令和4年度空気環境の調整「過去問題解説2」
問題51
空気の流動に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 円形ダクトの圧力損失は、ダクト直径に反比例する。
- ダクトの形状変化に伴う圧力損失は、風速の2乗に比例する。
- 合流、分岐のないダクト中を流れる気流の速度は、断面積に比例する。
- 開口部を通過する風量は、開口部前後の圧力差の平方根に比例する。
- レイノルズ数は、慣性力の粘性力に対する比を表す無次元数である。
答え【3】
(3)は合流、分岐のないダクト中を進む気流の速度は、断面積に反比例する。問題52
流体の基礎に関する次の文章の[ ]内に入る語句の組合せとして、正しいものはどれか。
摩擦のないダクト中を進む流れを考え、流れの上流側にA断面、下流側にB断面をとる。ダクト内の流管の二つの断面A、Bにおける流れの力学的エネルギーの保存を仮定すると次のようなベルヌーイの定理を表す式が得られる。
ただし、ρ:密度、a:「 ア 」、b:「 イ 」、g:重力加速度、c:「 ウ 」とする。
- (ア)速度―――(イ)静圧―――(ウ)高さ
- (ア)速度―――(イ)動圧―――(ウ)高さ
- (ア)高さ―――(イ)静圧―――(ウ)速度
- (ア)静圧―――(イ)高さ―――(ウ)速度
- (ア)動圧―――(イ)高さ―――(ウ)速度
答え【1】
この式は、[ ベルヌ―イの定理 ]と呼ばれ、各辺の第一項を[ 動圧 ]、第二項を[ 静圧 ]、第三項を位置圧と呼ぶ。
ただし、ρ:密度、U:速度、P:圧力、g:重力加速度、h:高さ。
問題53
建築物環境衛生管理基準及びそれに関連する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 建築物衛生法による気流の管理基準値は、0.5m/s以下である。
- 空気環境管理項目の中で、気流は不適率が高い項目の一つである。
- 極端な低気流状態は好ましくなく、ある程度の気流は確保すべきである。
- 冷房期における節電対策などで、居室内に扇風機を設置することで、局所的に気流の基準値を超えることがある。
- 気流の改善方法に、間仕切りの設置や吹出口風量のバランス調整がある。
答え【2】
気流に関する問題ですが(2)の気流は不適率が低い項目になります。
(4)の扇風機等の設置付近や空調機の吹出口付近での測定で局所的に気流の基準値を超えることがありますが今現在の建築物ではそこまで気流が発生することはありません。
問題54
換気に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 混合方式は、室内に供給する清浄空気と室内空気を十分に混合・希釈する方式である。
- 一方向方式は、清浄空気をピストンのように一方向の流れとなるように室内に供給し、排気口へ押し出す方式である。
- 第2種換気は、自然給気口と機械排気による換気である。
- 局所換気は、汚染物質が発生する場所を局所的に換気する方法である。
- 機械換気は、自然換気に比べて適切な換気を計画することが容易である。
答え【3】
(3)は第3種換気方式です。主にトイレ等での換気になります。
第2種換気は機械給気と自然排気の換気になります。
機械換気
機械換気は第一種機械換気、第二種機械換気、第三種機械換気に分けられます。その使用目的に合わせて換気することができます。
第一種機械換気
第二種機械換気
第三種機械換気
問題55
室内における空気汚染物質に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 一酸化炭素の建築物内での発生源は、燃焼器具、たばこ等である。
- 二酸化炭素の建築物内での発生源は、人の活動(呼吸)、燃焼器具等である。
- 浮遊粉じんの建築物内での発生源は、人の活動などである。
- ホルムアルデヒドの建築物内での発生源は、これを原料とした接着剤・複合フローリング、合板等である。
- オゾンの建築物内での発生源は、洗剤、クリーナ等である。
答え【5】
オゾンの建築物内での発生源は、高電圧を利用したコピ―機、レ―ザ―プリンタ―、コロナ放電を伴う静電式空気清浄機である。