平成30年度建築物の環境衛生「過去問題解説4」
問題36
電場・磁場・電磁場に関する次の記述のうち、最も不適当なのものはどれか。
- 電場の単位は、V/mである。
- 磁場の単位は、A/mである。
- 電子レンジは、超短波(VHF波)を利用している。
- 電磁波に含まれるエックス線、γ線は電離放射線と呼ばれる。
- 電磁波の周波数が高くなると波長は短くなる。
答え【3】
電子レンジは、マイクロ波です。電子レンジで使用される電磁場の周波数は2.45GHzで波長は12.2cmです。
因みに周波数が300MHzから300GHz(波長が1mから1mm)の電波をマイクロ波と呼んでいます
マイクロ波はその他テレビや携帯電話等でも利用されています。
- 令和元年問題37
問題37
放射線の身体的影響のうち、早期影響は次のどれか。
- 白内障
- 不妊
- 悪性リンパ腫
- 皮膚癌
- 胎児の障害
答え【2】
早期影響とは放射線を浴びてからすぐに生じてくる影響のことで不妊が該当します。後は晩発影響になります。
晩発影響とは、被曝後数カ月から数十年の潜伏期間を経て発症し、癌、白内障、胎児影響、潰瘍等があります。放射線への影響
- 身体的影響
- 早期影響
- 皮膚紅斑・皮膚潰瘍・白血球減少・脱毛・不妊等
- 晩発影響
- 白内障・胎児の障害・悪性腫瘍・寿命短縮
- 早期影響
- 遺伝的影響
- 遺伝子・染色体異常・胎児奇形
- 令和元年問題37
- 平成28年問題38
- 平成27年問題37
問題38
健常者と水に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 体重当たりの水分欠乏率が2%程度になると、強い口渇が認められる。
- 体内における食物の代謝過程で生成される代謝水は、1日約0.3Lである。
- 一般に体重当たりの体内水分量は、女性の方が男性より多い。
- 成人の体内の水分量は、体重の約50~70%である。
- 小児が生理的に必要とする水分量は、体重当たりの換算すると成人より多い。
答え【3】
(3)が不正解です。正しくは
一般に体重当たりの体内水分量は、男性の方が女性より多い。
女性の方が水分量が少ない理由は、それは生きるために必要な脂肪が一般的に男性より女性の方が多く体についてくるからで、その脂肪分だけ水の割合が少なくなってしまうからです。
合わせて覚えておきましょう。
- 血液成分の多くは水分である。
- 身体の中の水分である体液は体重の50~70%(体重50kgの人の水分はおよそ30kg前後)
- 幼若であるほど体内の水分の割合は高く、一般に女性の方が体内の水分量は少ない。加齢とともに、体内の水分量は少なくなる。
- 人が必要とする水分の量は普通1日約1.5Lで、体重当たりに換算すると小児は成人の3~4倍の水分量が必要
- 通常の食事及び水分摂取の状態で、成人が1日に排泄する尿の量は1~2Lである。
- 体内で生成された老廃物の排泄のため、成人では1日に最低0.4~0.5Lの尿が必要である。
- 体内における食物の代謝過程で生成される水は通常成人で1日約0.3Lである。
水分欠乏率「%」 | 脱水症状 |
---|---|
1 | のどの渇き |
2 | 強い渇き、ぼんやりする、重苦しい、食欲減退、血液濃縮 |
4 | 動きのにぶり、皮膚の紅潮化、いらいらする、疲労及び嗜眠、感情鈍麻、吐気、感情の不安定 |
6 | 手、足の震え、熱性抑うつ症昏迷、頭痛、熱性こんぱい、体温上昇、脈拍、呼吸数の増加 |
8 | 呼吸困難、めまい、チアノ―ゼ、言語不明瞭、疲労増加、精神錯乱 |
10~12 | 筋けいれん、平衡機能失調、失神、舌の腫張、講妄および興奮状態、循環不全、血液濃縮及び血液の減少、腎機能不全 |
15~17 | 皮膚がしなびれてくる。飲込み困難、目の前が暗くなる、目がくぼむ、排尿痛、聴力損失、皮膚の感覚鈍化舌がしびれる、 |
18 | 皮膚のひび割れ、尿生成停止 |
20%以上 | 死亡 |
- 令和2年問題40
- 令和元年問題38
- 平成28年問題39
- 平成27年問題40
問題39
水系感染症の病原体として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- ノロウイルス
- 麻しんウイルス
- A型肝炎ウイルス
- 赤痢アメ―バ
- パラチフス菌
答え【2】
麻しんウイルスの感染経路は空気感染、飛沫感染、接触感染です。
- 平成29年問題43
問題40
ヒ素に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
- 5価の化合物の方が3価の化合物よりも毒性が強い。
- 水俣病は、その慢性中毒である。
- 慢性影響として、皮膚の色素沈着の角化は認められない。
- 環境基本法に基づく水質汚濁に係る環境基準項目に含まれない。
- ヒトに対する発がん性が認められる。
答え【5】
(5)が正しい。発癌性は認められる。
ヒ素化合物の毒性はその結合形によって異なる。
通常、3価および5価のヒ素化合物として存在し、いずれも毒性を持つが、3価のヒ素の方が5価のヒ素よりも毒性が強い。
可溶性無機ヒ素化合物を摂取すると急速に吸収され、肝臓、腎臓、消化管等に強く作用する。
慢性影響として、皮膚の色素沈着の角化を起こす。
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