令和5年度清掃「過去問題解説2」
問題146
建築物清掃の品質評価に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 品質評価は、利用者の立場に立って実施する。
- 建築物清掃の実施結果を点検し、建築物利用者の要求品質と実際の品質とのギャップを修正する。
- 仕様書に基づき、適正な作業計画に従って業務が適切に遂行されているか点検する。
- 清掃の品質は、組織品質と作業品質から構成される。
- 品質評価項目のうち資機材管理は、組織品質の事業所管理品質に含まれる。
答え【5】
品質評価項目のうち資機材管理は、組織品質の現場管理品質に含まれる。問題147
ほこりや汚れの除去に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 綿布やモップに含ませる水分は、ほこりに対する付着を高める程度で十分で、過剰の水分はむしろ弊害を与える。
- おかくずを用いる方法は、ほこりを付着させる効果が大きい。
- ダストコントロール法は、粘度の低い、乾性の鉱油などを布に含ませ、ほこりを除去する方法である。
- ダストクロス法は、油分による床面への弊害が少ない。
- バキュームクリーニングは、カーペットの織り目に入りこんだほこり・土砂等の除去に用いられる。
答え【3】
ダストコントロール法は、粘度の低い、不乾性の鉱油などを布に含ませ、ほこりを除去する方法である。ほこりの除去方法
はたき掛け
ほこりは紛状のため、空気中に浮遊しやすい。そのため、はたく、吹き飛ばす作業により、ほこりを除去する。
近代化した建築物の室内は、閉鎖空間であるため、適当な方法とはいえない。静電気を利用して、ほこりを吸着させる器具等を活用する必要がある。
おかくずを用いる方法
おかくずに水分を含ませ、床等にまいてほこりを付着させながら掃き取る。おかくずの粉は保水力が高く、表面積が大きいので、ほこりを 付着させる効果は大きい。
から拭き
備品等に付着した微量のほこりを除去するには、乾いた柔らかい綿布等で拭き取るとほこりが綿布に付着する為容易に除去できる。
ダストコントロ―ル法
綿布やモップにほこりが付着する力を高めるため、粘度の低い不乾性の鉱油等を、布の重量に対して20%前後の少量を含ませ拭き取る方法である。 器具の頭部は、常に一定方法に押し進めながら作業を行う。
- 長所
- ほこりの飛散が少ない。油を含ませた状態で長く貯蔵・使用できる。初心者でも容易に作業できる。作業効率が良い。
- 短所
- ほこり以外のものは除去できない。水汚れに対し効果が少ない。油汚れに対して効果がない。
ダストクロス法
化学繊維を不綿布として織り、静電気を利用してほこりを付着させたり、繊維の隙間を利用して土砂等を回収する。ダストコントロ―ル法と比べ 油分による床面の被害がすくないことから多用されている。
バキュ―ムクリ―ニング法
真空掃除機を用いてほこりを除じんする方法。
問題148
カーペット清掃用機械に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- カーペットスイーパーは、パイル表面の粗ごみを除去するのに適している。
- 洗剤供給式床磨き機は、ウィルトンカーペットの洗浄に適している。
- スチーム洗浄機は、カーペットのしみ取りにも使われる。
- アップライト型真空掃除機は、床を回転ブラシで掃きながら、ごみやほこりを掃除機内に吸い込む構造を有する。
- エクストラクタは、ノズルから洗浄液を噴射して、直ぐに吸引する構造になっている。
答え【2】
洗剤供給式床磨き機は、タフテッドカーペットの洗浄に適している。カ―ペットの洗浄用機械
カ―ペットの洗浄用機械には、洗剤供給式の床磨き機、ロ―ラ―ブラシ方式機械、噴射吸引式機械(エクストラクタ)、スチ―ム洗浄機などがある。
洗剤供給式の床磨き機
- タンク式スクラバ―マシンに比べ、カ―ペットの繊維による抵抗が増すため、カ―ペット専用のもの(低速回転)を使用する。この機械は、カ―ペットを敷いたままシャンプ―クリ―ニングする方法として 早くから開発されたもので一般的である。
- 洗浄効果は大きいが、パイルを損傷する恐れがあるので、ウ―ルのウイルトンカ―ペットよりは、むしろ化学繊維のタフテッドカ―ペット等の洗浄に適している。
- ブラシが回転することにより、洗浄がカ―ペットのパイルにこすりつけられて発泡し、その泡によってクリ―ニングが行われる。
- 泡は別の真空掃除機により吸引除去する。
ロ―ラブラシ方式機械
- 洗剤供給式の床磨き機を改良したもの
- 洗剤が機械内部で完全に泡となって供給され、ロ―ラ型の縦回転ブラシがパイルにあたり、これによってクリ―ニングが行われる構造となっている。
- この機械は、カ―ペットの基布を濡らして収縮を起こす恐れが少なく、パイルに対するあたりも柔らかで、パイルを傷めることが少ない。
- 洗浄力はスクラバ方式の機械よりも劣る。ウィルトンカ―ペット等のウ―ルカ―ペットに適した機械である。
噴射吸引式機械(エクストラクタ)
- 操作杖の先端にあるノズルから洗浄液を噴射して、直ちに吸引口から吸引する構造になっており、これをカ―ペット上で操作することによって洗浄が行われる構造となっている。
- 洗浄液を噴射後直ちに吸引する仕組みであるが、多量の液を噴射するので水分に耐えるカ―ペットに適する。
- この機械は、シャンプ―クリ―ニング後のパイルに残留した洗剤分を、清水又は温水ですすぎ洗いをする場合に使用することが多い。
スチ―ム洗浄機
スチ―ム洗浄機は、高温の水蒸気で汚れを分解するため、エクストラクタより残留水分が少ない。
問題149
ビルクリーニング用機械・器具に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
- 超高速バフ機の回転数は、毎分150~300回転である。
- 自動床洗浄機は、洗剤供給式床磨き機と吸水式真空掃除機とを結合した構造を有する。
- 三つ手ちり取りは、移動する際にごみがこぼれない構造となっている。
- 凹凸のある床面は、研磨粒子が付着したパッドを床磨き機に装着して洗浄する。
- 床磨き機に用いるブラシは、直径60cm以上のものが多く使われる。
答え【2】
- 超高速バフ機の回転数は、毎分1000~3000回転である。
- 三つ手ちり取りは、移動する際にごみがこぼれるおそれがある。移動する際に持ち上げると蓋が閉まってごみがこぼれ落ちないのは、文化ちりとりのことです。
- 凹凸のある床面は、ブラシを床磨き機に装着して洗浄する。
- 床磨き機の用いるブラシは直径8、12、14、16インチ(約20、30、35、40cm)のものが使われる。
問題150
清掃作業に使用する洗剤に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 助剤(ビルダ)の働きとして、界面活性剤の表面張力を高め、洗浄力を向上させることが挙げられれる。
- 水道水で希釈して使用する洗剤は、水中のカルシウムやマグネシウムを封鎖する作用をもつ助剤が含まれる。
- 洗剤を水道水で希釈する場合には、最適な希釈濃度がある。
- 界面活性剤には、汚れを対象物から離脱させる働きがある。
- 洗剤には酸性やアルカリ性があり、水素イオン濃度指数で確認することができる。
答え【1】
助剤(ビルダ)は、界面活性剤の表面張力を低下させて対象物を浸透しやすくすることで、洗浄力を向上させる。