令和4年度給水及び排水の管理「過去問題解説5」
問題126
排水再利用設備として用いられる膜分離活性汚泥処理装置に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 分離膜としては、、主に精密ろ過膜(MF)が用いられる。
- 膜モジュールを生物処理槽内に侵潰した、槽内侵潰型が一般的である。
- 膜分離活性汚泥処理装置の後段に沈殿槽を設ける。
- 処理水は消毒が必要である。
- 透過水量の低下を防止するため、定期的に膜の洗浄を行う。
答え【3】
通常の排水再利用設備としては、活性汚泥法による処理が一般的です。従来の活性汚泥法は、曝気処理槽内の微生物と処理水を固液分離するために沈殿槽を設置し沈降分離させていました。
しかし膜分離活性汚泥処理装置を用いた処理法では、微生物と処理水を直接固液分離するため沈殿槽が不要です。
したがって(3)の膜分離活性汚泥処理装置の後段に沈殿槽を設けないで消毒槽になります。
問題127
排水通気設備の機器と配管に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 雑排水ポンプは、厨房排水以外の雑排水を排除するのに用いる。
- 排水用硬質塩化ビニルライニング鋼管は、その接続に可とう継手を用いる。
- 防水床用の排水トラップには、水抜き孔が設置されている。
- 排水用耐火二層管は、繊維モルタルによる外管と架橋ポリエチレン管による内管の組合せからなる。
- 排水トラップが組み込まれていない阻集器には、その出口側に排水トラップを設ける。
答え【4】
排水用耐火二層管は、外層の繊維混入セメントモルタル管と、内層の硬質ポリ塩化ビニル管の二層構造からなる配管素材のことです。
問題128
排水通気配管に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 排水横枝管から通気管を取り出す場合、通気管を取り出す方向は、排水横枝管の断面の真上方向中心より45°以内とする。
- 器具排水管から各個通気管を取り出す場合、各個通気管は、トラップのウェアから管径の2倍以上離れた位置からとする。
- 排水横枝管からループ通気管を取り出す場合、ループ通気管は、最下流の器具排水管を排水横枝管に接続した位置のすぐ上流からとする。
- 排水立て管から通気立て管を取り出す場合、通気立て管は、排水立て管に接続されている最低位の排水横枝管より低い位置からとする。
- 通気管の末端を窓・換気口等の付近で大気に開放する場合、その上端は、窓・換気口の上端から600mm以上立ち上げて開口する。
答え【3】
(3)は、最上流の器具排水管を排水横枝管に接続した直後の下流側とする。問題129
排水通気設備に関する用語とその説明との組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。
- オフセット―――――排水立て管の配管経路を水平移動するため、エルボ又はベンド継手で構成されている移行部分をいう。
- ブランチ間隔――――排水立て管に接続している各階の排水横枝管又は排水横主管の間の垂直距離が2.5mを超える排水立て管の区間をいう。
- 排水口開放―――――間接排水管を一般の排水系統へ直結している水受け容器又は排水器具のあふれ縁より低い位置で開放することをいう。
- 結合通気管―――――排水立て管内の圧力変動を緩和するため、排水立て管から分岐して立ち上げ、通気立管に接続する逃し通気管をいう。
- インバートます―――底部に150mm程度の泥だまりを有し、土砂を堆積させ、下水道へそれが流出するのを防ぐ排水ますをいう。
答え【5】
(5)は雨水ます(泥だめ)の説明です。インバートますは、底部に溝(インバート)を持ち、固形物の滞留を防止する構造となっている。
排水ます
汚水用敷地排水管にはインバ―トますを、雨水用敷地排水管には泥だめますを設ける。
排水ますの設置場所
- 敷地排水管の直管が長い場所は管内径の120倍を超えない範囲に1箇所
- 勾配が著しく変化する箇所
- 敷地排水管の起点
- 排水管の合流及び方向変更箇所
- 点検清掃が必要な個所
雨水排水
- 雨水排水系統は、単独排水として屋外へ排出することを原則としている。
- 雨水排水管を合流式の敷地排水管に接続する場合は、トラップますを設け、ル―フドレンからの悪臭を防止する。
- 雨水横主管を合流式排水横主管に接続する場合は、どの排水立て管の接続点からも3m以上下流で接続する。
- 雨水ますの泥だめの深さは、150mm以上とする。
- 雨水ますの流入管と流出管の管低差は20mm程度とする。
問題130
排水通気設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 管径75mmの排水横管の最小勾配は、1/100である。
- 排水ポンプは、排水槽の吸込みピットの壁面から200mm以上離して設置する。
- 排水槽の底の勾配は、吸込みピットに向かって1/15以上1/10以下とする。
- 排水立て管のオフセット部の上下600mm以内には、排水横枝管を設けてはならない。
- 厨房用の口径100mmの排水管に設置する掃除口の口径は、75mmとする。
答え【5】
掃除口の大きさは、管径が100A以下の場合は配管と同一管径とし、100Aを超える場合は100mmより小さくしてはならない。
ただし、厨房配水管の場合は、管径と同径とする。