令和4年度建築物の構造概論「過去問題解説2」
問題96
鉄骨構造とその材料に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 鋼材の降状比は、引張強さの降状強さに対する割合をいう。
- 柱脚部と基礎は、支持条件により、ピン、半固定、固定等を選択して設計する。
- スタッドボルトは、鉄骨梁とコンクリートスラブを緊結するために使用する。
- 鉄骨構造の解体は、一般の鉄筋コンクリート構造より容易である。
- 高力ボルトの締付け長さは、接合される鋼板の板厚の総和をいう。
答え【1】
(1)引張強さと降伏強さの比率の関係を「降伏比」といい、降伏比=(降伏強さ/引張強さ)×100の式で表されます。問題97
仕上げ材料に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 合成高分子材料は、合成樹脂、合成ゴム、合成繊維に大別される。
- 断熱材料として用いるグラスウールは、熱伝導率の高い空気の特性を利用している。
- しっくいは、消石灰にのり、すさ、水を加えて練った左官材料である。
- アスファルトルーフィングは、合成繊維などの原板にアスファルトを含浸、被覆した材料である。
- せっこうボードは、耐火性に優れるが、水分や湿気に弱い。
答え【2】
グラスウールの熱伝導率は0.03~0.05(W/mK)で空気の熱伝導率の低さを利用しています。
できるだけ多くの空気の、対流が起こらないよう微少な体積に分けて含有することにより、高い断熱性を実現している。
問題98
建築生産に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- プレハブ工法は、工場で製作された部材を現場に搬入して組み立てる工法である。
- 建築基準法に基づく設計図書には、設計図、仕様書が含まれる。
- 軸組式構法は、木材や鋼材等の軸材で柱、梁等を組み、そこに面材を取り付けたものをいう。
- 施工管理は、設計図書のとおり工事が施工されているかを設計者が確認することであり、建築士法に定義されている。
- 型枠工事は、躯体工事に含まれる。
答え【4】
(4)が誤りです。「工事監理とは、その者の責任において、工事を設計図書と照合し、それが設計図書のとおりに実施されているかいないかを確認すること」と 定義し、建築士でなければ工事監理をしてはならない建築物について定めている。
施工管理は、契約図書に定められた建築物を適切な品質、価格、工期で安全に施工するために、施工者側が行う工事の計画および管理の行為。
問題99
エレベータ設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 小荷物専用昇降機設備は、荷物運搬専用の小規模リフトの総称である。
- ロープ式エレベーターは汎用性が高く、中高層、超高層建築物に多用されている。
- 非常用エレベータの設置義務は、消防法により定められている。
- 新築の建物では、機械室なしエレベータが普及している。
- エレベーターの安全装置には、制動装置がある。
答え【3】
(3)の非常用エレベータの設置義務は、建築基準法第34条第2項により定められている。問題100
答え【2】
(2)は消音ボックスです。