令和2年度ねずみ・昆虫等の防除「過去問題解説3」
問題176
殺虫剤・殺鼠剤に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 昆虫体内の加水分解酵素などが、殺虫剤の解毒に関わっている。
- 殺鼠剤の安全性は、毒性の内容や強弱、摂取量、摂取時間によって決まる。
- 殺鼠剤の多くは、選択毒性が低く、ヒトに対しても毒性を示す。
- 殺鼠剤には、劇薬、毒薬に該当する製剤がある。
- 薬剤を実験動物に投与して求めたLD50値は、殺虫剤の急性毒性の評価基準となる。
答え【4】
(4)の殺鼠剤には、劇薬、毒薬に該当する製剤がありません。すべて普通薬に該当します。
後の選択枠も重要です。
問題177
防虫・防鼠構造や防除に用いる機器に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
- 通常16メッシュの網目であれば、蚊、コバエ等、多くの昆虫の侵入を防止できる。
- 光源がナトリウム灯の場合は、白熱灯に比べて昆虫類を誘引しやすいことが知られている。
- ミスト機は、100~400μm程度の粒子の薬剤を、ゴキブリなどの生息場所に散布する場合に使用する。
- 食品取扱場所やその周辺では、毒餌や圧殺式トラップは、施錠可能な毒餌箱に入れて設置する。
- 噴霧機は、殺虫剤などに熱を加えないで、送風装置とノズル先端の衝突板で20~100μm程度の粒子を噴射する機器である。
答え【4】
(1)は通常20メッシュの網目であれば、蚊、コバエ等、多くの昆虫の侵入を防止できる。(2)白熱灯による照明は、ナトリウム灯による照明に比べて、昆虫類を誘引しやすい。
(3)のミスト機は、汚水槽、雑排水槽等の蚊やチョウバエ(コバエ)の成虫の防除に使用されるもので、20~100μm程度の粒子を噴射する。
(5)の噴霧機は、薬剤を100~400μm前後の粒子にして、均一に噴射する機器をいいます。
つまり
- 20メッシュ=25.4mm ÷ 20=1.27mm
- 16メッシュ=25.4mm ÷ 16=1.58mm
問題178
殺虫剤の処理や保管に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 乳剤や油剤等には、消防法に定める第四類危険物のうち、第一石油類に該当するものが多い。
- 有機溶剤系の薬剤を取り扱う場合には、耐有機溶剤性のゴム手袋を用いる。
- 建築物環境衛生管理基準に従って衛生害虫の防除を行う場合は、医薬品又は医薬部外品を使用しなければならない。
- 殺虫剤の処理によって、煙感知器が作動することがある。
- 殺虫剤散布を行う場合は、散布前後とも3日間は、当該区域の入口に殺虫剤の種類、散布方法等を掲示するなどして、その旨を周知する必要がある。
答え【1】
(1)は乳剤や油剤等には、消防法に定める第四類危険物のうち、第2石油類に該当するものが多い。乳剤や油剤を200L以上保管する場合は、消防法に基づく少量危険物倉庫の届出が必要となる。
問題179
ねずみ・昆虫等の防除に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- ベストコントロ―ルには、ベクタ―コントロ―ルとニュ―サンスコントロ―ルの二つの側面がある。
- 防除は、発生時対策より発生予防対策に重点を置いて実施する。
- IPM(総合的有害生物管理)による、ねずみ・昆虫等の対策に当たって設定される維持管理水準値は、該当建築物又は該当場所ごとに設定することができる。
- ねずみ・昆虫等に対する対策を行った場合は、対象生物の密度調査などにより、その効果について客観性のある評価を行う。
- IPM(総合的有害生物管理)における「措置水準」とは、放置すると今後問題になる可能性がある状況をいう。
答え【5】
(5)の「措置水準」とは、ねずみや害虫の発生や目標をすることが多く、すぐに防除作業が必要な状況をいう。防除の標準的な目標水準
許容水準 | 環境衛生上、良好な状態をいう。施行規則および告示に基づき、 6ヵ月以内に一度、発生の多い場所では2ヵ月以内に一度、定期的に調査を継続する。 |
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警戒水準 | 放置すると今後、問題になる可能性がある状況をいう。 |
措置水準 | ねずみや害虫の発生や目標をすることが多く、すぐに防除作業が必要な状況をいう。 |
許容水準:以下のすべてに該当すること。
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警戒水準:以下のすべてに該当すること。
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措置水準:以下の状況のいずれか一つ以上に該当する。
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問題180
害虫や薬剤に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 害虫の薬剤に対する抵抗性の発達を抑制するために、作用機構の異なる薬剤のロ―テ―ション処理を行う。
- 有機塩素系の殺虫成分を含有する製剤が、ハエ類の駆除に用いられている。
- 炭酸ガス製剤は、有機溶剤に溶解させた有効成分を液化炭酸ガスと混合した製剤である。
- 昆虫等に対する不快感の程度は、第三者による客観的な判断が困難である。
- メイガ類の幼虫は、小麦粉で作られた菓子を加害することがある。
答え【3】
(3)の炭酸ガス製剤とは、フェノトリンなどのピレスロイド剤を液化炭酸ガスに溶解し、ボンベに封入した製剤で、専用の噴射装置を必要とするが、粒子径が細かく、ULV的な処理が行える。買い物は楽天市場