令和4年度空気環境の調整「過去問題解説8」
問題81
空気調和・換気設備の維持管理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 異常の兆候は、それ自体を測定することは難しく、振動などのパラメータから推定する。
- 予防保全とは、故障発生時に、他の部分への影響を防止するため、当該部分を速やかに修復する方法である。
- 熱源設備は重要機器として、点検レベルを高く設定する。
- 点検業務は、法定点検業務及び設備機能維持のために行われる任意点検業務に区分される。
- 空気調和・換気設備のリニュアールまでの使用期間は20~30年となる場合が多い。
答え【2】
(2)が誤りです。予防保全は、メーカの基準や過去の経験から、故障発生時期を事前に決め、劣化部分を保全計画に組み入れて、故障発生前に計画的に 修理、交換する方法である。また、日常の点検、整備および運転状態の分析により、故障の兆候が出た段階で行う予知保全といった方法もある。
問題82
空気調和・換気設備に関する維持管理上の問題と考えられる原因との組合せとして、最も不適当なものはどれか。
- 冷却水系統のスケール発生――――――冷却水の過剰な濃縮
- 全熱交換器の効率低下――――――――熱交換エレメントの目詰まり
- 冬季暖房時の室内相対湿度の低下―――高い室内温度設定
- 夏季冷房時の室内温度の上昇―――――外気量の低下
- 室内空気質の低下――――――――――ダクト内部の汚れ
答え【4】
夏季冷房時の室内温度の上昇―――――外気量の低下
の組合せが誤りです。
夏季冷房時の室内温度の上昇―――――外気量の増加
冷房時に暖かい(30℃前後)の外気を室内に入れると室内温度は上昇します。
問題83
音と振動に関する用語とその定義との組合せとして、最も不適当なものはどれか。
- 暗騒音―――――ある騒音環境下で、対象とする特定の音以外の音の総称
- 吸音――――――壁などで音を遮断して、透過する音のエネルギーを小さくすること。
- 騒音レベル―――人間の聴覚の周波数特性で補正した、騒音の大きさを表す尺度
- 音の強さ――――音の進行方向に対して、垂直な単位面積を単位時間に通過する音のエネルギー
- 時間率レベル――あるレベル以上の振動に曝露される時間の、観測時間内に占める割合
答え【2】
吸音とは壁や天井での音の反射波を吸収して反響を防ぐこと。壁などで音を遮断して、透過する音のエネルギーを小さくすること。は遮音の説明になります。
問題84
振動と遮音に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 固体伝搬音問題には振動が関与する。
- 対象振動が正弦波の場合、振動加速度の実効値は、加速度の最大振幅の1/√2で求められる。
- コインシデンス効果が生じると、壁体の透過損失は減少する。
- 建築物内で感じる道路交通による振動は、不規則で変動も大きい。
- 空気調和設備による振動は、間欠かつ非周期的に発生する。
答え【5】
空気調和機による振動は、定常的で変動が小さい。
人の歩行による振動は、間欠かつ非周期的に発生する。
問題85
音圧レベル80dBの音源室と面積10m2、音響透過損失20dBの隔壁で仕切られた、等価吸音面積(吸音力)が20m2の受音室の平均音圧レベルとして、最も近いものは次のうちどれか。
なお、音源室と受音室の音圧レベルには以下の関係がある。
ただし、L1、L2は音源室、受音室の平均音圧レベル[dB]、A2は受音室の等価吸音面積[m2]、Swは音の透過する隔壁の面積[m2]、TLは隔壁の音響透過損失[dB]を表す。
log102=0.3010、log103=0.4771とする。
- 50dB
- 54dB
- 57dB
- 60dB
- 63dB
今回求めるのが
受音室の平均音圧レベル:L2です。
- L1:音源室の平均音圧レベル=80dB
- A2:受音室の等価吸音面積[m2]=20[m2]
- Sw:音の透過する隔壁の面積[m2]=10[m2]
- TL:隔壁の音響透過損失[dB]=20[dB]
となり約57[dB]
になります。
この問題はlog102=0.3010、log103=0.4771
とかあり難しく思われがちですがそのまま数字を代入するだけなので落ち着いて解いていけば難しくないと思います。
答え【3】