令和5年度空気環境の調整「過去問題解説7」
問題76
パッケージ型空調機方式で使用する外気処理ユニットに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- ビル用マルチパッケージと同一の冷媒ラインに接続可能である。
- 導入した外気に加熱・冷却を行うことが可能である。
- 導入した外気は加湿された後に直膨コイルを通過する。
- 全熱交換器を組み込んだユニットである。
- 給排気の風量バランスについて注意が必要である。
答え【3】
パッケージ型空調機方式で使用する外気処理ユニットでは、導入した外気は、プレフィルタ、全熱交換器、中性能フィルタ、送風機、直膨コイルを通過した後に、加湿ユニットを経て、給気される。問題77
浮遊粉じんの測定法と測定器に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 浮遊粉じんの浮遊測定法には、吸光光度法がある。
- 浮遊粉じんの捕集測定法には、フィルタ振動法がある。
- デジタル粉じん計は、粉じんによる散乱光の波長により相対濃度を測定する。
- 建築物環境衛生管理基準に基づき、ローボリウムエアサンプラ法を用いる場合は、分粒装置を装着する必要がある。
- デジタル粉じん計は、経年による劣化などが生じることから定期的に較正を行う必要がある。
答え【3】
デジタル粉じん計は、粉じんによる散乱光の強さにより相対濃度を測定する。デジタル粉じん計は、空気中の浮遊粒子に光を照射すると粒子から散乱光が生じる光散乱現象を利用し、その散乱光の強さが粉じん濃度と相対的に比例することを利用して測定する。
問題78
環境要素の測定に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- グロープ温度は、室内気流速度が小さくなるに伴い、平均放射温度に近づく傾向にある。
- 超音波風速計は、超音波の強度と気流との関係を利用している。
- 電気抵抗式湿度計は、感湿部の電気抵抗が吸湿や脱湿により変化することを利用している。
- バイメタル式温度計は、2種類の金属の膨張率の差を利用している。
- アスマン通風乾湿計の乾球温度は、一般に湿球温度より高い値を示す。
答え【2】
超音波風速計は、超音波の到達時間と気流との関係を利用している。問題79
次の汚染物質とその濃度又は強さを表す単位の組合せとして、最も不適当なものはどれか。
- アセドアルデヒド―――ug/m3
- オゾン―――cfu/m3
- 粉じん―――mg/m3
- 硫黄酸化物―――ppm
- アスベスト―――本/L
答え【2】
オゾンの濃度の単位はug/m3又はppmです。過去に出題された用語と単位問題
空気汚染物質とその濃度又は強さを表す単位の問題も毎年出題されています。
今まで出題された単位の問題の総まとめです。
汚染物質 | 単位 | 出題年度 |
---|---|---|
アセトアルデヒド | μg/m3 | 平成30年 |
真菌 | CFU/m3 | 平成30年 |
アスベスト | 本/L f/cm3 f/L | 令和元年、平成30年、平成29年、平成23年 平成28年 平成27年 |
浮遊粉じん | mg/m3 cpm | 平成30年 平成26年 |
キシレン | μg/m3 | 令和元年、平成29年 |
放射能 | Bq | 令和3年、平成29年、平成26年 |
二酸化窒素 | ppb | 平成29年、平成26年、平成23年 |
パラジクロロベンゼン | μg/m3 | 平成28年 |
浮遊細菌 | CFU/m3 | 令和元年、平成28年、平成27年 |
二酸化硫黄 | ppb ppm | 令和3年、平成28年 |
トルエン | mg/m3 μg/m3 | 令和3年、平成27年 |
ダニアレルゲン | ng/m3 | 平成27年 |
オゾン | μg/m3 | 令和3年、平成26年 |
浮遊微粒子 | 個/m3 | 平成23年 |
ラドンガス | Bq/m3 | 平成23年 |
イオウ酸化物 | ppm | 令和元年 |
問題80
室内空気環境の測定に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 一酸化炭素の測定には、定電位電解法がある。
- 二酸化炭素の測定には、非分散型紫外線吸収法がある。
- 窒素酸化物の測定には吸光光度法がある。
- イオウ酸化物の測定には、紫外線蛍光法がある。
- オゾンの測定には、紫外線吸収法がある。
答え【2】
二酸化炭素の測定法には、検知管方式、気体容積法、ガスクロマトグラフ法、非分散型赤外線吸収法などがある。室内環境の測定
空気環境物質 | 主な測定法 |
---|---|
一酸化炭素 | 検知管法 定電位電解法 ガスクロマトグラフ法 |
酸素 | ポ―ラログラフ法 ガルバニ電池法 |
二酸化炭素 | 検知管法 非分散型赤外線吸収法 ガスクロマトグラフ法 |
窒素酸化物 | ザルツマン法 化学発光法 フィルタバッジ法 |
硫黄酸化物 | 紫外線蛍光法 溶液導電率法 |
臭気 | 官能試験 オルファクトメ―タ法 |
ダニアレルゲン | エライザ(ELISA)法 |
オゾン | 検知管法 紫外線吸収法 化学発光法 |
放射線 | シンチレ―ション検出器 |
アスベスト | X線回析分析法 光学顕微鏡法 赤外線吸収スペクトル法 |
花粉アレルゲン | 表面プラズモン共鳴法 免疫学的な方法 |
浮遊微生物 | 培地法 フィルタ法 衝突法 ATP法 |
換気量 | トレ―サガス減衰法 直接風量測定法 二酸化炭素濃度減衰法 |
浮遊粉じん | ロ―ボリウムエアサンプラ デジタル光散乱型粉じん計 圧電天秤法 |
ラドン | パッシブ法 アクティブ法 |