令和5年度ねずみ・昆虫等の防除「過去問題解説1」
問題166
蚊の生態に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
- 日本のヒトスジシマカは、冬季は成虫のステージで越冬する。
- アカイエカは、主に建築物内の浄化槽、汚水槽、湧水槽等で発生する。
- ヒトスジシマカは、ヒト以外にも多種多様な動物を吸血源としている。
- コガタアカイエカの発生源は小さな水域であり、空き缶や古タイヤ等によく発生する。
- 同一期間におけるアカイエカとヒトスジシマカの移動距離は、ほぼ同程度である。
答え【3】
(1)ヒトスジシマカは、卵の状態で冬季を過ごす。(2)アカイエカは、宅地周辺の下水溝・汚水溜・雨水ますなどの開放的な水域から発生する。
(4)コガタアカイエカの発生源は、きれいな水の水田や湿地帯です。
(5)同一期間におけるアカイエカとヒトスジシマカの移動距離は、異なる。
ヒトスジシマカはおよそ70m程度の移動距離に対しアカイエカは、15℃の気温で4.5km移動したとの報告がある。
問題167
ゴキブリに関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
- ゴキブリは、集団よりも単独で生活するほうが発育は早い。
- 8か所に5日間設置した粘着トラップに捕獲されたゴキブリの総数が200匹であった場合のゴキブリ指数は、25である。
- ゴキブリは食べ物に対する好みがあり、特定のものだけを喫食する。
- ゴキブリは、危険が迫ると警戒フェロモンを分泌する。
- 屋内に生息するゴキブリでも、東北地方や関東地方の屋外で越冬できる種類が知られている。
答え【5】
(1)ゴキブリ類は、集合すると発育が促進される。(2)ゴキブリ指数は、総捕獲数÷設置トラップ数÷設置日数で表す。
つまり、200匹÷8個÷5日=5
になる。
(3)ゴキブリ数は雑食性で、特定の食物だけを喫食するわけではない。
(4)ゴキブリは、集合フェロモンのほかに警戒フェロモンがあるとされているが、研究の段階で確定までは至っていません。
問題168
チャバネゴキブリに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 雌成虫は、卵鞘を孵化直前まで尾端に付着させている。
- 雌成虫の産卵回数は、一生の間に約5回である。
- 他の屋内生息性のゴキブリ類と比較して、野外生活性が強い。
- 幼虫、成虫とも、同じ場所で活動する。
- 幼虫から成虫となり、蛹の時期がない。
答え【3】
チャバネゴキブリは屋内生育型です。野外生活性のものにモリチャバネゴキブリ類がある。
問題169
ダニに関する下記の文章に該当する種類として、最も適当なものは次のうちどれか。
梅雨時などの高温・多湿時に、畳や保存食品から大発生する場合がある。ヒトを刺したり吸血することはなく、アレルゲンとしての重要性も比較的低いが、大量発生により不快感や恐怖感を与えることがある。
- フトツメダニ
- カベアナタカラダニ
- ワクモ
- ケナガコナダニ
- コナヒョウヒダニ
答え【4】
文章の説明に該当するのはケナガコナダニです。(1)フトツメダニは捕食性のダニで、ときとして人に刺咬の害を与えることがある。
(2)カベアナタカラダニは野外性で、春などに大量発生し、室内に侵入したり、洗濯物に付いたりすることから、不快害虫に含まれる。
(3)ワクモは鳥類に寄生するダニで、トリサシダニ類と同様に人に刺咬の害を与えることがある。
(5)コナヒョウヒダニは室内生息性のダニで、室内の埃や畳,ジュータンなどに生息しており、ダニアレルゲンとして注意が必要である。
問題170
ハエ類に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- ヒメイエバエは、主に鶏舎での発生が問題となる。
- ニクバエ類は、卵ではなく幼虫を生む卵胎生のハエである。
- イエバエは、各地でピレスロイド剤に対する抵抗性を獲得している。
- ノミバエ類などのコバエでは、走光性を示す種類が多い。
- 建築物内で発生するチョウバエ類は、ヒトから吸血することがある。
答え【5】
チョウバエ類は、刺咬(吸血)の害を与えることはない。チョウバエ類は、排水溝やグリストラップ及びトイレなどに発生する。