平成29年度空気環境の調整「過去問題解説2」
問題51
エアロゾル粒子の壁面沈着と再飛散に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 再飛散は、沈着した粒子が壁面から離れて再び気相に取り込まれる現象である。
- 層流下でスト―クス領域の粒子の再飛散は、一定室内気流のもとではほとんどない。
- 沈着速度は、壁面へ粒子が沈着する時の衝突する速さである。
- 粒子の表面付着力には、ファンデルワ―ルス力がある。
- 気流に平行な鉛直壁面への沈着数は、等濃度の場合、小粒径粒子ほど多い。
答え【3】
浮遊粒子の沈着速度とは、単位時間あたりの沈着量を気中濃度で割ったもの。
(1)はエアロゾル粒子が気相を移動し、壁面(固体・液体)に到着し、付着する現象を沈着といい、付着した粒子が壁面から離れて再び気相に取り込まれる現象を再飛散といいます。
(4)ですが粒子の表面付着力は、主として、ファンデルワ―クス力、静電気力、吸着液体の皮膜による表面張力である。
粒子の再飛散は、粒子の付着力以上の外力が加えられて初めて表面から分離して気流中に移動し発生する。
問題52
流体の基礎に関する次の文章の[ ]内に入る語句の組合せとして、正しいものはどれか。
流管の二つの断面A、B間における流れの力学的エネルギ―の保存を仮定すると以下の式が得られる。
- (ア)ベルヌ―イの定理―――(イ)動圧――――(ウ)静圧
- (ア)ベルヌ―イの定理―――(イ)静圧――――(ウ)動圧
- (ア)ベルヌ―イの定理―――(イ)動圧――――(ウ)絶対圧
- (ア)連続の式―――――――(イ)動圧――――(ウ)静圧
- (ア)連続の式―――――――(イ)動圧――――(ウ)絶対圧
答え【1】
この式は、[ ベルヌ―イの定理 ]と呼ばれ、各辺の第一項を[ 動圧 ]、第二項を[ 静圧 ]、第三項を位置圧と呼ぶ。ただし、ρ:密度、U:速度、P:圧力、g:重力加速度、h:高さ。
この問題も良く出ます。
- 令和2年問題49
- 令和元年問題50
- 平成30年問題52
- 平成28年問題51
- 平成27年問題51
問題53
室内気流に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 置換換気は、室温よりやや低温の空気を床面付近に低速で供給し、天井面付近で排気する方式である。
- コ―ルドドラフトは、冷たい壁付近などで自然対流によって生じる下降流が原因で生じることがある。
- ドラフトとは不快な局部気流のことであり、風速、気流変動の大きさ、空気温度の影響を受ける。
- 壁面上部からの水平吹出しの空気調和方式では、冷房時に居住域に停滞域が生じて上下温度差が大きくなりやすい。
- 天井中央付近から下向き吹出しの空気調和方式では、冷房時に冷気が床面付近に拡散し、室上部に停滞域が生じやすい。
答え【4】
(4)が誤りです。ここでのポイントは気流の性質を理解することです。
- 温風は上昇する。
- 冷風は下降する。
- 令和2年問題51
- 令和元年問題52
- 平成30年問題53
- 平成28年問題52
- 平成27年問題54
問題54
室内温度と湿度に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 暖房期における低湿度の改善は、室内空気環境管理にかかわる大きな課題である。
- 同じ室内であっても、室内温度は垂直的にも平面的にも、多少は不均一である場合が多く、その差が小さければ問題はないが、大きい場合には不快感や生理的障害などの原因になる。
- 東京都の建築確認申請時に審査した建築物で採用された加湿方式として、近年水スプレ―の割合が他の方式に比べて最も多い。
- 室内温度の不適率は、東京都の調査によると、近年3~4%と低い率で推移してきたが、平成23年度においては節電の影響もあり2割近い不適があった。
- 室内における空気中の水分量そのものの空間的な分布は比較的小さい。
答え【3】
加湿方式には大きく分けて蒸気吹出し方式、水噴霧方式、気化方式の3つがあります。ここでいう水スプレ―とは水噴霧方式のことです。(3)が誤りです。
最近では気化式が最も多いです。およそ90%を占めています。
(4)ですが
温度は平成23年以降節電等の影響により不適が高くなっています。
上記図でもわかるように温度の不適率が最近高い傾向にあります。問題55
空気汚染物質の特性を表すア~エの記述のうち、ホルムアルデヒドの特性を表すものの組合せとして、最も適当なものは次のうちどれか。
ア.常温で淡黄色の気体である。
イ.発生源には、複合フロ―リング材・合板等がある。
ウ.人為的な発生よりも火山や森林火災などの自然発生の量が最も多いと推定されている。
エ.水溶性の有機化合物である。
- アとイ
- アとウ
- イとウ
- イとエ
- ウとエ
答え【4】
ホルムアルデヒドの特徴として以下が挙げられます。
- ホルムアルデヒドは、常温では可燃性の無色の気体である。水やアルコ―ル等に溶けやすい。
- 35~38%水溶液はホルマリンと呼ばれている。
- ホルムアルデヒドは還元性が強く、人間にとって毒性、刺激性が強い。発がん性が確認されている。
- 建材、洗剤、化粧品、消毒剤、防腐剤に利用されている。
- 燃焼排気ガス、たばこ煙中にも存在
- シックハウス症候群及び肺気腫の原因物質である。
- 建築基準法によって居室の種類によるホルムアルデヒド発散建築材料の面積制限と換気設備の設置が義務付けられている。
イとエが正しいので(4)になります。
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