平成29年度ねずみ・昆虫等の防除「過去問題解説1」
問題166
蚊に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- チカイエカは、吸血せずに産卵することができる。
- アカイエカは、有機物の多い下水溝などに発生する。
- アカイエカとチカイエカの雌成虫は、外部形態で区別することができる。
- ヒトスジシマカの主な発生源として、公園、道路、公共施設等に存在する雨水ますがある。
- コガタアカイエカは、田んぼや湿地などの水域に発生する。
答え【3】
(3)が誤りです。アカイエカとチカイエカ及びネッタイイエカはよく似ていて外部形態では区別できません。チカイエカ
- 日本国内の屋内で確認されている唯一の蚊である。
- 世界の温帯地域に広く分布し、ビル内部で発生する蚊はほとんどこの種類である。
- 九州から北海道の都市には普通に見られる。
- チカイエカは外見的にはアカイエカやネッタイイエカに似ており、外見的には区別するのは困難である。
- チカイエカは羽化後初めての産卵は吸血しなくても行える。その後は激しく人から吸血する。
- チカイエカの卵は卵塊として水面に産み落とされる。1卵塊の卵数は50~80個
- チカイエカは冬期でも休眠せず暖房された室内では盛んに吸血することから冬の蚊といわれる。
- チカイエカは試験管のような狭い場所でも交尾が可能で、また浄化槽内のような暗黒の条件下でも休眠せず交尾を行い産卵する。
- チカイイエカが媒介する感染症は今のところ知られていない。
アカイエカ
- アカイエカは屋外で発生して屋内に侵入する。
- 夜間に屋内に侵入して吸血するよく見られるカ
- アカイエカのメスの成虫は有機物の多い下水溝やどぶ川の水面に静止して舟形の卵塊を産む。
- ニワトリや野鳥からも盛んに吸血する。
- 秋に羽化した成虫は休眠に入り、冬期には気温が上昇しても吸血活動をしない。
コガタアカイエカ
- コガタアカイエカは水田から発生する。
- 日本脳炎ウイルスを媒介する。
- 夜間に吸血する。
ヒトスジシマカ
- 公園、墓地等の日陰ややぶに多く生息する。
- 昼間に盛んに吸血する
- 雨水ますなどの人工的にできた狭い水域や屋外の空き缶などの溜り水からもよく発生する。
- 血を吸われると大変強い痒みを生じる。
問題167
蚊の防除に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 昆虫成長制御剤(IGR)は、幼虫に対する速効的な致死効果が認められる。
- ライトトラップや粘着トラップで捕獲した蚊の数は、維持管理の水準を評価するために有用である。
- チカイエカ対策として、浄化槽の通気管に防虫網を設置する。
- 樹脂蒸散剤は、密閉性が保たれている空間では、1~3ヵ月間の効果が期待できる。
- 成虫防除のための燻煙やULV処理では、残効性が期待できない。
答え【1】
昆虫成長制御剤 (IGR)は、昆虫の変態や脱皮をコントロ―ルしている ホルモンのバランスを狂わせることによって、昆虫の脱皮や羽化を阻害し、その結果として死に至らせるという殺虫剤 です。幼虫に対する速効的な致死効果はありません。
(4)の樹脂蒸散剤は、 バポナ 殺虫プレ―ト等の製品が有名です。
板状の合成樹脂に、空中で気化する殺虫剤を染み込ませたものです。空中にぶら下げて使いますが、毒性の高い薬を使っていますので、基本的には家の中では使えないのが難点。
問題168
ゴキブリの防除に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- ロ―チスポットを確認することは、ゴキブリの生息状況を知るのに良い方法の一つである。
- ベイト剤(毒餌)は、処理の簡便さと速攻性から飲食店での使用に適している。
- 昼間物陰に潜んでいるため、薬剤を直接噴霧して防除することは難しい。
- 空間処理に当たっては、気密性を高める必要がある。
- フェニトロチオン製剤による残留処理は、効果が大きい。
答え【2】
ゴキブリのベイト剤(毒餌)は、遅効性のため密度の減少までに一定期間要する。長時間の配置が必要です。
喫食率を高めるために、ゴキブリの餌となるものを 設置場所周辺から除去することが大切です。
(1)のロ―チスポットとは、ゴキブリが集まる場所に付着する糞や体液の汚れの跡の事を 指します。
問題169
ゴキブリの防除に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
- 粘着式トラップは、ゴキブリに警戒心を起こさせるので、毎日設置場所を変えると効果的である。
- 残留処理とは、餌として薬剤を摂取させ、中毒死させる方法である。
- ULV処理には、専用の油剤を使用する。
- 空間処理法では、ホウ酸やヒドラメチルノンを有効成分とした製剤がよく使用される。
- チャバネゴキブリでは、毒餌への喫食抵抗性を示す個体が知られている。
答え【5】
(1)ですがゴキブリにトラップを設置する主な目的はゴキブリの生息状況の調査用です。ゴキブリは新しいものや状況に対して強い警戒心を持つ。従って粘着トラップを配置する場合は、いかに慣れさせるかが大きく影響します。
従って毎日設置場所を変えるより辛抱強く同じ場所に設置したほうが効果的です。
(2)ですが残留処理とは、ゴキブリの行動習性を利用した基本駆除法、残効性の高い有機りん剤やピレスロイド剤を壁面等1m2当たり50mL散布するのが標準である。
ゴキブリの通路や隠れ場所となりやすい家具の隅や隙間などに重点的に殺虫剤処理を行う。
(3)のULV処理には、専用の水性乳剤が承認されています。
(4)のホウ酸やヒドラメチルノンは毒餌処理に使用します。
問題170
ダニ類に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
- マダニ類は雌雄とも吸血する。
- ダニの体は、頭部、胸部、胴体部に分けることができる。
- ツメダニ類はヒトから吸血し、激しい痒みを起こす。
- タカラダニは、冬季に鉢植えなどに発生する。
- イエダニは、屋内の塵などを食べて発育する。
答え【1】
正しいのは(1)です。(2)はダニの体は、口器がある顎体部と、頭、胸、腹が融合した胴体部の2つに分かれている。
(3)はツメダニ類は人を刺すこととがあるが吸血はしない。
(4)のタカラダニは発生しやすいのは、4~6月で植物の花粉等を中心にプランタ―やベランダ全般で発生します。
(5)のイエダニはネズミ類に寄生して増える吸血性のダニです。
屋内の塵(じん)などを食べて発育するのは、ヒョウヒダニなどです。
ダニの種類
ダニの種類には吸血性ダニ、動物寄生性ダニ、屋内塵性ダニ、植物由来のダニ、人刺咬性のダニ、人寄生性のダニに分類される。
- 吸血性ダニ・・・・・・イエダニ、マダニ
- 動物寄生性ダニ・・・・イエダニ(ネズミに寄生)、スズメサシダニ(スズメに寄生)、トリサシダニ(鳥に寄生)
- 屋内塵性ダニ・・・・・ヒョウヒダニ、コナダニ、ツメダニ
- 人刺咬性のダニ・・・・ツメダニ
- 人寄生性のダニ・・・・ヒゼンダニ
- 植物由来のダニ・・・・ヒメハダニ
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