令和4年度給水及び排水の管理「過去問題解説2」
問題111
給水設備の汚染に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 飲料水用貯水槽は、六面点検ができるように設置する。
- 貯水槽の水抜き管は、貯水槽の最も低い部分から取り出す。
- 給水配管から消火設備配管系統へ給水する場合は、吐水口空間を確保した消火用水槽を設置する。
- 大気圧式バキュームブレーカは、常時圧力がかかる配管部分に設置する。
- 大容量の貯水槽の場合は、槽内に迂回壁を設置して滞留水の発生を防止する。
答え【4】
(4)の大気圧式バキュームブレーカは、給水・給湯系統の逆サイホン作用を防止するために負圧部分へ自動的に空気を導入する機能をもち、常時圧力のかからない部分に設けるバキュームブレーカ。圧力のかかる部分には圧力式バキュームブレーカを設ける。
問題112
給水方式に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 高置水槽方式は、受水槽の水位によって揚水ポンプの起動・停止が行われる。
- 直結増圧方式における吸排気弁は、給水管内の空気の排出と給水管内が負圧になった場合の逆流防止のために設置する。
- ポンプ直送方式で採用されるインバータ制御は、周波数を変えることでポンプの回転数を変化させている。
- 給水方式は、水道直結方式と受水槽方式に大別される。
- 直結直圧方式では、配水管の圧力によって、直接給水各所に給水する。
答え【1】
(1)が誤りです。
高置水槽方式は、高置水槽の水位によって揚水ポンプの起動・停止が行われる。
基本的に高置水槽は屋上に設置されていることが多くその高置水槽に送水します。
問題113
給水設備の貯水槽に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- FRP製高置水槽は、槽内照度が100lx以上になると、光合成により藻類が繁殖しやすい。
- 木製貯水槽は、断熱性に優れているため結露対策が不要である。
- ステンレス鋼板製貯水槽は、気相部よりも液相部の腐食対策が必要である。
- FRP製貯水槽は、機械的強度が低いため耐震補強が必要である。
- 鋼板製貯水槽には、一体成型構造にエポキシ樹脂を焼き付けコーティングしたものがある。
答え【3】
(3)のステンレス鋼板製貯水槽は、外観もきれいで耐食性に優れているが、塩素に弱く気相部に腐食が発生することがある。
【備考】気相部とは水槽の水位面上部の空気が存在する部分のこと。
液相部とは水槽に水が浸かっている部分のこと。
問題114
受水槽の構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 流入管は、受水槽内部で水没させず吐水口空間を確保する。
- オーバーフロー管に設置する防虫網の有効開口面積は、オーバフロー管の断面積以上とする。
- 水抜き管は、オーバフロー管に接続させずに単独の配管とする。
- オーバーフロー水を受ける排水管の管径は、オーバフロー管より大きくする。
- 水抜き管の管末には、防虫網を設置する。
答え【5】
(5)が誤りです。
槽内の沈殿物が詰まる恐れがあるので、水抜き管の管末には防虫網は設けない。
問題115
給水設備に用いる弁類の説明として、最も不適当なものはどれか。
- 仕切弁――――――弁体が管路を垂直に仕切るように開閉する構造である。
- バタフライ弁―――円板状の弁体を回転させることで管路を開閉する構造である。
- 減圧弁――――――ダイヤフラムと調節ばねのバランスにより弁体の開度を調整する機構である。
- 定水位弁―――――副弁の開閉と連動して弁体を開閉させて水槽の水位を保持する機構である。
- 玉形弁――――――通路を開けた弁体を回転させて開閉する構造である。
答え【5】
(5)が誤りです。玉形弁はグローブバルブと呼ばれているもので、弁本体が球形状で、弁体は管路を塞ぐように閉める構造である。