平成29年度建築物の環境衛生「過去問題解説5」
問題41
水銀に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 一般に、有機水銀と無機水銀に分けられる。
- 有機水銀は、生物濃縮を起こすことが知られている。
- 水俣病は、メチル水銀による公害病である。
- 重要な影響の一つに、中枢神経障害がある。
- 皮膚癌の原因となることが知られている。
答え【5】
水銀は皮膚がんの原因にはなりません。水銀
- 有機水銀のメチル水銀が水俣湾周辺の公共水域を汚染し、水俣病の原因となった。
- 急性中毒は口内炎、下痢、腎障害などがみられる。
- 慢性中毒では貧血白血球減少を起こし、過剰に摂取すると大脳に蓄積して、中枢神経の障害を起こし、手足の知覚喪失、精神以上となる。
- 一般に、有機水銀と無機水銀に分けられる。
- 有機水銀は、生物濃縮を起こすことが知られている。
- 水銀及びその化合物は、水道法に基づく水質基準項目の一つである。
- 令和元年年問題39
問題42
感染症とその病原体の種類との組合せとして、最も適当なものは次のうちどれか。
- 麻しん――――――――――ウイルス
- ワイル病―――――――――真菌
- カンジダ症――――――――細菌
- つつが虫病――――――――原虫
- クリプトスポリジウム症――リケッチア
答え【1】
正しいのは(1)の麻しん――――――――――ウイルスです。
ワイル病はスピロヘ―タ
カンジダ症は真菌
つつが虫病はリケッチア
クリプトポリジウム症は原虫です。
そこで、間違えやすいのがつつが虫病ですが、虫がついているので原虫と選びそうですがリケッチアです。
その他の感染症については以下に記載しておきます。
感染症と病原体の種類
分類 | 大きさと形態 | 感染症の例 |
---|---|---|
ウイルス | 10~400nm球状の小体 | 麻しん、痘そう、インフルエンザ、日本脳炎、ポリオ、B型肝炎 |
細菌 | 1μm前後球形ないし櫛形の単細胞生物 | コレラ、赤痢、腸チフス、ベスト、結核、レジオネラ症、パラチフス |
リケッチア | 300~500nm球球ないしは裸形の小体 | 発疹チフス、つつが虫病 |
真菌 | 1~10μm程度の仲間 | カンジダ症、白癬症 |
スピロヘ―タ | 6~15μmらせん形の細長い単細胞生物 | 梅毒、ワイル病 |
原虫 | 20~500μm以上単細胞生物 | マラリア、クリプトポリジウム症 |
- 令和元年問題41
- 平成30年問題41
- 平成28年問題41
- 平成27年問題42
問題43
水系感染症の特徴に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
- 発生は、一般に特定の年齢層や職業に集中する。
- 一般に重症例が多く、致死率が高い。
- 発生は、おおむね梅雨から夏季に限定される。
- 初発患者の発生から数日で爆発的に患者が増える。
- 一般に水の汚染が証明又は確定されることは少ない。
答え【4】
(4)が正しい。(1)は患者の性別、職業、年齢等に無関係に発症する。
(2)は一般に、水で薄められるため潜伏期間が長く、致死率は低く、軽症例が多い。
(3)(4)は発生時期が季節等に左右されることは少なく、初発患者の発生から数日で爆発的に発生する。
(5)は一般に水の汚染が証明又は確定されることは多い。
飲用用の水に何らかの原因で病原体
- 細菌(腸チフス、パラチフス、コレラ、赤痢等)
- ウイルス(肝炎ウイルス、ポリオウイルス、コクサッキ―ウイルス等)
- 原虫(赤痢アメ―バ、クルプトポリジウム等)
- 平成30年問題39
問題44
ノロウイルスに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- ヒトからヒトへ感染する。
- 感染しても発症しない場合がある。
- 潜伏期間は、1週間である。
- ノロウイルス感染症は、冬季を中心に発生する。
- ノロウイルス感染症の主な症状は、嘔吐、下痢等である。
答え【3】
(3)が誤りです。ノロウイルスによる胃腸炎発症までの潜伏期間は24~48時間です。
ノロウイルス感染症はノロウイルスにより起こる消化器管感染症である。
食中毒の原因になるのみならず、ヒトからヒトへの感染もあり、さらに感染力が強いため
大規模な集団発生を生じる。嘔吐・下痢・発熱が主な症状である。
他の食中毒と異なり冬期に発生する。
これは二枚貝(カキ等)を生食することが冬期に多いことが一因となっている。
問題45
10%溶液として市販されている次亜塩素酸ナトリウムを水で希釈して50mg/Lの濃度の溶液を80L作る場合、必要となる10%溶液の量として、最も近いものは次のうちどれか。
- 0.4mL
- 1.6mL
- 4mL
- 16mL
- 40mL
答え【5】
ここで、少し問題を解く際のポイントを記載いたします。まず、水溶液の濃度の表し方には2種類あります。 濃度を%と表す場合と体積で表す方法です。
- (溶質の質量[g] / (水溶液の質量[g]) x 100 = 水溶液の濃度[%]
- (溶質の質量[mg] / (水溶液の体積[L] = 水溶液の濃度[mg/L]
まず、50mg/Lの濃度の溶液を80L作る場合なので
実際に必要な次亜塩素酸ナトリウムは
50mg/L x 80L = 4000mg
になります。
そこで単位が
mg/L x LなのでLが約分されてmgが残り
4000mgになります。
4000mg = 4mLとみなし
この4mLが全体の10%を占めてるので、全体は4mL ÷0.1 = 40mLになります。
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