令和5年度給水及び排水の管理「過去問題解説3」
問題116
給水設備に使用される配管に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 循環式給湯設備の下向き配管方式における給湯横主管は、下り勾配とする。
- 耐熱性硬質ポリ塩化ビニル管の線膨張係数は、ポリブテン管の線膨張係数より大きい。
- 自然循環方式は、配管形状が複雑な中央式給湯設備には適さない。
- 返湯管の管径は、給湯循環ポンプの循環量から決定するが、一般には給湯管の管径の半分程度である。
- 局所給湯方式において、加熱装置から給湯箇所までの距離が短い場合は、単管式で配管する。
答え【2】
耐熱性硬質ポリ塩化ビニル管の線膨張係数は0.00006~0.00008でポリブテン管の線膨張係数は0.00012~0.0015でポリブテン管の方が大きい。問題117
給湯設備の省エネルギーに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 部分負荷を考慮し、エネルギー利用効率の高い熱源機器を採用する。
- エネルギーと水の節約を図るため、湯と水を別々の水栓から出さずに混合水栓を使用する。
- 配管経路を短縮する。
- 中央式給湯方式の循環ポンプは、連続運転とせず、給湯管(往き管)の温度が低下した場合に作動する。
- 排水からの熱回収をする場合、熱交換器の腐食などによる湯の汚染を防止するために間接熱交換方式とする。
答え【4】
中央式給湯方式では、循環ポンプを設けるが、省エネルギーのためにはポンプを連続運転するより、返湯管に水用サーモスタットを設けて給湯管の温度が低下したら運転するようにする。問題118
給湯設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- スリーブ形伸縮管継手は、伸縮の吸収量が最大200mm程度である。
- 中央式給湯設備の末端給湯温度は、ピーク使用時においても55℃以上とする。
- 事務所用途の建築物における1日当たりの設計給湯量は、30L/人程度である。
- 耐熱性硬質塩化ビニルライニング鋼管の使用温度は、85℃以下とする。
- ガス瞬間湯沸器の能力表示で1号とは、流量1L/minの水の温度を25℃上昇させる能力である。
答え【3】
事務所用途の建築物における1日当たりの設計給湯量は、7~10L/人程度である。問題119
給湯設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 密閉式膨張水槽を設ける場合には、逃し弁を設ける。
- 加熱装置から逃がし管を立ち上げる場合は、水を供給する高置水槽の水面よりも高く立ち上げる。
- 給湯量を均等に循環させるため、返湯管に定流量弁を設ける。
- SUS444製の貯湯槽は、腐食を防止するために電気防食を施す。
- 配管内の空気や水が容易に抜けるように、凹凸配管としない。
答え【4】
SUS444製の貯湯槽は、腐食を防止するために電気防食を施してはならない。問題120
給湯設備の循環ポンプに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- ポンプは、背圧に耐えるものを選定する。
- ポンプの循環流量は、加熱装置における給湯温度と返湯温度との温度差に比例する。
- ポンプの揚程は、循環管路系で最も大きくなる管路における摩擦抵抗・局部抵抗による圧力損失から決定する。
- ポンプには、接液部をステンレス鋼製としたものが多く使用されている。
- ポンプで脈動による騒音・振動が発生した場合の対応として、ポンプの吐出し側にサイレンサなどを設置する。
答え【2】
ポンプの循環流量は、加熱装置における給湯温度と返湯温度との温度差に反比例する。