令和2年度清掃「過去問題解説5」
問題161
事務所建築物から厨芥が1日当たり0.25m3排出されており、その質量は全廃棄物質量の5%を占めている。いま、全廃棄物質量を1日当たり2.4tとすると、厨芥の単位容積質量値(kg/m3)として、正しいものは次のうちどれか。
- 30kg/m3
- 120kg/m3
- 300kg/m3
- 480kg/m3
- 600kg/m3
答え【4】
まず2.4t=2400kgです。それの5%を占めているので
2400 x 0.05= 120kg
になります。
120 ÷0.25 =480kg/m3
になります。
問題162
建築物内廃棄物に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
- 家庭から排出される廃棄物より、事務所建築物から排出される廃棄物の方が、単位容積質量値は大きい。
- 厨芥とは、紙くずと雑芥を混合したものである。
- 感染性廃棄物は、長時間の保管を考慮して保管場所を決める。
- 建築物内に診療所がある場合は、建築物所有者が特別管理産業廃棄物管理責任者を置かなければならない。
- 紙くず類の収集は、一般にカンバス製のコレクタが用いられる。
答え【5】
正しいのは(5)です。(1)は事務所建築物から排出される廃棄物より、家庭から排出される廃棄物の方が、単位容積質量値は大きい。
これは、やはり事務所建築物の主な廃棄物は書類等なので紙類です。
家庭は生活環境なので家庭から排出される廃棄物の方が、単位容積質量値は大きくなります。
(2)厨芥とは、台所から出る野菜のくずや食べ物の残りなどのごみのことです。
(3)の感染性廃棄物は、長時間保管してはいけない。
(4)は建築物所有者ではなく診療所側(クリニック)が特別管理産業廃棄物管理責任者を置かなければならない。
問題163
建築物内廃棄物の各関係者の基本的役割に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 国・地方公共団体は、廃棄物に関する教育・啓蒙を行う。
- ビルメンテナンス事業者は、建築物内廃棄物の管理責任者を選任する。
- 建築物内廃棄物処理業者は、廃棄物の減容化に努める。
- 建築物維持管理権原者は、建築物内廃棄物の処理に必要な容器、集積場所、保管場所等を適切に準備する。
- ビルメンテナンス事業者は、建築物内廃棄物の収集・運搬・処理・保管を実施する。
答え【2】
(2)が誤りです。あくまでも建築物内廃棄物の管理責任者を選任しなければいけないのは建築物の建築物維持管理権原者又は所有者側です。
後の選択枠も重要です。
問題164
建築物内廃棄物の貯留・搬出方式に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 容器方式は、コンパクタ・コンテナ方式より貯留・搬出の作業性に優れている。
- 真空輸送方式は、輸送管によって空気搬送する方式である。
- コンパクタ・コンテナ方式は、大規模建築物に適している。
- 貯留・搬出方式は、真空収集方式より初期コストがかからない。
- コンパクタ・コンテナ方式は、容器方式よりランニングコストが少ない。
答え【1】
(1)の容器式は、ごみをポリバケツ、小型コンテナ等の容器に貯留し、機械式収集車に人力で積み替え、搬出する。従って作業性に劣る。
容器方式
ごみをポリバケツ、小型コンテナ等の容器に貯留し、機械式収集車に人力で積み替え、搬出する。
- 初期コスト・・・・・・・・◎
- ランニングコスト・・・・・△
- 所要人員・・・・・・・・・X
- 衛生性・・・・・・・・・・△
- 防災性・・・・・・・・・・△
- 作業性・・・・・・・・・・X
- 設置スペ―ス・・・・・・・X
貯留搬出機方式
スクリュ―またはドラムの回転によって、ごみを圧縮貯留し、機械式収集車に自動的に積み替え、搬出する。
- 初期コスト・・・・・・・・〇
- ランニングコスト・・・・・〇
- 所要人員・・・・・・・・・〇
- 衛生性・・・・・・・・・・〇
- 防災性・・・・・・・・・・◎
- 作業性・・・・・・・・・・〇
- 設置スペ―ス・・・・・・・〇
コンパクタ・コンテナ方式
ごみ収集車(コンパクタ)によってコンテナ内にごみを圧縮貯留し、コンテナごとコンテナ脱着装置付トラックによって搬出する。
- 初期コスト・・・・・・・・△
- ランニングコスト・・・・・◎
- 所要人員・・・・・・・・・〇
- 衛生性・・・・・・・・・・◎
- 防災性・・・・・・・・・・◎
- 作業性・・・・・・・・・・◎
- 設置スペ―ス・・・・・・・◎
真空輸送方式
ダストシュ―トの底部に設けられている貯留排出機にごみを貯留し、集じんステ―ションに接続された輸送管によって自動的に搬出する。
- 初期コスト・・・・・・・・X
- ランニングコスト・・・・・△
- 所要人員・・・・・・・・・◎
- 衛生性・・・・・・・・・・◎
- 防災性・・・・・・・・・・△
- 作業性・・・・・・・・・・◎
- 設置スペ―ス・・・・・・・〇
問題165
建築物内廃棄物の中間処理に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
- 破砕機は、プラスチック類の粉砕に用いられる。
- シュレッダは、新聞紙の切断に用いられる。
- 冷蔵庫は、厨芥類の保管に用いられる。
- 梱包機は、缶類の圧縮に用いられる。
- 圧縮装置は、段ボ―ルの保管場所の確保のために用いられる。
答え【3】
(1)のプラスチック類には圧縮機が用いられる。(2)の新聞紙には梱包機が用いられる。
(4)の缶の圧縮には圧縮装置が用いられる。
(5)の圧縮装置は段ボ―ルの保管場所の確保のために用いられるものではなく
缶類を圧縮するのに用いられる。
圧縮装置には、缶類の処理方法として、自動的にスチ―ム缶やアルミ缶を分けて圧縮しブロック状にする方式のものなどがある。
廃棄物の種類 | 処理 | 処理設備 |
---|---|---|
新聞・雑誌 | 梱包 | 梱包機 |
缶 | 破砕、圧縮 | 破砕機、圧縮機 |
雑芥、紙 | 梱包、切断、圧縮 | 圧縮機(コンパクタ)、梱包機、切断機(シュレッダ) |
プラスチック | 破砕、溶融 | 破砕機、圧縮機、梱包機 |
ビン | 破砕 | 破砕機 |
ちゅう芥 | 冷蔵、脱水、粉砕 | 冷蔵庫、脱水機、粉砕機 |
発泡スチロ―ル | 溶融固化、圧縮 | 熱溶融固化装置 |
注射器 | 減菌 | 減菌装置 |
買い物は楽天市場