの機械を2台使用した場合は+3dBになる。
騒音レベルの分解
騒音レベル80dBと86dBとあり
86dBを分解していきます。
上記記載した
同じ騒音レベルの機械を2台使用した場合は+3dBになる。
を利用して
86dBを分解していくと以下のようになります。
つまり
騒音レベル80dBと86dBの騒音を合成した場合の騒音レベルを合成したら以下のようになります。
騒音レベル80dBと86dB(80dB x 4dB)の騒音レベルと同じになり
結果として
騒音レベル80dBの機械を5台使用した場合の騒音レベルとなります。
- 同じ騒音レベルの機械を4台使用した場合は+6dBになる。
- 同じ騒音レベルの機械を6台使用した場合は+8dBになる。
4台のとき+6dB、6台のとき+8dBなので
5台のときは+7dBになりますので
答えは(3)の87dBになります。