令和1年度空気環境の調整「過去問題解説7」
問題76
個別方式空気調和設備で使用する換気設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- パッケ―ジ型空調機は、通常は外気処理機能を持たないため、室内空気質確保のため対策が必要である。
- 中央方式の外調機の導入が困難な場合には、室単位もしくはゾ―ン単位の外気導入が一般的である。
- 暖房時に加湿不足になりやすいことから、加湿器を付加するなどの対策が取られることもある。
- 外気処理ユニットは、直膨コイルや全熱交換器等を組み込んだユニットである。
- 外気処理専用パッケ―ジ型空調機は、給排気のバランスが取りにくい。

答え【5】
外気処理専用パッケ―ジ型空調機は給排気のバランスが取りやすいです。それと間違えやすい問題で(1)ですが
平成25年問題63にこのような出題がされております。
個別方式空気調和設備は、通常、外気処理装置が併用されている。
これは、正しい記述です。うっかり間違いと思いがちですが外気処理装置が併用ということは以下のような説明に置き換えることができます。
通常は外気処理機能を持たないため、外調機や全熱交換器などを利用したその他の外気処理装置を併用するなど、室内空気質(特に清浄度)確保のための対策が必要です。


- 令和2年問題71
- 平成29年問題64
- 平成29年問題69
- 平成28年問題70
- 平成27年問題66
問題77
温熱環境要素の測定器に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 熱式送風計は、長時間使用していると指示値に誤差が生じることがあるので、定期的に較正する必要がある。
- サ―ミスタ温度計は、電気抵抗の変化を利用するものである。
- アスマン通風乾湿計の乾球温度は、一般に湿球温度より高い値を示す。
- グロ―ブ温度計は、気流変動の大きいところでの測定に適している。
- 相対湿度の測定には、毛髪などの伸縮を利用する方法がある。

答え【4】
黒球温度を測るグロ―ブ温度計はその構造上、示度が安定するまでには比較的時間が要する(15分~20分程度)ので気流の変動の大きいところの測定には不向きです。
- 令和2年問題78
- 平成30年問題75
- 平成29年問題80
- 平成28年問題80
- 平成27年問題79

問題78
空気環境の測定に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 酸素の測定には、紫外線吸収法がある。
- 微生物の測定には、免疫クロマトグラフ法がある。
- イオウ酸化物の測定には、溶液導電率法がある。
- オゾンの測定には、半導体法がある。
- 花粉アレルゲンの測定には、エアロアレルゲン・イムノブロット法がある。

答え【1】
紫外線吸収法はオゾンの測定法です。酸素の測定にはガルバニ電池方式とポ―ラログラフ方式の2つです。
【参考程度に】
オゾンは酸素原子が3つつながった構造をした物質で化学式では、O3と表されます。
普通の酸素分子はO2なので、酸素より酸素原子が1つ多くなっています。
沸点が-11.9 ℃の気体で、オゾン臭と呼ばれる独特の匂いがします。
そのとき、波長が320ナノメ―トル以下の特に有害な紫外線(UV-B、UV-C)を吸収してくれるのです。
そこで発生したO2とOは、自然に結合して元のオゾンO3に戻ります。
この反応を繰り返すことで、オゾンは紫外線を吸収するのです。

空気環境物質 | 主な測定法 |
---|---|
一酸化炭素 | 検知管法 定電位電解法 ガスクロマトグラフ法 |
酸素 | ポ―ラログラフ法 ガルバニ電池法 |
二酸化炭素 | 検知管法 非分散型赤外線吸収法 ガスクロマトグラフ法 |
窒素酸化物 | ザルツマン法 化学発光法 フィルタバッジ法 |
硫黄酸化物 | 紫外線蛍光法 溶液導電率法 |
臭気 | 官能試験 オルファクトメ―タ法 |
ダニアレルゲン | エライザ(ELISA)法 |
オゾン | 検知管法 紫外線吸収法 化学発光法 |
放射線 | シンチレ―ション検出器 |
アスベスト | X線回析分析法 光学顕微鏡法 赤外線吸収スペクトル法 |
花粉アレルゲン | 表面プラズモン共鳴法 |
浮遊微生物 | 培地法 フィルタ法 衝突法 ATP法 |
換気量 | トレ―サガス減衰法 直接風量測定法 二酸化炭素濃度減衰法 |
浮遊粉じん | ロ―ボリウムエアサンプラ デジタル光散乱型粉じん計 圧電天秤法 |
ラドン | パッシブ法 アクティブ法 |

- 令和2年問題79
- 令和2年問題80
- 平成30年問題76
- 平成29年問題81
- 平成28年問題83
- 平成27年問題81
問題79
汚染物質とその単位の組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。
- キシレン濃度―――――――μg/m3
- 浮遊細菌濃度―――――――CFU/m3
- オゾン濃度――――――――Sv
- アスベスト濃度――――――本/L
- イオウ酸化物濃度―――――ppm

答え【3】
Svはシ―ベルトといい、放射能が人体に与える影響に使われる単位です。オゾン濃度の単位はμg/m3やppmです。
ちなみに、放射能の単位には
Bq(ベクレル)もありますが
Bq・・・放射性物質の量や放射能の強さを表します。
Sv・・・放射線の種類や強さを考慮して、私たちの体が放射線によってどれだけ影響を受けるかを表すのに、シ―ベルトという単位が用いられます。

その他、今までこれだけの単位がビル管理士試験で出題されています。
汚染物質 | 単位 | 出題年度 |
---|---|---|
アセトアルデヒド | μg/m3 | 平成30年 |
真菌 | CFU/m3 | 平成30年 |
アスベスト | 本/L f/cm3 f/L | 平成30年、平成29年、平成23年 平成28年 平成27年 |
浮遊粉じん | mg/m3 cpm | 平成30年 平成26年 |
キシレン | μg/m3 | 平成29年 |
放射能 | Bq | 平成29年、平成26年 |
二酸化窒素 | ppb | 平成29年、平成26年、平成23年 |
パラジクロロベンゼン | μg/m3 | 平成28年 |
浮遊細菌 | CFU/m3 | 平成28年、平成27年 |
二酸化硫黄 | ppb | 平成28年 |
トルエン | mg/m3 | 平成27年 |
ダニアレルゲン | ng/m3 | 平成27年 |
オゾン | μg/m3 | 平成26年 |
浮遊微粒子 | 個/m3 | 平成23年 |
ラドンガス | Bq/m3 | 平成23年 |

- 平成30年問題79
- 平成29年問題84
- 平成28年問題82
- 平成27年問題82
問題80
ホルムアルデヒド測定法として、最も不適当なものはどれか。
- DNPHカ―トリッジ捕集―HPLC法
- 検知管法
- 定電位電解法
- 電気化学的燃料電池法
- 光散乱法

答え【5】
光散乱法は大気中に浮遊している粉じんを空気とともに連続的に吸引し,遮光した検出器内で一定の光束をあて,反射する散乱光の強弱により光学的に測定し,その結果をmg/m3に換算し て表わします。つまり、浮遊粉じんの測定法です。

ホルムアルデヒドの測定には以下の測定法があります。
- 簡易測定法
- 検知管法
- 光電光度法
- 定電位電解法
- 吸光光度法
- 化学発光法
- 電気化学的燃料電池法
- 検知紙法
- 精密測定法
- DNPHカ―トリッジ捕集-HPLC法
- DNPH含浸チュ―ブ-HPLC法

- 平成30年問題80
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