令和5年度空気環境の調整「過去問題解説1」
問題46
次の用語とその単位との組合わせとして、誤っているものはどれか。
- 絶対湿度――――――kg/kg(DA)
- 熱貫流抵抗―――――m2・K/W
- 輝度――――――――cd/m2
- 音響透過損失――――dB
- 比熱――――――――kJ/kg(DA)
答え【5】
比熱とは、1g当たりの物質の温度を1℃上げるのに必要な熱量のことです。単位はkJ/kg・K)である。問題47
下の図のようなA部材とB部材からなる外壁がある。いま、A部材とB部材の厚みと熱伝導率がそれぞれ14cmと1.4W/(m・K)、5cmと0.2W/(m・K)であり、室内側熱伝達率と屋外側熱伝達率がそれぞれ10W/(m2・K)、20W/(m2・K)であるとする。室内と室外の温度差が20℃であるとき、この外壁の単位面積当たりの熱流量として、正しいものは次のうちどれか。
- 0.7W/m2
- 1.4W/m2
- 10W/m2
- 40W/m2
- 56W/m2
答え【4】
q:外壁の単位面積当たりの熱流量[W/m2]R:熱貫流抵抗[(m2・K)/W]
とすると以下の式が成り立ちます。 題意より、室内と屋外の温度差が20℃であることから
q x R=20[K]
熱伝導抵抗は、熱伝導率の逆数なので
問題48
湿り空気に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 絶対湿度が一定の状態で、温度が上昇すると相対湿度は低下する。
- 相対湿度が同じ湿り空気では、温度が高い方が比エンタルピーは高い。
- 乾球温度は同じ湿り空気では、絶対湿度が高い方が水蒸気圧は高い。
- 露点温度における湿り空気では、乾球温度と湿球温度は等しい。
- 比エンタルピーが同じ湿り空気では、温度が高い方が絶対湿度は高い。
答え【5】
比エンタルピーが等しい湿り空気において、温度が高い湿り空気の絶対湿度は、温度が低い湿り空気の絶対湿度よ理低い。- 平成29年問題47
問題49
熱移動に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 一般に、同一材料でも内部に水分を多く含むほど、熱伝導率は大きくなる。
- 固体内を流れる熱流は、局所的な温度勾配に熱伝導抵抗を乗じて求められる。
- 一般に、密度が大きい材料ほど、熱伝導率は大きくなる。
- 中空層の熱抵抗は、一定の厚さ(2~5cm)までは厚さが増すにつれて増大するが、それ以上ではほぼ一定である。
- ガラス繊維などの断熱材の熱伝導率が小さいのは、繊維材によって内部の空気の流動が阻害されるためである。
答え【2】
固体内を流れる熱流は、局所的な温度勾配に熱伝導率を(熱伝導抵抗の逆数)を乗じて求められる。
- 令和元年問題49
問題50
熱放射に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 同一温度の物体間での放射に関し、物体の放射率と吸収率は等しい。
- 物体表面の太陽放射の吸収率(日射吸収率)は、必ずしも放射率と等しくならない。
- 簡略化した放射熱伝達式では、放射熱伝達率が用いられる。
- 常温物体から射出される電磁波は、波長が10μm付近の赤外線が主体である。
- 温度が0℃の固体表面は、放射率に関わらず熱放射していない。
答え【5】
すべての物体は、表面温度と表面特性に応じた大きさ、波長の電磁波を射出し、他の物体から電磁波を吸収しており、その波長は10μm程度の赤外線が主体です。すなわち、温度0℃の固体表面からも熱放射する。