令和4年度建築物の構造概論「過去問題解説3」
問題101
消火設備と設置場所との組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。
- 不活性ガス消火設備―――――――事務室
- 連結散水設備――――――――――地下街
- 泡消火設備―――――――――――地下駐車場
- 水道連結型スプリンクラ設備―――小規模社会福祉施設
- ハロゲン化物消火設備―――――――通信機器室
答え【1】
(1)が誤りです。
不活性ガス消火設備とは、火災発生時に二酸化炭素、窒素、IG-541、IG-55などのガスを防護区画内に噴射し、
酸素濃度を下げることで延焼を防ぎ、消火活動を行います。
美術館や博物館などで、消火の際に水や粉末の消火器等を使用してしまうと、
展示物の汚損の原因となるため、そういった場所では不活性ガス消火設備が使われます。
あと電気室や通信機器室、ボイラ室等に設置されることも多い。
問題102
地震対策に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- ガス用マイコンメータは、地震発生時に自動的にガスを遮断するガスメータである。
- 気象庁震度階級は、地震の揺れの強さを示す指標である。
- 大規模事務所では、地震被害の軽減のため、防火管理者の選任が義務付けられている。
- 感震ブレーカは、地震時に自動的に電気を遮断するブレーカである。
- Jアラートは、緊急の気象関係情報、有事関係情報を国から住民などへ伝達するシステムである。
答え【3】
(3)の防火管理者ですが防火といわれている通り防火に関する管理ですので地震被害の軽減のために設けられるものではありません。(3)は防災管理者が正しい。
平成20年の消防法施行令の一部改正により、大規模事業所における自衛消防組織の設置および防災管理者の選任等が定められ、従来の防火管理者と併せ防災管理者が新たに義務付けられました。
問題103
建築基準法において建築物の高さ制限に関する規定として、定められていないものは次のうちどれか
- 道路からの高さ制限
- 隣地境界からの高さ制限
- 北側からの高さ制限
- 日影による中高層建築物の高さ制限
- 相対高さ制限
答え【5】
相対高さ制限は含まれていません。
絶対高さ制限が正しい。
建築物の高さ制限
- 道路からの高さ制限
- 隣地境界からの高さ制限
- 北側からの高さ制限
- 日影による中高層建築物の高さ制限
- 絶対高さ制限
問題104
建築基準法及びその施行令に関する用語に該当する内容の組合せとして、正しいものは次のうちどれか。
-
「建築物」に該当 「特殊建築物」に該当 「構造耐力上主要な部分」に該当
- 建築物に付属する門――――――事務所―――柱
- 鉄道線路敷地内の跨線橋――――病院――――屋根
- 屋根のない観覧場―――――――学校――――基礎
- 駅舎のプラットホーム上家―――倉庫――――壁
- 地下工作物内の施設――――――共同住宅――床
答え【3,5】
この問題は正しいのが(3)(5)の2つありました。屋根のない観覧場―――――――学校――――基礎
地下工作物内の施設――――――共同住宅――床
問題105
建築物の管理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- エネルギー管理において日報・月報などによる使用状態の「見える化」は、PDCAサイクルを実現するために必要な機能である。
- ファシリティマネージメントとは、企業・団体等が組織活動のために施設とその環境を総合的に企画、管理、活用する経済活動のことである。
- 設備ライフサイクルとは、JISの生産管理用語によると「設備の製作、運用、保全」と定義されている。
- COP(成績係数)は、入力エネルギーに対して出力された熱量の割合を示し、1を超え得る。
- インターロックとは、誤操作や確認不足により不適正な手順による操作を防止する機能のことである。
答え【3】
(3)の設備ライフサイクルとは、「設備の計画,設計,製作,運用,保全をへて廃却又は再利用までを含めたすべての段階及び期間」のこと。