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令和1年度建築物の構造概論「過去問題解説2」

問題96

建築物の荷重又は構造力学に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 床の構造計算をする場合の積載荷重は、地震力を計算する場合の積載荷重より大きく設定されている。
  2. 土圧や水圧は、常時荷重に分類されている。
  3. 反力は、建築物に荷重が作用した場合、作用荷重に対応して支点に生じる力である。
  4. せん断力は、部材内の任意の面に作用して、面をずれさせるように作用する力である。
  5. 等分布荷重の作用による片持支持梁のせん断力は、梁中央で最も大きい。


解説

答え【5】

片持ち支持梁

片持ち梁とは、1点を固定端とし他端を自由端とした梁です。
それに等分布荷重を加えると(梁全体に同じ程度の重りを加える)と、せん断力は梁の根本部分で最も大きくなり梁の先端で最も小さくなる。
なぜ根元部分で大きくなるかというと一応式で求めることが出いますがビル管理士試験ではそこまで求められませんので省略致します。

片持ち支持梁


ここがポイント

片持ち支持梁


類似問題

問題97

建築材料の密度が、大きい順に並んでいるものは次のうちどれか。

  1. 鋼材 > コンクリ―ト > アルミニウム > 合板
  2. 鋼材 > アルミニウム > コンクリ―ト > 合板
  3. コンクリ―ト > 鋼材 > アルミニウム > 合板
  4. コンクリ―ト > アルミニウム > 鋼材 > 合板
  5. コンクリ―ト > 鋼材 > 合板 > アルミニウム


解説

答え【2】

一般的に熱伝導率の大きい物質ほど密度も大きいといわれています。
答えは(2)になりますが、ビル管理士試験では
鋼材 > アルミニウム > コンクリ―ト > 合板
の順は頭に入れておきましょう。
良く出ます。

因みに密度の単位は
密度[kg/m3]になります。
これは密度は質量[kg]を体積[m3]で割ったことになり、
同じ体積の物質だと質量(重量)が大きいほど密度が大きいことになります。
このことを知っておけば金属類(鋼材)が大きいことが分かると思います。

因みに鋼材はけた違いに密度が大きい物質です。


ここがポイント

材料熱伝導率W/(m/K)密度[kg/m3]
鋼材457,860
アルミニウム2102,700
板ガラス0.782,540
タイル1.32,400
コンクリ―ト1.32,400
石こう板0.14710~1,110
パ―ティクルボ―ド0.15400~700
木材0.15550
硬質ウレタンフォ―ム0.02725~50
ガラス繊維0.04~0.0520~50
空気0.0221.3
0.61


類似問題

問題98

建築材料の性質に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 木材の気乾状態の含水率は、25~30%である。
  2. 木材の引火点は、240~270℃程度である。
  3. 高強度鋼は、軟鋼より伸びが小さい。
  4. 鋼材のヤング係数は、鋼材の種類にかかわらずほぼ一定である。
  5. 強化ガラスは、一般板ガラスに特殊な熱処理を施し、表面に圧縮応力を生じさせたものである。


解説

答え【1】

気乾含水率は大気中に放置された木材が大気の温度条件と湿度条件に対応し、含有水分が平衡に達した状態の含水率。日本では平均15%と言われています。
25~30%は含みすぎと言えます。
ここがポイント

ヤング係数とは、「材料の固さを表す指標の1つ」です。
ヤング係数が大きければ、部材もより固くなります。逆にヤング係数が低ければ、部材は柔らかくなります。


鋼材のヤング係数は、どのような鋼(強度が高い、低いなど)を用いても一定の値です。
類似問題

問題99

ガスの供給と取扱いに関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。

  1. 厨房がガス臭いのでガスを排出するために直ちに換気扇を起動した。
  2. 都市ガス及びLPガスは、1,000倍に希釈しても臭いを感知できる付臭剤の添加が、法令で義務付けられている。
  3. 地震後、ガスのマイコンメ―タの復帰ボタンを押したら赤ランプが点滅したが、ガス器具に異常がなさそうなので使用開始した。
  4. 土中から建築物にガス管を引き込む際、耐震のため絶縁継手を設置することが必要である。
  5. LPガス容器は、常時50℃以下の直射日光の当たらない場所に設置する。


解説

答え【2】

(1)は換気扇を起動ではなくガス臭いがしたら窓や戸を開ける。換気扇も電気で起動するので、換気扇のスイッチから発生した小さな火花が着火源となり、ガスに引火するおそれがあるので危険です。
(3)も基本赤ランプは異常を知らせるランプなので、まずはガス会社等に連絡をし点検後に使用を開始するべきです。
(4)は土中から建築物にガス管を引き込む際の目的が違います。
耐震の為ではなく建築物内と土中埋設部の電位差により、埋設配管が電気的に腐食するのを防ぐためである。

絶縁継手

(5)は50℃ではなくて40℃以下です。 従って正しいのは(2)になります。
付臭剤というのは、ガス漏れを早期発見するため、ガスに付けられた独特の臭い。
1m3当たり10数mgの極微少量が添加される。

ここがポイント

ガス漏れ発生時の処置
火気の使用禁止
  1. ガス漏れの箇所の付近では火気の使用を禁止する。
  2. 電気のスイッチの点滅も着火源となるため禁止する。
換気
  1. 窓や戸を開け換気を行う。(換気扇の起動は不可)
通報
  1. 一般ガス導管事業者またはLPガス販売者に下記の内容を通報する。
    • 住所・建築物名
    • ガス漏れの程度・被害の程度
  2. 状況により消防署等への通報を行う。
避難
  1. 状況によりガス臭気のしない範囲に避難する。


類似問題

問題100

電気設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 「非常用の照明装置」は、停電を伴った災害発生時に安全に避難するための設備で、消防法により設置場所・構造が定められている。
  2. インバ―タ制御は、交流電動機の回転速度調整や出力トルク調整が容易で、効率の大幅改善が期待できる。
  3. 電動機は、起動時に定格を超える電流が流れ異常振動等が起こすことがあるため、スタ―デルタ起動方式により運転することが望ましい。
  4. 契約電力50kW以上の建築物の場合、高圧(6.6kV)で受電し、自家用変電設備で低圧(200V・100V)に変圧して給電する。
  5. 地階を除く階数が、11階以上の階に、非常コンセント設備の設置が義務付けられている。


解説

答え【1】

非常用照明設備は、停電と伴った災害発生時に、居住者や利用者を安全に避難させるための設備で、設置の必要な場所と構造が建築基準法施行令第126条で定められています。
ここがポイント

非常コンセント設備は、火災時の消火活動のためのもので、はしご車の届かない11階以上の階等に設置が義務付けられています。


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