平成29年度建築物の構造概論「過去問題解説2」
問題96
建築物とその構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- コンクリ―トの中性化は、構造体の寿命に大きく影響を与える。
- クリ―プは、一定の大きさの持続荷重によって、時間とともにひずみが増大する現象をいう。
- 耐震補強には、強度を高める方法や変形能力を高める方法がある。
- 塑性とは、部材などに荷重を作用させたときに生じる変形が、荷重を取り除いた後に、元の状態に戻る性質をいう。
- 免震構造には、アイソレ―タを用いて地盤から建築物を絶縁する方法がある。
答え【4】
(4)が誤りです。(4)の塑性とは、力を加えて変形させたとき、永久変形を生じる物質の性質のことを指す。 延性 と 展性 がある。 荷重を完全に除いた後に残る ひずみ (伸び、縮みのこと)を永久ひずみあるいは 残留ひずみ という。従って、荷重を取り除いた後に、元の状態に戻る性質の事ではありません。
(1)の中性化とは
RC造りの鉄筋はコンクリ―トのアルカリ性で防錆されているが、コンクリ―トは大気中の 二酸化炭素の影響で中性化される。
(5)の免震構造とは、地震力による揺れを建築物の上部構造に伝達しないように、建築物の基礎部等に免震装置を設置して、構造体の揺れを低減する構造である。免震装置では、アイソレ―タやダンパ等を用いて地震力の揺れを上部構造に伝えないようにしている。
アイソレ―タは地盤から建築物を絶縁する部材、機械等を指します。
免震構造に似たものに制振構造があります。制振構造とは建物の揺れを制御、低減しようとするシステムの構造です。
- 令和2年問題96
問題97
建築材料の特徴に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 木材の熱伝導率は、コンクリ―トに比べて大きい。
- Low-Eガラスは、ガラス表面に特殊金属膜をコ―ティングしたものである。
- 鉄鋼の線膨張係数は、コンクリ―トとほぼ等しい。
- ステンレス鋼は、鉄にクロム、ニッケル等を含む特殊鋼である。
- アルミ材は軽いので、カ―テンウォ―ルに用いられる。
答え【1】
(1)はコンクリ―ト(1.3W8m・k)で木材0.15W(m・k)でコンクリ―トの方が大きい。
建材 | 熱伝導率 W/(m・k) |
---|---|
アルミニウム | 210 |
鋼材 | 45 |
コンクリ―ト | 1.3 |
木材 | 0.15 |
パ―ティクルポ―ト | 0.15 |
硬質ウレタンフォ―ム | 0.027 |
空気 | 0.022 |
- 令和2年問題94
- 平成30年問題97
- 平成30年問題98
- 平成29年問題98
- 平成28年問題95
- 平成28年問題97
- 平成28年問題98
- 平成27年問題98
- 平成27年問題99
問題98
建築材料と部材の性質に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- トタンは、鋼板にすずめっきをしたものである。
- 銅は展延性に富み、加工しやすい。
- 板ガラスは、部分的に加熱されると破壊しやすい。
- ボルトランドセメントには、普通・早強・中庸熱等の種類がある。
- ブリ―ジングとは、コンクリ―ト打設後、ペ―スト中にセメントや骨材が沈降して、分離した水が浮く現象をいう。
答え【1】
(1)はブリキの説明です。亜鉛めっきしたものをトタンと呼んでいます。
(2)の銅の特徴は、展延性に富み、加工しやすい。空気中の二酸化炭素によって生じる緑青(塩素性炭酸銅)が表面保護膜となる等がある。
(4)のボルトランドセメントとはセメント生産量の 90%を占め,一般にセメントといえば,これをさします。普通・早強・中庸熱等の種類があります。
(5)のブリ―ジングは、コンクリ―トの混練(こんれん)の際に使用した水が、打設(だせつ)後に砂やセメント、骨材など重いものが沈下することにより分離して浮き上がる現象のことをさします。。
- 令和2年問題94
- 平成30年問題97
- 平成30年問題98
- 平成29年問題97
- 平成28年問題95
- 平成28年問題97
- 平成28年問題98
- 平成27年問題98
- 平成27年問題99
問題99
建築設備に関する用語の組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。
- LAN――――――情報通信設備
- ITV――――――防犯設備
- EV――――――搬送設備/li>
- CAV――――――空気調和設備
- ESCO―――――排水設備
答え【5】
(5)は省エネルギ―診断、システム設計、設備導入工事、さらに効果検証まで一貫したサ―ビスを提供するエネルギ―総合サ―ビス事業のことである。- (1)はロ―カルエリアネットワ―ク(Local Area Network)で、限られた範囲内にあるコンピュ―タや通信機器、情報機器などをケ―ブルや無線電波などで接続し、相互にデ―タ通信できるようにしたネットワ―クのこと。
- (2)はindustrial televisionでいわゆる監視カメラのことです。
- (3)はエレベ―タのことです。
- (4)は定風量単一ダクト方式のことです。
問題100
消防設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 消火方法としては、燃焼の3要素である可燃物、酸素、着火源の一つ以上の要素を取り除くことが原則としている。
- 金属火災に対しては、水による消火が危険になる場合がある。
- 消火器は、火災の初期発見段階での消火に利用される。
- 連結送水管は、公設消防隊が使用するもので、消防隊専用栓と呼ばれる。
- 泡消火設備は、希釈作用により消火する。
答え【5】
(5)が誤りです。泡消火設備は、油火災等のように注水による消火方法では、火災が拡大するような場合の消火設備で、駐車場や飛行機の格納庫等に設置されます。
水と泡原液を混合させて作る泡消火薬剤を用いる。この泡で燃焼物を覆い、窒息作用と冷却作用により消火する。
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