令和1年度建築物衛生行政概論「過去問題解説2」
問題6
次の建築物のうち、建築物衛生法に基づく特定建築物に該当するものはどれか。
- 延べ面積が2,500m2の事務所を併せもつ、5,000m2の自然科学系研究施設
- 延べ面積が3,500m2の中学校と4,000m2の高等学校を併せもつ、7,500m2の中高一貫校
- 延べ面積が1,500m2の体育施設を併せもつ、6,500m2の専門学校
- 延べ面積が2,500m2の事務所を併せもつ、5,000m2の寺院
- 延べ面積が2,500m2の店舗と2,000m2の貸倉庫を併せもつ、4,500m2の複合建築物
答え【3】
延べ面積が1,500m2の体育施設を併せもつ、6,500m2の専門学校が正解になります。
特定建築物に該当しないものには、病院、工場、寄宿舎、自然科学研究所、共同住宅、駐車場、寺院、体育館などがあります。
- 延べ面積が2,500m2の事務所を併せもつ、5,000m2の自然科学系研究施設
- 延べ面積が3,500m2の中学校と4,000m2の高等学校を併せもつ、7,500m2の中高一貫校
- 延べ面積が1,500m2の体育施設を併せもつ、6,500m2の専門学校
- 延べ面積が2,500m2の事務所を併せもつ、5,000m2の寺院
- 延べ面積が2,500m2の店舗と2,000m2の貸倉庫を併せもつ、4,500m2の複合建築物
つまり
- 延べ面積が2,500m2の事務所
- 延べ面積が3,500m2の中学校と4,000m2の高等学校を併せもつ、7,500m2の中高一貫校
- 延べ面積が4,000m2の専門学校
- 延べ面積が2,500m2の事務所
- 延べ面積が2,500m2の店舗の2,500m2の複合建築物
(2)は学校教育法第1条に規定されている学校で8,000m2以上で特定建築物になります。
従って
7,500m2では特定建築物になりません。
(3)の専門学校は学校以外の学校になり3,000m2以上で特定建築物になります。
- 特定建築物に該当するもの
- 事務所、店舗、旅館、図書館、美術館、博物館、興行場、遊技場、学校、集会場など
- 特定建築物に該当しないもの
- 病院、工場、寄宿舎、自然科学研究所、共同住宅、駐車場、寺院、体育館など
-
延べ面積が8000m2以上の学校
- 幼稚園(幼稚園連携型認定こども園を含む)、小学校、中学校、高等学校、大学、高等専門学校、中等教育学校、特別支援学校(ろう学校、盲学校、養護学校)など
- 平成28年問題5
問題7
建築物衛生法に基づく特定建築物の届出に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 用途の変更により、特定建築物に該当しなくなったときは、その日から1ヵ月以内にその旨を届け出なければならない。
- 届出義務者は、所有者あるいは当該特定建築物の全部の管理について権原を有する者である。
- 現に使用されている建築物が、増築により新たに特定建築物に該当することになったときは、その日から1ヵ月以内に届け出なければならない。
- 届出の様式は、建築物衛生法施行規則で定められている。
- 建築物衛生法施行規則に基づく届出事項に変更があったときは、その日から1ヵ月以内に、その旨を届け出なければならない。
答え【4】
届出の様式は届け出る地方自治体により決められています。特に建築物衛生法施行規則には定められていません。
届け出は基本1ヵ月以内に届け出なければなりません。
以下の項目は重要ですので覚えましょう。
- 届出義務者
- 所有者または建物全部の管理について権原を有する者(丸借り人、事務管理者、破産管財人)
- 国、地方公共団体では国有財産法、地方自治法に規定する者
- 区分所有、共有の建物にあっては区分所有者、共有者の連名で届け出ることが望ましい。
- 届出先
- 特定建築物の所在場所を管轄する都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区にあっては、市長又は区長)に提出
- 届出期間
- 使用開始から、変更があった時から、該当しなくなった時からいずれも1ヵ月以内に届け出ること。
- 平成29年問題5
- 平成28年問題6
- 平成27年問題6
問題8
建築物環境衛生管理基準に基づく空気環境の測定に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
- 新築の特定建築物では、最初の1年間は毎月測定しなければならない。
- 測定を行う場合は、1日2回以上測定することが必要である。
- 階数が多い場合は、各階ごとに測定しなくてもよい。
- 測定場所は、適当な居室を選択し、測定しやすい場所で行う。
- ホルムアルデヒドの測定結果が基準を超えた場合は、空調・換気設備を調整するなど軽減措置を実施後、速やかに測定し、効果を確認しなければならない。
答え【2】
最も適当なものを(2)と言えます。粉じん、一酸化炭素、二酸化炭素などの汚染指標は平均値を測定値とあります。
従って平均値なので平均値を求めるためには最低2回以上測定しないといけないので(2)が正解と思います。
他の選択枠は誤りになります。
(1)と(5)はなんとなくありそうですが規定にはありません。
(5)につては、ホルムアルデヒドは測定の結果が基準値(0.1mg/m3)を超過した場合は、特定建築物維持管理権原者は空気調和設備又は機械換気設備を調整し、 外気導入量を増加させるなど、室内空気中におけるホルムアルデヒドの低減に努めるとともに、翌年の測定期間中に1回、再度、当該測定することが求められている。 とあり速やかに測定し、効果を確認しなければならない。
とは記載がないので誤りと思われます。
(3)、(4)は明らかに間違った解釈なのでしっかり理解しましょう。
管理基準値 | ||
---|---|---|
浮遊粉じんの量 | 0.15mg/m3以下 | 平均値が基準を満たすこと。 |
一酸化炭素の含有率 | 6ppm以下(100万分の6以下) | |
二酸化炭素の含有率 | 1000ppm以下(100万分の1000以下) | |
温度 | 18℃~28℃ | すべての測定値が基準を満たしていること。 |
相対湿度 | 40~70% | |
気流 | 0.5m/s以下 | |
ホルムアルデヒド | 0.1mg/m3以下 |
ホルムアルデヒドを除く6項目の測定頻度は2ヵ月以内ごとに1回です。
ホルムアルデヒドの測定については、「新築・増築、大規模の修繕、大規模の模様替えを完了し、当該建築物の使用を開始した時点から直近の6月1日から9月30日までの間に定期に実施すること。」と定められています。
ホルムアルデヒドとは家具や建築資材、壁紙を貼る為の接着剤、塗料などに含まれている化学物質の一つです。
従って新築・増築、大規模の修繕、大規模の模様替えを行ったときに測定を行ることとなっています。期間が直近の6月1日から9月30日までの間というのはこの時期に一番濃度が高くなるからということです。
- 平成29年問題7
問題9
建築物環境衛生管理技術者に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
- 特定建築物ごとに選任しなければならないので、同時に2以上の特定建築物の建築物環境衛生管理技術者となることは、いかなる場合も認められない。
- 建築物環境衛生管理技術者は、必要があると認めるとき、建築物維持管理権原者に意見を述べることができ、建築物維持管理権原者はこの意見に従わなければならない。
- 建築物環境衛生管理技術者が管理業務の指導監督を怠たり健康被害が発生した場合は、建築物環境衛生管理技術者に対して罰則の適用がある。
- 建築物環境衛生管理技術者の免状の記載事項に変更を生じたときは、厚生労働大臣に免状の書換え交付を申請しなければならない。
- 建築物環境衛生管理技術者の免状の再交付を受けた後、失った免状を発見したときは、5日以内にこれを厚生労働大臣に返還する。
答え【5】
(5)については施行規則第12条の5により、免状の交付を受けている者は、免状の再交付を受けた後、失った免状を発見したときは、5日以内に、これを厚生労働大臣に返還する。とあります。 他の解答枠を訂正すると
いかなる場合も認められない。とありますが兼務も可能です。
あくまでも意見を述べることができますが命令等はできません。
罰則の適用されるのも建物の管理者です。
- 平成28年問題11
- 平成27年問題11
問題10
建築物環境衛生管理基準のうち、建築物衛生法施行規則に規定されているものは、次のどれか。
- 浮遊粉じんの量
- 相対湿度
- 二酸化炭素の含有率
- ホルムアルデヒドの量
- 特例による一酸化炭素の含有率
答え【5】
この問題はわかりにくいですよね。全部ありそうですが(5)が答えになります。
この問題は以下のペ―ジを参考にしてください。
の第二条に記載があります。(一酸化炭素の含有率の特例)
第二条
令第二条第一号イの表の第二号の厚生労働省令で定める特別の事情がある建築物は、大気中における一酸化炭素の含有率がおおむね百万分の十をこえるため、居室における一酸化炭素の含有率がおおむね百万分の十以下になるように空気を浄化して供給をすることが困難である建築物とし、同号の厚生労働省令で定める数値は、百万分の二十とする。
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