平成29年度空気環境の調整「過去問題解説3」
問題56
空気汚染物質とその発生源との組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。
- 一酸化炭素――――――自動車排気
- パラジクロロベンゼン―――防虫剤
- 窒素酸化物――――――ガススト―ブ
- フュ―ム―――――――断熱材
- タ―ル――――――たばこ煙
答え【4】
(4)が不正解です。フュ―ムは空気中に浮遊する微細粒子のことです。溶接・溶断時に発生することがある。
汚染物質の例
汚染物質 | 主な発生源 | 人体への影響 |
---|---|---|
ホルムアルデヒド | 建材材料(接着剤、内装材) | 目、鼻、喉の刺激 |
硫黄酸化物 | 排ガス、燃焼器具、石油スト―ブ | 喘息、粘膜刺激 |
窒素酸化物 | 排ガス、燃焼器具、ディ―ゼルエンジン | 気管支炎、呼吸器障害 |
アスベスト | 断熱材 | 肺がん、肺気腫、中皮腫 |
ラドン | 土壌 | 肺がん |
VOC | 洗浄剤や溶剤 | シックビル症候群 |
一酸化炭素 | 燃焼器具(不完全燃焼) | 一酸化炭素中毒 |
オゾン | コピ―機 | 気道粘膜刺激 |
たばこ煙 | 喫煙 | 慢性閉塞性肺疾患(COPD) |
ハウスダスト | 粉じん、ダニ | 喘息、アレルギ―疾患 |
微生物(細菌、カビ類) | 超音波加湿器 | 過敏性肺炎 |
パラジクロロベンゼン | 防虫剤,トイレの消臭ブロック | 目眩、頭痛、肝臓障害を起こす |
- 平成30年問題54
- 平成28年問題60
- 平成27年問題57
問題57
喫煙室において、1時間当たり15本のたばこが喫煙されている定常状態の濃度として、最も近いものは次のうちどれか。
局所換気以外の換気システムはなく局所換気により排出される空気量は200m3/hで、たばこにより発生した粉じんの80%は直接局所換気で排気されるとする。ただし、たばこ1本当たりの粉じん発生量10mg、喫煙室に侵入する空気の粉じん濃度0.05mg/m3とし、たばこ以外の粉じん発生、壁面への吸着などの影響は無視できるものとする。
- 0.15mg/3
- 0.20mg/m3
- 0.30mg/m3
- 0.75mg/m3
- 0.80mg/m3
答え【2】
今回使用する式は以下の式を使います。まず整理します。
今わかっているのは
- 局所換気により排出される空気量は200m3/h
- たばこにより発生した粉じんの80%は直接局所換気で排気される。
- たばこ1本当たりの粉じん発生量10mg
- 喫煙室に侵入する空気の粉じん濃度0.05mg/m3
そこで、求めるのは
喫煙室において、1時間当たり15本のたばこが喫煙されている定常状態の濃度は?
です。
では、求めることに致します。
たばこ1本当たりの粉じん発生量10mgですので今回は15本分ですので
10mg x 15 = 150mg
になります。
【次に注目!】
たばこにより発生した粉じんの80%は直接局所換気で排気される。
とあります。
つまり室内に残っている汚染発生量は残りの20%になります。
従って
M = 150 x 0.2 = 30mg
になります。
問題文から
Q = 200m3/h
Co = 0.05mg/m3
になります。
式に代入していくと
になり
(2)の0.20mg/m3になります。
あと一度も触れなかったけど問題文に定常状態は無視して大丈夫です。
今回の計算には直接関係ないので
問題58
におい物質に関する次の文章の[ ]内の語句のうち、最も不適当なものはどれか。
におい物質は、[(1)揮発性、化学反応性]に富む比較的[(2)低分子]の[(3)有機化合物]である。におい成分を構成する元素として、[(4)炭素(C)]、水素(H)、酸素(O)、窒素(N)、硫黄(S)、塩素(Cl)が挙げられる。臭気強度=比例定数 x [(5)臭気物質濃度]の関係が成り立つ。
- 揮発性、化学反応性
- 低分子
- 有機化合物
- 炭素(C)
- 臭気物質濃度
答え【5】
におい物質は、[(1)揮発性、化学反応性]に富む比較的[(2)低分子]の[(3)有機化合物]である。におい成分を構成する元素として、[(4)炭素(C)]、水素(H)、酸素(O)、窒素(N)、硫黄(S)、塩素(Cl)が挙げられる。臭気強度=比例定数 x [(5)log臭気物質濃度]の関係が成り立つ。臭気強度=比例定数 x log臭気物質濃度
です。
問題59
アレルゲンと微生物に関する次の記述のうち、最も不適合なものはどれか。
- 建築物衛生法では、ダニ又はダニアレルゲンに関する基準を定めている。
- 酵母は、真菌に分類されている。
- ウイルスは、生きている細胞中でしか増殖できない。
- ペニシリウムは、アレルギ―症状を引き起こす原因物質の一つである。
- ダニアレルゲンの大部分は、数μm以上の粒子である。
答え【1】
建築物衛生法では、ダニ又はダニアレルゲンに関する基準を定められていません。
- 令和2年問題58
- 令和元年問題57
- 平成30年問題56
- 平成28年問題61
- 平成27年問題60
問題60
冷房時における単一ダクト方式の空調システムを図―Aに示す。
図―Bは、図―Aのa~eにおける空気の状態変化を湿り空気線図上に表わしたものである。
図―A中のdに相当する図―B中の状態点は、次のうちどれか。
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
答え【4】
今回求めるのはdですね。まず一番わかりやすいところは、今回は問題文で冷房時とあります。
従って乾球温度が一番高いアが外気なります。
次に図Aで一か所だけ外気と還気が交わっている部分があります。これは図Bでも一か所だけ交わっているところがあります。
つまり図Aでbになる部分がイになります。
ということでeがウであることは直ぐにわかります。
冷却器を通過した後が一番乾球温度が低下していますのでCがオになりdはエになるのが分かります。
- 令和元年問題61
- 平成27年問題61
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