平成29年度ねずみ・昆虫等の防除「過去問題解説2」
問題171
ダニの防除に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- イエダニの被害があった場合、室内にネズミの巣がある可能性が高い。
- ヒゼンダニによる被害は、高齢者施設や病院で見られる。
- ツメダニの被害は、ヒョウヒダニ類の防除対策で軽減される。
- 家屋周辺にマダニ類を発生させないためには、ペットの衛生管理が重要である。
- ケナガコダニは、長期間の乾燥状態に強い。
答え【5】
ケナガコダニは最適な条件とされる温度は27℃、湿度75%と言われています。長時間の乾燥には弱いといわれています。
(2)のヒゼンダニですが、ヒトの皮下に内部寄生するダニ類として知られています。
疥癬(かいせん)の原因種であり、その寄生数が爆発的に増加すると、「角化型疥癬」
と呼ばれ、ヒトからヒトへの感染力も増し、高齢者施設や病院での集団発生が問題となる。
問題172
次の害虫のうち、吸血するものはどれか。
- チカイエカの雄成虫
- オオチョウバエの雌成虫
- セスジユスリカの雌成虫
- トコジラミの雄成虫
- ネコノミの幼虫
答え【4】
トコジラミは吸血する。吸血・不快感・刺咬による被害
- 吸血・痛み・痒み
- 蚊、トコジラミ、ワクモ、イエダニ、ネコノミ、トリサシダニ
- 刺咬・痛み・痒み
- シバンムシアリガタバチ、シラミダニ、セアカゲグモ、ハイイロゴケグモ
- 不快感
- ハエ、ゴキブリ、ユスリカ、カメムシ
問題173
害虫に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- イガは、繊維や衣類の害虫である。
- ネコノミは、イヌやヒトからも吸血する。
- ユスリカ類の防除では、性フェロモンを用いたトラップを使用する。
- ニクバエ類は、卵ではなく幼虫を産む卵胎生のハエである。
- カツオブシムシ類は、乾燥食品や動物性製品を加害する。
答え【3】
(3)はシバンムシ類、メイガ類の防除では、性フェロモンを用いたトラップを使用する。
ユスリカは走光性昆虫に対する誘引性が低いナトリウム灯等の黄色系の光に変更したり、建築物から離れた場所に電撃式殺虫機等を取り付けたりして、建築物への飛来を 抑制する方法です。
問題174
殺虫剤の有効成分やその効力に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- ピレスロイド剤は、物陰にいる虫を開放された場所に飛び出させるフラッシング効果を示す。
- 対称型有機リン剤に抵抗性を獲得した昆虫集団に対しても、非対称型有機リン剤は実用的な効果を示す。
- 速効性に優れた有効成分には、残効性が期待できないものが多い。
- 除虫菊に含まれる殺虫成分や、合成された類似物質を総称して、カ―バメ―ト系殺虫剤と呼ぶ。
- 昆虫成長制御剤(IGR)の中には、昆虫のホルモンと同様の作用を示すものがある。
答え【4】
(4)の説明はピレスロイド剤です。除虫菊の花にはpyrethrinsと呼ばれる複数の殺虫成分が含まれています 。この殺虫成分の類似物質が多数合成されている。天然の成分を含め、これらの化合物群をピレスロイド剤と呼んでいます。
カ―バメ―ト剤は有機リン剤と同様の作用を持つ薬剤です。
問題175
殺虫剤やその剤型に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
- フェノトリンを有効成分とするゴキブリ用の食毒剤がある。
- フェニトロチオンを有効成分とするマイクロカプセル(MC)剤がある。
- 炭酸ガス製剤は、有機溶剤に溶かした有効成分を液化炭酸ガスにより噴射する製剤である。
- フィプロニルを有効成分とする樹脂蒸散剤がある。
- エトフェンプロックスは、カ―バメ―ト系殺虫剤である。
答え【2】
正しいのは(2)です。フェニトロチオンは日本で開発された殺虫成分で広範な害虫に効果があります。残留噴霧した時の残効性が高く、特にゴキブリに対する効力が優れています。マイクロカプセル(MC)剤がある。
(1)は致死効力と残効性の優れたピレスロイド剤です。
(3)の炭酸ガス製剤はフェノトリンなどのピレスロイド剤を液化炭酸ガスに溶解し、ボンベに封入した製剤で、専用の噴射装置を必要とするが、粒子径が細かく、ULV的な処理が行える。
(4)はフィプロニルを有効成分とするゴキブリ等対象の食毒剤がある。
(5)のエトフェンプロックスは、構造的な違いからピレスロイド様化合物と呼ばれている。ピレスロイド系では唯一蚊幼虫用製剤が承認されています。
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