令和1年度建築物衛生行政概論「過去問題解説4」
問題16
下水道法に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか
- 下水道の整備を図り、もって都市の健全な発達及び公衆衛生の向上に寄与し、あわせて公共用水域の水質の保全に質することを目的とする。
- 厚生労働大臣は、緊急の必要があると認めるときは、公共下水道等の工事又は維持管理に関して必要な指示をすることができる。
- 終末処理場とは、下水を最終的に処理して河川等に放流するために、下水道の施設として設けられる処理施設及びこれを補完する施設をいう。
- 都道府県は、下水道の整備に関する総合的な基本計画を定めなければならない。
- 環境大臣は、緊急の必要があると認めるときは、終末処理場の維持管理に関して必要な指示をすることができる。
答え【2】
(2)について、下水道事業の主管官庁は国土交通省です。
よって、下水道法に基づいて公共下水道等の工事や維持管理に関する指示を出せるのは、「厚生労働大臣」ではなく「国土交通大臣」です。
(国土交通大臣又は環境大臣の指示)
- 国土交通大臣(政令で定める下水道に係るものにあつては、都道府県知事)は、公衆衛生上重大な危害が生じ、又は公共用水域の水質に重大な影響が及ぶことを防止するため緊急の必要があると認めるときは、公共下水道管理者、流域下水道管理者又は都市下水路管理者に対し、公共下水道、流域下水道又は都市下水路の工事又は維持管理に関して必要な指示をすることができる。
- 国土交通大臣は、前項の規定により都道府県知事が指示をするべき下水道については、都道府県知事に対し、必要な指示をするべきことを指示することができる。
- 環境大臣(政令で定める下水道に係るものにあつては、都道府県知事)は、公衆衛生上重大な危害が生じ、又は公共用水域の水質に重大な影響が及ぶことを防止するため緊急の必要があると認めるときは、公共下水道管理者又は流域下水道管理者に対し、終末処理場の維持管理に関して必要な指示をすることができる。
【参考程度に】
昭和33年の下水道法の改正をきっかけに、下水道事業の主管官庁は国土交通省に任され、厚生労働省は終末処理場のみを所轄することとなった。その後昭和42年、下水道行政の一元化を図るため 終末処理場の維持管理は両省の共管(平成13年には厚生労働省から環境省に移管)となり、その他は国土交通省の所管となって現在に至っている。
- 平成30年問題16
- 平成29年問題16
- 平成27年問題17
問題17
公衆浴場法に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 営業者が講じなければならない入浴者の衛生及び風紀に必要な措置の基準については、厚生労働大臣が省令でこれを定める。
- 公衆浴場を経営しようとする者は、都道府県知事の許可を受けなければならない。
- 都道府県知事等は、必要があると認めるときは、営業者その他の関係者から必要な報告を求め、又は当該職員に公衆浴場に立入り、検査をすることができる。
- 療養のために利用される公衆浴場で都道府県知事等の許可を受けた営業者は、伝染性の疾病にかかっている者と認められる者に対して、入浴を拒まなくともよい。
- 入浴者は、公衆浴場において、浴槽内を著しく不潔にし、その他公衆衛生に害を及ぼすおそれのある行為をしてはならない。
答え【1】
公衆浴場を経営しようとする者は、都道府県知事の許可を受けなければならない。従って、省令を定めるのも都道府県です、
営業者が講じなければならない入浴者の衛生及び風紀に必要な措置の基準については、都道府県が省令でこれを定める。合わせて以下の条文を覚えておいてください。
- 興行場法
- 営業者、興行場について、換気、照明、防湿及び清潔その他入場者の衛生に必要な措置を 講じなければならない。
- 旅館業法
- 営業者は、営業の施設について、換気、採光、照明、防湿及び清潔その他宿泊者の 衛生に必要な措置を講じなければならない。
- 公衆浴場法
- 営業者は、公衆浴場について、換気、採光、照明、保温及び清潔、その他 入浴者の衛生及び風記に必要な措置を講じなければならない。
問題18
水質汚濁防止法第1条に定めるこの法律の目的に関する次の条文の[ ]内に入る語句の組合せとして、正しいものはどれか。
「この法律は、工場及び事業場から公共用水域に排出される水の排出及び地下に浸透する水の浸透を規制するとともに、[ ア ]の実施を推進すること等によって、公共用水域及び地下水の水質の汚濁の防止を図り、もって[ イ ]とともに生活環境を保全し、並びに工場及び事業場から排出される汚水及び廃液に関して人の健康に係る被害が生じた場合における[ ウ ]について定めることにより、被害者の保護を図ることを目的とする。」
- (ア)生活排水対策――――(イ)国民の健康を保護する―――(ウ)事業者の損害賠償の責任
- (ア)下水対策――――――(イ)水質の基準を維持する―――(ウ)事業者の損害賠償の責任
- (ア)生活排水対策――――(イ)水質の基準を維持する―――(ウ)緊急時の措置
- (ア)下水対策――――――(イ)国民の健康を保護する―――(ウ)緊急時の措置
- (ア)生活排水対策――――(イ)水質の基準を維持する―――(ウ)事業者の損害賠償の責任
答え【1】
「この法律は、工場及び事業場から公共用水域に排出される水の排出及び地下に浸透する水の浸透を規制するとともに、[ 生活排水対策 ]の実施を推進すること等によって、公共用水域及び地下水の水質の汚濁の防止を図り、もって[ 国民の健康を保護する ]とともに生活環境を保全し、並びに工場及び事業場から排出される汚水及び廃液に関して人の健康に係る被害が生じた場合における[ 事業者の損害賠償の責任 ]について定めることにより、被害者の保護を図ることを目的とする。」とあり、水質汚濁法 第1条(目的)に関する問題なのでそのまま覚える必要があります。
- 令和2年問題16
問題19
事務所衛生基準規則において、労働者を常時就業させる室の環境に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 空気調和設備を設けている場合は、室の気温が17℃以上28℃以下になるように努めなければならない。
- 窓その他の直接外気に向かって開放できる部分の面積が、常時床面積の20分の1以上となるようにするか、有効な換気設備を設けなければならない。
- 室の気温が10℃以下の場合は、暖房するなどの適当な温度調節の措置を講じなければならない。
- 気積は、設備の占める容積及び床面から3mを超える高さにある空間を除き、労働者1人について、8m3以上としなければならない。
- 室の作業面の照度は、普通の作業の場合は150lx以上でなければならない。
答え【4】
労働者を常時就業させる室の気積は、設備の占める容積及び床面から4mをこえる高さにある空間を除き、労働者1人について、10m3以上としなければならない。事務所衛生基準規則は労働安全衛生法に基づく17省令の1つである(他に労働安全衛生規則、ボイラ―及び圧力容器安全規則、ゴンドラ安全規則、石綿障害予防規則
などがある。)
- 気積(容積)は労働者1人について、設備の占める容積及び4mを超える高さにある空間を除き10m3以上
- 一酸化炭素濃度は100万分の50以下
- 二酸化炭素濃度は100万分の5000以下
- 事業者は、室の気温が10℃以下の場合は、暖房する等適当な温度調節の措置を講じなければならない。
- 空気調和設備、機械換気設備を設けている場合はビル管理法と同じ基準に適合するようにしなければならない。
- 事業者は、燃焼器具(発熱量が著しく少ないものは除く)を使用する室又は箇所には、排気筒、換気扇その他の換気のための設備を設けなければならない。
事業者は、燃焼器具 を使用するときは、毎日、当該器具の異常の有無を点検しなければならない。 - 事業者は、室の作業面の照度を次のようにする。
作業の区分 基準 精密な作業 300lx以上 普通の作業 150lx以上 粗な作業 70lx以上 - 便所は男子と女子と区別する。同時に就業する労働者の人数により、便器の数が決められている。
- 男子:大便器は60人ごとに1個以上、小便器は30人ごとに1個以上
- 女子:大便器は20人ごとに1個以上
- 事業者は、労働者が有効に利用することができる休憩の設備を設けるように努めなければならない。
- 平成28年問題20
- 平成27年問題20
問題20
次の法律のうち、受動喫煙防止を規定しているものはどれか。
- 健康増進法
- 有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律
- 悪臭防止法
- 環境基本法
- 美容師法
答え【1】
この問題は特に解説の必要もないと思いますが、最近よく聞く法律ですけど受動喫煙防止を規定しているものは健康増進法ですね。
受動喫煙防止
第25条では、多数の者が利用する施設の管理者に対し、受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずるよう求めており、努力規定を制定している。
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