令和5年度建築物の環境衛生「過去問題解説5」
問題41
ヒトと水に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 一般成人における体内水分量は、体重の約60%である。
- 水分・体液のうち、細胞内液は約2/3である。
- 成人の場合、不可避尿として1日最低1L以上の尿排泄が必要である。
- 一般に、体重当たりの体内水分量は女性より男性の方が多い。
- 水分の欠乏率が体重の約2%になると、強い渇きを感じる。
答え【3】
成人の場合、不可避尿として1日最低0.4~0.5以上の尿排泄が必要である。- 血液成分の多くは水分である。
- 身体の中の水分である体液は体重の50~70%(体重50kgの人の水分はおよそ30kg前後)
- 幼若であるほど体内の水分の割合は高く、一般に女性の方が体内の水分量は少ない。加齢とともに、体内の水分量は少なくなる。
- 人が必要とする水分の量は普通1日約1.5Lで、体重当たりに換算すると小児は成人の3~4倍の水分量が必要
- 通常の食事及び水分摂取の状態で、成人が1日に排泄する尿の量は1~2Lである。
- 体内で生成された老廃物の排泄のため、成人では1日に最低0.4~0.5Lの尿が必要である。
- 体内における食物の代謝過程で生成される水は通常成人で1日約0.3Lである。
問題42
水系感染症の特徴に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 梅雨から夏に集中する。
- 初発患者の発生から数日で爆発的に増加する。
- 職業と関連する場合は少ない。
- 給水範囲に一致して発生し、その境界線が明確である。
- 一般に潜伏期間が長い。
答え【1】
水系感染症の特徴に関する問題も出題頻度も高くそれほど難しい問題は出題されませんので覚えましょう。
水系感染症は、季節に左右されずに発生する。水系感染症の特徴
- 患者の発生が給水範囲と重なる。
- 発生時期は季節に左右されることは少ない。
- 初発患者の発生から数日で爆発的に発生する。
- 一般に水で薄められるため、潜伏期間が長く、致死率は低い、軽傷例が多い。
- 患者の性別、職業、年齢等に無関係に発症する。
問題43
次の感染症のうち、ウイルスによって引き起こされるものはどれか。
- 発しんチフス
- カンジダ症
- マラリア
- 日本脳炎
- レプトスピラ症
答え【4】
日本脳炎は日本脳炎ウイルスによって引き起こされる。その他の選択枠の解答は以下になります。
- 発しんチフス:リケッチア
- カンジダ症:真菌
- マラリア:原虫
- レプトスピラ症:スピロヘータ
問題44
感染症法により、全数把握が必要とされる感染症は次のうちどれか。
- ヘルパンギーナ
- A型肝炎
- 季節性インフルエンザ
- 手足口病
- マイコプラズマ肺炎
答え【2】
A型肝炎は第四類感染症で、感染症法では全数把握が必要とされる。問題45
5%溶液の次亜塩素酸ナトリウムを水で希釈して200mg/Lの濃度の溶液を10L作る場合、必要となる5%溶液の量として、最も近いものは次のうちどれか。
- 0.4mL
- 2mL
- 4mL
- 20mL
- 40mL
答え【5】
200mg/Lの溶液10Lに含まれる次亜塩素酸ナトリウムの量は200[mg/L] x 10[L] = 2000[mg]=2[g]
必要となる5%溶液の量は
2[g] ÷ 0.05=40[g]
ここで
溶液1gは1mLなので
40[g]=40[mL]
になります。