令和4年度建築物の環境衛生「過去問題解説1」
問題21
健康に影響を与える環境要因のうち、化学的要因として最も不適当なものは次のうちどれか。
- 酸素
- 粉じん
- オゾン
- し尿
- 放射線
答え【5】
放射線は物理的要因になります。
環境の構成要因
- 物理的要因
- 温度、湿度、気流、熱、光、音,気圧、放射線、超音波、振動など
- 化学的要因
- 空気、酸素、二酸化炭素、オゾン、一酸化炭素、硫黄酸化物、粉じん、水、し尿、廃棄物など
- 生物学的要因
- 植物、ウイルス、細菌、寄生虫、昆虫、ねずみ、動物、リケッチアなど
- 社会的要因
- 文化、教育、産業、経済、情報、交通、医療、福祉、行政、宗教など
問題22
細胞・組織・臓器・臓器系とその機能の説明との組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。
- 自律神経―――消化、呼吸、循環等の諸機能を調整する。
- 腎臓―――――血液の老廃物などをろ過して尿を生成する。
- 消化器系―――栄養や水を摂取・吸収して再合成と排泄を行う。
- 赤血球――――細菌などに対する生体防御作用をもつ。
- 内分泌系―――成長、発達、代謝をコントロールする。
答え【4】
(4)の説明は白血球の説明です。赤血球は酸素の運搬を行い、白血球は細菌等に対する生体防御反応に働く。血小板は止血に働く。
問題23
労働衛生に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 有害物の負荷量と個体レベルにおける障害などの程度の関係を、量―反応関係と呼ぶ。
- 最大許容濃度とは、作業中のどの時間をとっても曝露濃度がこの数値以下であれば、ほとんど全ての労働者に健康上の悪い影響が見られないと判断される濃度である。
- 許容濃度とは、労働者が1日8時間、週40時間程度、肉体的に激しくない労働強度で有害物質に暴露されても、ほとんどすべての労働者に健康上の悪い影響が見られないと判断される濃度である。
- 許容限界とは、生物が耐えきれなくなるストレス強度の限界のことである。
- 一般の事務所における環境の基準は、労働安全衛生法に基づく事務所衛生基準規則により定められている。
答え【1】
- 集団の反応率と有害物への曝露量との関係を、量-反応関係という。
- 個体への影響と有害物への曝露量との関係を、量-影響関係という。
問題24
温熱環境指数に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 予測平均温冷感申告は、気温、湿度、風速、平均放射温度、エネルギー代謝量、着衣量の6つの温熱環境要素を用いて評価する。
- 不快指数は、気温と湿球温度、又は気温と相対湿度から算出される。
- 黒球(グローブ)温度は、銅製の黒球の中心温を測定したものである。
- 有効温度は、気温、湿度、風速、熱放射の4要素の影響を含んだ温熱環境の指標である。
- 湿球黒球温度(WBGT)は、暑さ指数として熱中症予防のために用いられている。
答え【4】
有効温度とは、空気の①乾球温度、②湿球温度、③風速の三つの要素の組合せによる総合的な効果が人体に及ぼす実感的な温度をいいます。有効温度は湿度100%で無風の部屋の気温を基準とする。
熱放射の影響を入れようとしたものが修正有効温度である。
問題25
エネルギー代謝に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 基礎代謝とは、早朝覚醒後の空腹時仰臥の姿勢におけるエネルギー代謝のことである。
- 睡眠時代謝量は、基礎代謝量より高い。
- 安静時代謝量は、基礎代謝量よりおよそ20%高い。
- 熱産生は、主に摂取した食物の代謝による化学的エネルギーに由来する。
- 体温は、熱産生と熱放射のバランスにより一定に保たれている。
答え【2】
この問題も出題頻度が高い問題です。
一般に、安静時代謝量は基礎代謝のおよそ20%増で、睡眠時では基礎代謝量の約95%程度とされています。
従って(2)は
睡眠時代謝量は、基礎代謝量より低いです。