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平成28年度ねずみ・昆虫等の防除「過去問題解説2」

問題171

ハエ類に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. イエバエの主要な発生源は、蓄舎やごみ処理場である。
  2. ニクバエ類は、卵ではなく幼虫を産む卵胎生のハエである。
  3. クロバエ類は、気温の低い時期に発生する大型のハエである。
  4. キンバエ類は、ハエ症の原因となる。
  5. ショウジョウバエ類は、浄化槽の表面に浮いているスカムから大量発生する。


解説

答え【5】

(5)のショウジョウバエ類は、腐敗した植物質や果物から発生するちゅう房の生ごみ等が発生源です。
浄化槽の表面に浮いているスカムから大量発生するのはチョウバエです。
ここがポイント

ハエ類

  1. ノミバエ類は排水槽や浄化槽の表面に浮いているスカムから発生することがある。脚が強くわずかなすき間から歩行 して室内に侵入する。リボン法で生息調査を行う。
  2. クロバエやニクバエ類は、ネズミやその他動物の死骸を発生源とすることがある。
  3. イエバエは近年は普通に生息するハエであった。しかしごみ処理が頻繁に行われるようになってから都心部ではほとんど見られなくなった。
    現在のイエバエの発生源は豚舎・鳥舎・牛舎等あり、O-157を媒介する。


類似問題

問題172

殺虫剤やその剤型に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. ピレスロイド剤を液化炭酸ガスに溶解した製剤がある。
  2. ペルメトリンを有効成分とするゴキブリ用の食毒剤がある。
  3. ジクロルボスを有効成分とする樹脂蒸散剤がある。
  4. プロペタンホスを有効成分とするマイクロカプセル(MC)剤がある。
  5. 有機リン剤によりノックダウンした虫は、蘇生せずに死亡することが多い。


解説

答え【2】

(2)のペルメトリンは致死効力と残効性に優れたピレスロイド剤です。
ここがポイント


類似問題

問題173

ねずみの防除に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. クマネズミを対象とした毒餌は、植物性の餌を基材とする。
  2. ネズミの侵入を防ぐため、ドア周辺の隙間は1cm以内にする。
  3. ドブネズミは、警戒心が強く、毒餌やトラップによる防除が困難である。
  4. ハツカネズミは、農村地帯や港湾地域に分布している。
  5. 防除の基本は、餌を絶つこと、巣を作らせないこと、及び通路を遮断することである。


解説

答え【3】

(3)の警戒心が強く、毒餌やトラップによる防除が困難であるのはクマネズミです。
クマネズミ、ドブネズミ、ハツカネズミの特徴は毎回出題されていますのでしっかり覚えましょう。
ここがポイント

ねずみの生態

建築物内に生息するねずみは、クマネズミ、ドブネズミ、ハツカネズミである。

大きさは、 になり、
ドブネズミ > クマネズミ > ハツカネズミ
の順になる。

これ覚えましょう。
クマネズミ

  1. 都心の大型ビルではクマネズミが優占種である。
  2. クマネズミは運動能力に優れパイプ、電線を伝わったり垂直行動が得意でいたるところから侵入する。
  3. 天井、梁など建物の比較的高層部分まで生息する。
  4. クマネズミは動物性の餌も食べるが植食性が強い。
  5. 大きさは、頭胴長が、成獣で15~23cmで、尾長は体長よりも長く、頭胴長の約1.1倍程度で、体重は、大体100g~200gである。形態的な特徴は、耳が大きく、折り返すと目を覆う ほどで、尾の長さは体長よりも長い。
  6. 毛色は背面が黒褐色で、腹面はやや黄褐色のものが多い。
  7. クマネズミは警戒心が強く、毒餌をなかなか食べず、防除が困難である。
  8. クマネズミは、天井裏、壁の中、カウンタ内部、空気調和機の内外、戸棚や引出しの内部、ソファ内部、ちゅう房の機器内部等、多彩に巣を作る。

ドブネズミ

  1. ドブネズミは比較的平面的な活動をするので地下や厨房、低層階に多い。
  2. ビルの周囲の植栽の土壌などに穴を掘って生息する。
  3. ドブネズミの食性は雑食性であるが、動物蛋白を好む。
  4. ドブネズミの大きさは、頭胴長が成獣で22~26cmで尾長は体長よりもやや短い(体長の0.7~0.9倍)、体重は最大のもので500gを超す。(成獣でおよそ200g~500g程度)
  5. 特徴は耳が小さく肉厚で、倒しても目まで届かないことと尾の長さが体長よりも短い
  6. ドブネズミは泳ぎが得意。排水溝が最も重要な侵入場所である。水洗便所からも侵入する。
  7. 毛色は、基本的に背面が褐色、腹面が色白であるが、全身黒色等に変化したものも多い。
  8. 獰猛であるが警戒心が弱く、防除は比較的やりやすい。
  9. ドブネズミは床に巣を作ることが多い。

ハツカネズミ

  1. 農村で優占種であるハツカネズミの生息地は畑地とその周辺地域であるが、ビル内にも生息する。ビルでは局所的な分布で、生息数はドブネズミやクマネズミより少ない。行動範囲も小さい。
  2. 種子食性である
  3. 最も小型のネズミで、頭胴長が成獣で6~9cm、尾長は体長よりやや短い程度(体長の0.9~1.0倍)、体重は成獣で約10g~20gである。
  4. 特徴は、耳が大きくハツカネズミ特有の臭いがする。
  5. 水気のない環境下でも長時間生息する。
  6. 好奇心旺盛でトラップにかかりやすいが、殺鼠剤にはもともと強い


クマネズミ、ドブネズミ、ハツカネズミの特徴はしっかり覚える。

クマネズミは運動能力に優れパイプ、電線を伝わったり垂直行動が得意でいたるところから侵入する。
クマネズミは動物性の餌も食べるが植食性が強い。
ドブネズミは獰猛であるが警戒心が弱く、防除は比較的やりやすい。
ドブネズミの食性は雑食性であるが、動物蛋白を好む。
ドブネズミは泳ぎが得意。


類似問題

問題174

薬剤を用いたねずみの防除に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. ワルファリン抵抗性のあるネズミに対する抗凝血性殺鼠剤として、ジフェチアロ―ルがある。
  2. カプサイシンには、処理区域からネズミを追い出す効果がある。
  3. シリロシドは、1回の経口摂取で致死させる急性殺鼠剤である。
  4. 第1世代の抗凝血性殺鼠剤であるワルファリン、フマリンは、遅効性である。
  5. 殺鼠剤で死亡したネズミから、悪臭やハエが発生することがあるので死鼠の回収に努める。


解説

答え【2】

(2)のカプサイシンは忌避剤です。
ねずみによるケ―ブル等のかじり防止の目的の為カプサイシンが使用されています。
追い出し効果はありません。
ここがポイント

(1)のジフェチアロ―ルは日本で唯一承認されている第2世代の抗凝血性殺鼠剤です。
(4)の第1世代の抗凝血性殺鼠剤であるワルファリン、フマリンは、少量を4~5日間連日摂取すると、ネズミは血液凝固阻止作用を起こし失血死する。大量に摂取しても1回の投与ではほとんど致死効果はない。


類似問題

問題175

感染症と衛生動物との組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。

  1. レプトスピラ症―――ネズミ類
  2. 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)――マダニ類
  3. 日本紅斑熱――――アカイエカ
  4. デング熱――――ヒトスジシマカ
  5. 日本脳炎―――――コガタアカイエカ


解説

答え【3】

日本紅斑熱はマダニが媒介する。
ここがポイント

主な疾病と媒介動物
疾病媒介動物
消化器系感染症(O-157)イエバエ
小児喘息ヒョウヒダニ
サルモネラ症ドブネズミ
レプトスピラ症
(ワイル病)
ドブネズミ
疥癬ヒゼンダニ
つつがむし病ツツガムシ
マラリアハマダラカ
腸ペストノミ
ライム病マダニ
赤痢ハエ
日本脳炎コガタアカイエカ
発疹チフスコロモシラミ
ウエストナイル熱アカイエカ
デング熱ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ
ジカウイルス感染症ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ
フィラリア症アカイエカ、ヒトスジシマカ
アナフィラキシ―ショックスズメバチ類、アシナガバチ
日本紅斑熱マダニ
現在媒介する感染症は確認されていない。チカイエカ、トコジラミ


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