令和5年度清掃「過去問題解説1」
問題141
建築物における衛生的環境の維持管理について(平成20年1月25日健発第0125001号)に示された、建築物環境衛生維持管理要領に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 建築物の当該清掃において、建築物の用途、使用状況並びに劣化状況、建築物資材等を考慮した年間作業計画及び作業手順書を作成し、それに基づき実施すること。
- 清掃に用いる洗剤や床維持剤は、利用者や清掃従事者等の健康及び環境に配慮したもの、並びに建築資材に適合したものを用い、使用及び管理を適切に行うこと。
- 建築物内で発生する廃棄物の分別、収集、運搬及び貯留については、安全で衛生的かつ効率的な方法により、速やかに処理すること。
- 清掃用資機材の保管庫内は、整頓され、清潔で、ねずみ・昆虫等を生息あるいは出入りしていないこと。
- 建築物衛生法施行規則第20条の帳簿書類には、清掃、点検及び整備の予定表、作業内容、実施者の名簿等を記載すること。
答え【5】
これは間違えやすいですが(5)の点検及び整備の予定表は記載する必要はありません。設備の点検及び整備の状況を含む。
とあります。 建築物環境衛生維持管理要領には以下のように記載されています。
第二十条 特定建築物所有者等は、次の各号に掲げる帳簿書類を備えておかなければならない。
一 空気環境の調整、給水及び排水の管理、清掃並びにねずみ等の防除の状況(これらの措置に関する測定又は検査の結果並びに当該措置に関する設備の点検及び整備の状況を含む。)を記載した帳簿書類
二 当該特定建築物の平面図及び断面図並びに当該特定建築物の維持管理に関する設備の配置及び系統を明らかにした図面
三 第五条第二項の規定による確認の結果(同条第四項の規定による意見の聴取を行つた場合は当該意見の内容を含む。)を記載した書面
四 その他当該特定建築物の維持管理に関し環境衛生上必要な事項を記載した帳簿書類
問題142
建築物衛生法施行規則に定められた建築物清掃業の登録基準の内容として、最も不適当なものはどれか。
- 清掃用機械器具として、真空掃除機、噴霧器を有すること。
- 清掃作業に従事するすべての者が、規則に規定する研修を修了したものであること。
- 清掃作業に従事する者の研修内容は、清掃用機械器具、資材の使用方法、清掃作業の安全・衛生に関するものであること。
- 清掃作業の監督を行う者は、厚生労働大臣の登録を受けた者が行う清掃作業監督講習又は再講習の課程を修了して6年を経過していないこと。
- 清掃作業及び清掃用機械器具等の維持管理の方法が、厚生労働大臣が別に定める基準に適合していること。
答え【1】
清掃用機械器具として、真空掃除機、床磨き機を有することと規定されています。問題143
建築物清掃の作業計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 廊下壁面のスポット洗浄は、一般に定期清掃で実施する。
- 廊下壁面のスイッチ回りの洗剤拭きは、一般に定期清掃として実施する。
- ELVカゴ内部の除じんは、一般に定期清掃として実施する。
- 階段の手すり拭きは、一般に日常清掃として実施する。
- トイレ・洗面所の換気口の除じんは、一般に定期清掃で実施する。
答え【3】
ELVカゴ内部の除じんは、一般に日常清掃として実施する。作業頻度
作業頻度、大きく分けて日常清掃、定期清掃、臨時清掃に分かれる。
- 日常清掃
- 1日1回以上行う清掃
- 定期清掃
- 週一回、月一回など一定の間隔において行う作業。
計画的に実施
- 週一回、月一回など一定の間隔において行う作業。
- 臨時清掃
- 予定外の清掃(事務所移転に伴う清掃、普段清掃しない場所で汚れが目立つ箇所の清掃のなど)
日常清掃
- トイレの清掃、出入口マットの清掃、ライディングプレ―トの除じん、共用区域の床、壁面、柱の低い部分の清掃、家具、灰皿清掃、ビル周りの清掃、紙くずの処理、消耗品の補充、エレベ―タかご内部の除じん
- 床面の洗浄、ブラインドの清掃、天井・壁の高所部分の清掃、カ―ペットの洗浄、各種金属磨き。照明器具の清掃、机、いす等の脚の清掃、窓ガラスのクリ―ニング、洗面所の換気口の徐じん、エレベ―タかご内部の洗浄、床のワックスかけ、廊下壁面のスポット洗浄、廊下壁面のスイッチ回りの洗剤拭き
よく出題されるのはライディングプレ―トの除じんとか出ますがライディングプレ―トとはエスカレ―タ―から降りたときに最初に降りる着地板のことで、これは日常清掃で行います。
問題144
建築物清掃の作業計画を作成することによる利点に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 日常清掃で除去する汚れと、定期的に除去する汚れを区別して計画することにより、作業効率と作業成果の向上が得られる。
- 清掃現場の状況に応じて作業者が計画を変更して作業を実施することで、限られた時間に一定の成果を得られる。
- 作業内容が明確化されているため、統一的な指導ができる。
- 作業者及び作業内容の計画的な管理と記録の保存により、責任所在が明確になる。
- 実施内容をデータとして蓄積して作業を改善することで、効率化のための作業改善が得られる。
答え【2】
清掃現場の状況に応じて作業者が計画を変更して作業を実施することは、ときには必要である。しかし、作業計画作成の利点は、計画的に作業を実施することによって、限られた時間に一定の成果を得られることである。
問題145
建築物清掃の資機材保管庫に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 照明設備、空気調和設備等を設けるとともに、衛生面にも配慮して手洗場などを設ける。
- 清掃作業を効率的に進めるには、建築物の規模に見合った専用の資機材保管庫が必要である。
- 設置位置は、エレベーターなどに近く、資機材の移動が容易に行える場所とする。
- 資機材の保管のしやすさを考慮し、建築物の規模・形態に関わらず、資機材保管庫は1箇所に集約する。
- 床や壁面を不浸透性材料にする。
答え【4】
資機材の保管庫は、建築物の規模・形態に応じて、1か所にに集約するか、または複数個所に設ける必要がある。