令和4年度給水及び排水の管理「過去問題解説3」
問題116
給水設備の保守管理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 貯水槽の清掃によって生じた汚泥などの廃棄物は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃棄物処理法」という。)、下水道法等の規定に基づき、適切に処理する。
- 防錆剤の注入及び管理に関する業務は、建築物衛生法に基づく建築物飲料水水質検査業の登録を受けた者が行わなければならない。
- 管更生工法で管内に合成樹脂ライニングを施す場合には、技術評価・審査証明を受けた工法を採用するのがよい。
- 残留塩素の測定は、一般にDPDを発色試験とした測定法により行う。
- 配管は、管の損傷、錆、腐食及び水漏れの有無を点検して、必要に応じて補修を行う。
答え【2】
防錆剤の注入及び管理に関する業務は、防錆剤管理責任者が行います。
防錆剤管理責任者の資格は特定建築物を含むすべての建築物において給水用防錆剤の注入及び管理に関する一切の業務を行うことが出来ます
問題117
給水設備の保守管理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 飲料用貯水槽の点検は、1か月に1回程度、定期に行う。
- 第2種圧力容器に該当する圧力水槽は、2年以内ごとに1回、定期自主点検を行う。
- 飲料用貯水槽の清掃の作業に従事する者は、おおむね6か月ごとに健康診断を受ける必要がある。
- 防錆剤を使用する場合は、定常時においては2か月以内ごとに1回、防錆剤の濃度の検査を行う。
- 給水栓における残留塩素の測定は、7日以内ごとに1回、定期に行う。
答え【2】
第2種圧力容器に該当する圧力水槽は、1年以内ごとに1回、定期自主点検を行う。
問題118
給湯設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 貯湯槽の容量は、ピーク時の必要容量の1~2時間分を目安とする。
- 集合住宅の設計用給湯量は、100L/(戸・日)程度である。
- 壁掛けシャワーの使用温度は、42℃程度である。
- 中央式給湯設備の給湯栓の給湯温度は、ピーク使用時においても55℃以上とする。
- ステンレス鋼管において単式の伸縮継手を用いる場合、その設置間隔は20m程度である。
答え【2】
集合住宅の設計用給湯量は150~300L/(戸・日)
です。
給湯量(年平均1日当たり)
事務所 | 7~10L/(人・日) |
総合病院 | 100~200L(L・床) |
ホテル客室 | 150~250L/(人・日) |
集合住宅 | 150~300L/(L・戸) |
軽食店 | 20~30L/(m2) |
レストラン | 40~80L/(m2) |
大浴場洗い場 | 50L/人 |
問題119
給湯設備における加熱装置とその説明との組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。
- ガスマルチ式給湯機―――小型のガス瞬間湯沸器を複数台連結したもので、主に業務用に利用される。
- 汽水混合装置――――――タンク内に挿入し、蒸気を直接、水に吹き込むことで温水を得るための装置。
- 貯蔵式湯沸器――――――貯蔵部が大気に開放されており、本体に取り付けられた給湯栓から飲用に適した高温湯が得られる。
- ヒートポンプ給湯機――― 一体型の集熱器と貯湯槽で構成され、その間で水を自然循環させ加温する。
- 給湯用貫流ボイラ――――温水を取り出す小型ボイラで、水管群により構成され耐圧性に優れている。
答え【4】
ヒートポンプ給湯機は、空気中にある大気熱と電気を利用してお湯を沸かす給湯器です。
問題120
給湯設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 配管中の湯に含まれている溶存空気を抜くためには、圧力の低いところに自動空気抜き弁を設置する。
- 加熱装置に逃し管を設置する場合は、水を供給する高置水槽の水面よりも高く立ち上げる。
- 密閉式膨張水槽を設ける場合は、逃し弁の設定圧力を膨張水槽にかかる給水圧力よりも低くする。
- 逃し管には、弁を設けてはならない。
- 循環ポンプの揚程は、循環回路系で最も長くなる配管系統の摩擦損失から決定する。
答え【3】
密閉式膨張水槽は給水設備における圧力水槽と同じで、密閉された水槽内の空気を圧縮して膨張量が水槽内に入る。密閉式膨張水槽を 設ける場合には、逃し弁も設けなければならないが、常時湯を逃し弁から逃げるのを避けるために、膨張水槽にかかる給水圧力よりも逃し弁の設定圧力を高くする。