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令和5年度空気環境の調整「過去問題解説5」

問題66

冷凍機に用いられる冷媒とオゾン破壊係数(ODP)との組合せとして、最も不適当なものはどれか。

  1. (冷媒)R11(CFC)――――――(オゾン破壊係数)1
  2. (冷媒)R32(HFC)――――――(オゾン破壊係数)0.055
  3. (冷媒)R123(HCFC)――――――(オゾン破壊係数)0.02
  4. (冷媒)R717(NH3)――――――(オゾン破壊係数)0
  5. (冷媒)R744(CO2)――――――(オゾン破壊係数)0


解説

答え【2】

HFC系冷媒の一つであるR32は、代替フロンと呼ばれ、オゾン破壊係数(ODP)は0である。
ここがポイント


類似問題

問題67

熱源方式に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 地域冷暖房システムは、地域内の建築物や施設(需要家)同士が相互に熱を融通し、効率的に熱需要に対応する方式である。
  2. ヒートポンプ方式は、1台の機器で冷水又は温水、あるいは必要に応じて冷水と温水を同時に製造するものがある。
  3. 吸収冷凍機+蒸気ボイラ方式は、空調以外の給湯・洗浄・消毒等の用途に高圧蒸気を必要とする病院、ホテル、工場等での採用例が多い。
  4. コージュネレーション方式は、エンジンなどを駆動して発電するとともに、排熱を回収して利用する方式である。
  5. 蓄熱システムは、熱源設備により製造された冷熱・温熱を計画的に効率よく蓄熱し、必要な時に必要な量だけ取り出して利用するシステムである。


解説

答え【1】

地域冷暖房システムは一定地域内の建築物群に対して、熱源プラントで製造した熱媒を供給し、熱源装置の大型化・集約化・集中管理化によって、安全性や効率化が図られた方式です。
ここがポイント

蓄熱槽(蓄熱方式)

蓄熱の目的は、熱を計画的に効率よく蓄積し、必要な時に必要なだけ取り出して利用することがある。このため、間欠運転対応、熱源容量削減、熱回収、排熱利用、太陽熱利用、深夜電力利用等の目的で使用される。

蓄熱槽の種類

  1. 密閉式
    • 槽が密閉構造で配管や機器の摩擦損失分だけの動力ポンプ容量でよい。
  2. 開放式
    • 槽が大気に開放されている。密閉型に比べ、ポンプの実揚程の分だけ余分な動力が必要で、電気量が高くなる。開放されているので水質汚染に注意が必要。

蓄熱方式のメリット

  1. 安価な深夜電力の使用が可能
  2. 熱源機器が故障したときや停電時に短期間であるが、水槽の熱で対処できる
  3. 夜間運転では凝縮圧力が低くなりCOPが向上する。
  4. ピ―クカットにより、熱源装置容量を小さくできる。(これにより、設備費、受変電設備容量、及び機械室面積を小さくできる)
  5. 部分負荷運転の対処が容易にできる(テナントが延長するときなどに)
  6. 蓄熱槽の水を火災時に消火用水として利用できる。

蓄熱方式のデメリット

  1. 開放式水槽の場合は実揚程がかかるためポンプの動力が増加する
  2. 氷蓄熱では蒸発器出口の冷媒温度が低くなりCOPが低下する
  3. 水槽の構築費が高価
  4. 夜間運転移行により管理人件費の増大
  5. 槽内の水混合の、熱損失または熱取得時によって、一般的に蓄熱した熱量を全部有効にくみあげることができない。蓄熱槽の蓄熱効果は一般に60~85%である

地域冷暖房方式

地域冷暖房方式は、熱源プラントにて集中的に製造した熱媒を、一定地域の多数の建築物や施設に供給する、冷暖房するシステムをいう。

地域冷暖房方式の特徴
  1. 地域冷暖房方式は大気汚染防止等の公害防止対策が徹底され、個別熱源に比べ、熱源が集中することから高効率の大型機器の使用が可能となり、環境負荷の低減となる。
  2. 熱源プラントから熱媒体を需要家に供給するための地域配管が必要となり、そのためのスペ―スが必要である。
  3. ごみ焼却廃熱や未利用エネルギ―の活用がし易く省エネルギ―が図れる。
  4. 設備の能力が21GJ/h以上で不特定多数の需要家に熱供給する能力を持つ施設は、熱供給事業法の適用を受ける熱供給事業として経済産業大臣の許可を受けなければならない。
  5. 普通各建築物に最大負荷は同時刻に発生することはないので熱源プラントの設備容量は、各建物の最大負荷の合計より小さくすることが可能である。

地域冷暖システム


類似問題

問題68

全熱交換器に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 外気負荷の軽減を目的として、空気中の顕熱・潜熱を同時に熱交換する装置である。
  2. 回転型は、ロータの回転に伴って排気の一部が給気側に移行することがある。
  3. 静止型は、回転型よりも目詰まりを起こしにくい。
  4. 静止型の給排気を隔てる仕切り板は、伝熱性と透湿性をもつ材料で構成されている。
  5. 冬期・夏期のいずれも省エネルギー効果が期待できるが、中間期の運転には注意が必要である。


解説

答え【3】

(3)の静止型は、回転型よりも目詰まりを起こしやすい。
静止型は給排気を隔てる仕切り板を伝熱性と透湿性を持つ材料で構成し、顕熱と潜熱の熱交換を同時に行うもので、静止型は、回転型よりも目詰まりを起こしやすい。
回転型は円筒型のエレメントの回転によって熱交換を行う。
ここがポイント


類似問題

問題69

冷却塔に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 開放型冷却塔は通風抵抗が大きいため、密閉型冷却塔よりも大きな送風機動力が必要である。
  2. 密閉型冷却塔は、電算室やクリーンルーム系統用に採用されることが多い。
  3. 開放型冷却塔では冷却水の水質管理、密閉型冷却塔では散布水の水質管理が重要である。
  4. 冷却能力が同等の場合、密閉型冷却塔は、開放型冷却塔よりも一般に大型である。
  5. 空調用途における冷却塔は、主として冷凍機の凝縮熱を大気に放出するためにある。


解説

答え【1】

開放型冷却塔は、循環する冷却水が直接空気に接触し、冷却水の一部が蒸発することによって残りの水が冷却される。
密閉型に比べて小型化で送風機の動力を低減することができる。
ここがポイント

冷却塔

冷却塔は大きく分けて開放型と密閉型に分かれる。

開放型冷却塔

開放型冷却塔は、充填材、下部水槽、散水装置、送風機等から構成される。

冷却水は主に自ら蒸発して、その潜熱により冷却される。←これ重要
(外気が冷却水より低い乾球温度であれば、顕熱を空気に渡しても冷やされる)その場合でも、いくらでも蒸発していくらでも冷却されるのではなく周囲空気の 湿度より限界がある。冷却塔内の冷却水表面は丁度濡れたガ―ゼで包まれて、気流の当たっている湿球温度計と同じ状態になり、その時測っているのは冷却塔入口空気の湿球温度である。

冷却水の温度は理論上この湿球温度よりも低くはなり得ない。冷却水の出口温度と外気湿球温度の差をアプロ―チといい、通常は5℃程度である。 一般に外気の湿球温度が低く、冷却水温度が低い方が冷凍機の凝縮温度が低くなってCOPが向上する。

密閉型冷却塔

冷却水と空気の熱交換は間接的となるので、冷凍機に廻る冷却水の水質悪化の心配がない。しかし同じ冷却能力を得るのに開放型より大型になる。
また熱交換器による通風抵抗の増加に伴い送風機動力が増加するうえ、冷却ポンプとは、別に散水ポンプが必要で高価である。

開放型よりも密閉型の方が大型である←これ覚えよう。

冷却塔の性能低下の原因

  1. 散水の不均一
  2. 送風装置の不具合
  3. 充填物破損
  4. 外気の湿球温度が設計値を上回った時

この項目も丸暗記

密閉型は、冷凍機への循環冷却水の大気による水質悪化はないが、塔内の循環散水(一次冷却水)は水質悪化する。
一次冷却水は大気の汚染物質などによって汚染され、レジオネラ属菌の繁殖の危険は開放型と同じである。

冷却塔の設置場所

  1. レジオネラ症や冷却水の水処理剤による汚染の危険があるので建物の外気取り入れ口から離して設置する。
  2. 風通しがよく、強風が当たらない場所。
  3. 屋上に設置する場合は給水圧力を確保するために高置水槽より3m(30kPa)は低くする。
外気取り入れ口から離して設置←これ覚える。

開放型冷却塔の水管理

電気伝導度の変化を連続的に測定し、補給水量を調整する。濃縮管理方法が普及している。

電気伝導度の変化を測定ですから、たまにpHを測定など出ますのでだまされないように、電気伝導度です。


スライムやレジオネラ属菌の増殖を抑制するために、殺菌剤を添加する。


類似問題

問題70

空気調和機に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. エアハンドリングユニットは、熱源設備から供給される冷水・温水・蒸気等を用いて空調空気を作り、各ゾーン・各室にダクトにより送風する。
  2. ターミナルエアハンドリングユニットは、全熱交換器、制御機器、還気送風機等の必要機器を一体化された空調機である。
  3. ファンコイルユニットは、送風機、熱交換器、エアフィルタ及びケーシングによって構成される室内設置用の小型空調機である。
  4. パッケージ型空調機は、圧縮機、膨張弁、蒸発器、凝縮器等によって構成される。
  5. パッケージ型空調機のうちヒートポンプ型は、採熱源によって水熱源と空気熱源に分類される。


解説

答え【2】

ターミナルエアハンドリングユニットは、空気ー水方式に分類されます。各室や細分化されたゾーンの空調に特化した小風量タイプの空気調和機である。
ここがポイント

空気調和機・ファンコイルユニット

エアハンドリングユニット(AHU)

エアハンドリングユニットの構成

エアハンドリンングユニットは、一般に気流の上流側からエアフィルタ、空気冷却器、空気加熱器、加湿器、エリミネ―タ、送風機並びに電動機、ケ―シング等で構成されている。
構成機器は使用目的により変更ができる。
壁面設置型や天井隠ぺい型で、センサ・制御盤を内蔵した コンパクト型がある。

エアハンドリングユニットの構成機器

  1. エアフィルタ
    • 主にユニット型の乾式フィルタが用いられている。
  2. 冷水コイル・温水コイル・蒸気コイル
    • エアハンドリングユニットは独自の熱源装置を持たず、外部から冷温水、蒸気を取り入れて熱源とする。空気冷却器には冷水コイル、空気加熱器には温水コイル または、蒸気コイルが用いられる。冷水コイルと温水コイルを兼用した冷温水兼用コイルも用いられる
      通常コイルにはプレ―トフィンコイルが用いられる。
      冷水コイルには通常5℃~7℃の冷水が供給され、空気を冷却する。
      温水コイルには通常40℃~60℃ の温水が供給される。
      蒸気コイルには0.2MPa以下の低圧の蒸気が供給される。列数は1~2列が一般的である。
      冷却コイルの凝縮水や噴霧加湿により生じた水滴が下流側に 飛散するのを防ぐためにエリミネ―タが設置されることが多い。
      コイルの下部には結露水等を受けるためドレンパンが設置される。冷水、温水上部にはエア抜き用のキャップが取り付けられる。
  3. 送風機
    • 多翼送風機(シロッコファン)が多用される
  4. ケ―シング
    • 内外面が鋼板でその内部に断熱材として発泡フォ―ムを用いたサンドイッチ構造の外装パネルが用いられる

ファンコイルユニット(FCU)

  1. ファンコイルユニットは、住宅の冷暖房用やダクト併用ファンコイルユニット方式における端末ユニットとして幅広く用いられる。
  2. ファンコイルユニットはエアフィルタ、冷温水コイル、送風機、電動機、ケ―シング等で構成されている。
  3. 室内設置型の小型空気調和機で、一般には加湿器を持たない。
  4. ファンコイルの種類
    • 床置き型(露出型、埋め込み型)
    • 天井型(吊り型(露出型)・隠ペイ型・埋め込み型)
  5. コイルは冷温水兼用のもの、冷水、温水別々に組み込んだものがあり、配管は4管式(冷水・温水にそれぞれ往き管、還り管)、3管式(冷水・温水にそれぞれ往き管があり還り管は冷水 ・温水共通)、2管式(往き管、還り管が冷水温水共通)があり、4管式、3管式は各ユニットごとに冷暖房が可能である。
  6. ファンコイルの送風機は静圧が小さいので圧力損失の大きい高性能フィルタは使用できない。フィルタは抵抗の小さい粗じん用 フィルタが用いられる。
  7. 比較的室数の多い建築物に利用される。分散して多数設置されるため、保守点検が繁雑になりやすい。

パッケ―ジ型空調機

  1. 圧縮機、凝縮器、冷却器、送風機、エアフィルタなどをひとつのケ―シング内にパッケ―ジにしたものである。
  2. 空冷式と水冷式に分けられる。
  3. 空冷式では、冷媒弁の切り替えにより、冷房と暖房が出来るヒ―トポンプが家庭用を含めて多く普及が著しい。
  4. パッケ―ジ型空気調和機マルチタイプとは、室外機1基に対し室内機が複数接続されている(小規模~中規模のビルで多用されている).
  5. パッケ―ジ型空気調和機の能力低下の原因
    • フィルタの目詰まり
    • 室外機の風通しが悪い
    • 室内機、室外機のフィン汚れ
    • 冷媒量の不足
    • 暖房時は室外機に着霜
    • 冷房時は室外機に直射日光の照り返し
  6. 室外機に結露するのはほとんどの場合、フィルタの目詰まりが原因

全熱交換器・顕熱交換器

全熱交換器

全熱交換器の全熱とは顕熱 + 潜熱を意味する←これ重要
室内の排気と取り入れた外気の間で顕熱と潜熱を交換して排気の熱回収を図る空気対空気の熱交換器で、省エネ機器である

顕熱交換器

寒冷地方における空調用換気からの熱回収、排気中に水分やミスト、ダストを多く含む工場排気や、水分の回収を必要としない厨房や温水プ―ル における熱回収には顕熱交換器が使用される。

顕熱交換器では冬場に排気が、夏場に取り入れ外気が低温多湿となって結露しやすくなる(全熱交換器では湿気も移動するので、湿度が高く温度が 低い空気は発生しにくい)
類似問題

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