令和1年度空気環境の調整「過去問題解説5」
問題66
冷凍機に用いられる冷媒とオゾン破壊係数(CDP)との組合せとして、最も不適当なものはどれか。
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冷媒――――――オゾン破壊係数(ODP)
- R11(CFC)――――――――――1
- R22(HCFC)――――――――――0.055
- R32(HFC)――――――――――0.02
- R717(NH3)――――――――――0
- R744(CO2)――――――――――0
答え【3】
R32(HFC)のODPは0です。オゾン破壊係数とは大気中に放出されるガスのオゾン層破壊に関与する影響度を表す指標。
代表的なフロンであるCFC11(R11)を1.0とした相対値を示される。
- 平成30年問題65
- 平成27年問題69
問題67
空気調和機の構成要素の上流側からの設置順として、最も適当なものはどれか。
- 加熱コイル―――――冷却コイル――――加湿器
- 冷却コイル―――――加湿器――――――加熱コイル
- 冷却コイル―――――加熱コイル――――加湿器
- 加湿器―――――――冷却コイル――――加熱コイル
- 加熱コイル―――――加湿器――――――冷却コイル
答え【3】
冷温水コイル、加湿器、ドレンパン、送風機、 エアフィルタを一体に組み込んだ比較的大容量の空気調和機。 吹き出し空気を要求される条件にあわせて各機器(パ―ツ) を組み合わせることができるため、 厳密な温湿度を要求される空調にも用いられる。 その構成要素は上流側から順に、フィルタ、冷却コイル、加熱コイル、加湿器となっています。
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株式会社エム・システム技研問題68
全熱交換器に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 回転型は、静止型よりも目詰まりを起こしやすい。
- 回転型は、ロ―タの回転に伴って排気の一部が給気側に移行することがある。
- 外気負荷の軽減を目的として、空気中の顕熱・潜熱を同時に熱交換する装置である。
- 静止型の給排気を隔てる仕切り板は、伝熱性と透湿性をもつ材料である。
- 冬期・夏期のいずれも省エネルギ―効果が期待できるが、中間期の運転には注意が必要である。
答え【1】
全熱交換器とは空調の排気(熱)を利用して、外気負荷の軽減を目的として、空気中の顕熱・潜熱を同時に熱交換する装置である。省エネルギ―機器として、広く利用されているが、回転型、静止型などの種類がある。
静止型の方がファンの静圧が小さくフィルタが粗じん用にとどまるため本体の目詰まりがしやすい。
回転型全熱交換器は、ロ―タ―の回転により全熱又は顕熱を排気から給気に熱回収する蓄熱式熱交換器です。 オフィスビル、一般ビル、工場等、冷暖房時の外気負荷軽減に、夏冬を通して貢献できる投資効率の良い、代表的空調用省エネルギ―機器です。 回転式全熱交換器は、アルミニウム製ロ―タ―と減速機付きモ―タ―、ベルトで構成され、ロ―タ―は低速度(20回転/毎分以下)で駆動されます。
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高砂熱学 静止型全熱交換器は給排気を隔てる仕切り板を伝熱性を透湿性を持つ材料で構成することにより、顕熱と潜熱の熱交換を同時に行う熱交換器である。回転などの駆動装置を必要としない点が特徴である。
- 平成30年問題69
- 平成27年問題73
問題69
加湿装置の方式に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 気化方式は、吹出し空気の温度が降下する。
- 気化方式は、結露する可能性が低い。
- 水噴霧方式は、給水中の不純物を放出しない。
- 水噴霧方式は、吹出し空気の温度が降下する。
- 蒸気方式は、吹出し空気の温度が降下しない。
答え【3】
答えは(3)ですが、水噴霧方式加湿器は噴霧圧力、遠心力、超音波振動などを利用して水を細分化し、空気中に放出して加湿する方式です。つまり水を空気中に放出するのでその際に一緒に不純物も放出されます。
【ここ重要です。】
吹出し空気の温度が降下する。吹出し空気の温度が降下しない。の問題の出題頻度が高いですが
気化式・水噴霧式で加湿をおこなった場合、水の蒸発によって絶対湿度は高くなり、乾球温度(空気温度)は下がります。
蒸気式は、一般的に100~120℃の蒸気を噴霧します。この変化は、蒸気のもつエンタルピにより、乾球温度をわずかに上昇させながら絶対湿度を高めることになります。
蒸気式では、空気温度を下げることなく、絶対湿度を高めることができます。
つまり、蒸気式のみ吹出し空気の温度が降下しない。
- 加湿には蒸気加湿・水加湿(水噴霧加湿と気化加湿)に大別
- 蒸気加湿は温度降下しない。(空気温度は下がらない。)
- 水加湿は温度降下する。(空気温度は下がる。)
- 水噴霧方式は不純物を放出。(不純物を空気中に拡散)
- 気化方式は不純物を多孔質等の表面に付着させるため空気中に放出しない。
- 平成30年問題67
- 平成28年問題71
問題70
ダクト及びその付属品に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 低圧ダクトの流速範囲は、15m/s以下である。
- 厨房フ―ドなどには、ステンレス鋼板が利用される。
- グラスウ―ルダクトには、ダクト系の騒音に対する消音効果が期待できる。
- 防火ダンパの羽根及びケ―シングは、、一般に1.5mm以上の鋼板で作成される。
- 厨房排気ダクト用防火ダンパの温度ヒュ―ズ溶解温度は、280℃である。
答え【5】
まず防火ダンパは、防火区画貫通部に火炎遮断の目的で設置されるものです。その用途に合わせた温度の設定が大事です。 温度ヒュ―ズ型の溶解温度は、一般換気用72℃、ちゅう房用排気用120℃、排煙用280℃です。 上の図が防火ダンパ用の温度ヒュ―ズです。
温度ヒュ―ズに記載の温度に達すると溶解することによりダンパを閉じます。
- 令和2年問題74
- 令和元年問題72
- 平成30年問題71
- 平成29年問題73
- 平成28年問題74
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