令和5年度建築物の構造概論「過去問題解説2」
問題96
建築材料と部材の性質に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- コンクリートの混和剤には、フライアッシュ、高炉スラグ、シリカヒューム等がある。
- 単板積層材(LVL)は、、主に柱や梁に用いられる。
- 一般に、コンクリートのひび割れ幅が0.1~0.2mm以上になると鉄筋の腐食が著しくなる。
- 鋼材は等方性材料である。
- 木材の含水率は、水分を含んでいる木材の質量の、絶乾質量に対する割合をいう。
答え【5】
木材の含水率は、水分を含んだ木材の重量と全乾状態まで乾かしたときの重量の差を出し、全乾状態時の重量で割った値である。問題97
建築物の電気設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 実効値100Vの交流電圧は、ピーク時の電圧が約140Vである。
- 受変電設備の変圧器容量は、建築物内部の電気設備の負荷の合計値以上とするのが一般的である。
- 電線の配電距離が長くなると、電圧の低下を招く。
- 磁束密度は、電流の強さとコイルの巻き数との積に比例する。
- 建築物の設備機器の動力は、三相誘導電動機を多く利用している。
答え【2】
受変電設備の変圧器容量は、建築物内部の電気設備の負荷合計に利用率を乗じて求めます。問題98
建築設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- LPガス容器は一般的に鋼板製のものが多く、高圧ガス保安法に基づく検査合格刻印がされたもの等でなければ使用できない。
- エスカレーターの公称輸送能力は、定格速度と踏段幅により決定される。
- 受変電設備とは、電力会社から送電された高圧電力を受電し、所定の電圧を下げて建物内で安全に利用できるようにする設備である。
- 非常用エレベーターを複数設置する場合は、まとまった位置に設けるのがよい。
- エレベーターの安全装置は、建築基準法により定められている。
答え【4】
非常用エレベーターを複数設置する場合は、避難上及び消火上有効な間隔を保って配置しなければならない。問題99
建築設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 自動火災報知設備は、主に感知器、受信機、非常ベルなどで構成される。
- 避雷設備は、高さ18mを超える建築物に設置が義務付けられている。
- 建築基準法により、高さ31mを超える建築物(政令で定めるものを除く。)には、非常用の昇降機を設けなければならない。
- 勾配が30度を超え35度以下のエスカレーターの定格速度は、30min以下とされている。
- 非常用照明装置は、停電を伴った災害発生時に居住者や利用者を安全に避難させるための設備である。
答え【2】
避雷設備は、高さ20mを超える建築物に設置が義務付けられている。問題100
火災性状に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- フラッシュオーバーは、着火源から部屋全体に急速に燃焼拡大する現象である。
- 火災時に階段等の竪穴区画に煙が入った場合、煙突効果によって上階へ急速な煙の伝播を招くおそれがある。
- 減光係数は、煙の有毒性の定量的評価に用いられる指標である。
- 火災時に室内の上部に形成される高温度の煙層は、火勢の拡大を促進させる要因の一つである。
- プルームは、火源の上方に形成される燃焼反応を伴わない熱気流のことである。
答え【3】
減光係数は、煙の濃度を定量的に示す指標である。